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英語雑学100選~面白いうんちくから中学生におすすめ豆知識まで~

英語は、世界で最も多く使われる言語のひとつ。しかし、私たちが知っている英語は、ほんの一部にすぎません。この記事では、英語の言葉の由来・文化の違い・発音の不思議など、知るとちょっと話したくなる雑学を100個紹介します。面白いうんちくとして誰かに話しても良し、英語を習いたての中学生が豆知識として吸収するのもGood! 言語に興味がちょっとでもある方なら読むだけで、英語の見え方が変わるはずです!

英語話者・コミュニケーションの実態

1. 英語話者の8割は非ネイティブ

世界中で英語を話す人のうち、意外にも約8割は非ネイティブスピーカーです。英語を母国語とする「ネイティブ」は実は少数派であり、ビジネスの現場でも、「第二言語」としての英語を使って、非ネイティブ同士が会話するケースが圧倒的に多いのです。そのため、現代の英語学習においては、完璧な発音よりも、多少の訛りがあっても「堂々と意思を伝える能力」の方が重要視される傾向にあります。

 

2. 国により発音が異なる英語

同じ英語圏であっても、国や地域によって発音は大きく異なります。代表的な例が「Water」で、アメリカでは「t」が濁って「ウァーラー」のように聞こえますが、イギリスではハッキリと「ウォーター」と発音されます。また、オーストラリア英語には「エイ」を「アイ」と発音する(Todayがトゥダイになる)特徴があるなど、その多様性は非常に豊かです。

 

3. 英語を話せる日本人5%

日本で「英語が話せる」と胸を張って言える人は非常に少なく、外国人と支障なくコミュニケーションが取れるレベルの人は全体の約5%、つまり20人に1人程度だと言われています。日本は島国であり日常生活で英語を必要としない環境にあるためですが、逆に言えば、ビジネスレベルで流暢に話せるようになれば、希少な人材として重宝されるということです。

 

4. 米国人も全員が話せるわけではない

「アメリカ人は全員英語が話せる」と思われがちですが、実はそうではありません。移民の国であるアメリカには、家庭内で母国語のみを使用する人々も多く暮らしています。特にヒスパニック系(スペイン語圏出身)のコミュニティではスペイン語だけで生活が完結することもあり、数千万人規模の人々が英語を話せない、あるいは苦手としているという現実があります。

 

5. 米国は公用語を定めていない

驚くべきことに、アメリカ合衆国連邦政府は法的に「英語」を公用語として定めていません。事実上の共通語は英語ですが、法律で定めてしまうと、多種多様な背景を持つ移民たちへの差別につながりかねないという配慮があるからです。「自由と平等の国」としての理念を守るため、あえて言語を一つに絞らないというスタンスを取っています。

 

6. 豪州も公用語は定めず

オーストラリアもアメリカ同様、連邦レベルで法的な公用語を定めていません。行政や教育の場では当然のように英語が使われていますが、これには歴史的な背景があります。かつて植民地化によって迫害されたアボリジニなどの先住民族の言語や文化を尊重し、多文化共生社会を目指すという現代的な配慮が含まれているのです。

 

7. 英語が共通語の理由:話者数

英語がこれほどまでに世界中で使われるようになった最大の理由は、歴史的な経緯にあります。かつて「太陽の沈まない国」と呼ばれた大英帝国が世界中に植民地を持ったことで、北米、アフリカ、インドなど広範囲に英語が根付きました。元々の話者人口の多さと、統治のための言語として強制力を持って普及したことが、現在の地位の土台となっています。

 

8. 英語が共通語の理由:企業本社

第二次世界大戦後、世界の経済・ビジネスの中心がアメリカに移ったことも英語普及の決定的な要因です。ニューヨークのウォール街や、ITの聖地シリコンバレーなど、世界を牽引するグローバル企業の本社がアメリカに集中しています。最新のビジネスモデルやテクノロジーを学ぶためには英語が不可欠となり、「ビジネス=英語」という図式が完成しました。

 

9. 英語が共通語の理由:映画

ハリウッド映画の影響力も見逃せません。20世紀以降、アメリカの映画やポップカルチャーは世界中を席巻しました。かつては翻訳技術も未熟で、最新のエンターテインメントを楽しむためには英語を理解する必要がありました。現在でも、映画やドラマを通じて英語に触れる機会は圧倒的に多く、これが若者たちが英語を学ぶ大きな動機付けとなっています。

 

10. 英語が共通語の理由:簡潔さ

言語学的な視点から見ると、英語は比較的習得しやすい言語であると言われています。フランス語やドイツ語のように名詞に「性別(男性名詞・女性名詞)」がなく、動詞の活用もそこまで複雑ではありません。26文字のアルファベットだけで構成され、文法構造も合理的です。このシンプルさが、第二言語として広く受け入れられる要因の一つとなりました。

 

11. 日本語は最難関言語

アメリカ国務省の機関FSIは、英語ネイティブにとっての他言語習得難易度をランク付けしていますが、日本語は最も難しい「カテゴリーIV(スーパーハード)」に分類されています。文法構造が英語と真逆であること、そして「敬語」などの複雑な概念が壁となります。習得には2200時間以上の学習が必要とされ、これは外交官クラスの優秀な人材にとっても至難の業なのです。

 

英語の表現・文法・言い回し

12. 「What time is it now?」は不自然

日本の学校では「今、何時ですか?」を「What time is it now?」と習うことが多いですが、ネイティブにとってこの「now」は違和感の塊です。質問している時点で「今」の時間を聞いているのは明白だからです。nowをつけると「(過去ではなく)今のこの瞬間は何時なんだ!」と強く要求しているように聞こえるため、単に「What time is it?」と聞くのが自然です。

 

13. 「Do you have the time?」が自然

スマートに時間を尋ねたい場合、ネイティブは「Do you have the time?」というフレーズを多用します。ここで重要なのは「the」の有無です。「the」がつくと「(時計の)時間」になりますが、「Do you have time?」とtheを抜かすと「(空いている)時間はありますか?」という意味になり、デートの誘いや相談事と勘違いされる可能性があるため注意が必要です。

 

14. 「Who are you?」は大変失礼

直訳すると「あなたは誰ですか」となる「Who are you?」ですが、実際の英会話でこれを使うと、相手はムッとするでしょう。このフレーズには「お前、何者だ?」「関係ないだろ」といった威圧的で攻撃的なニュアンスが含まれるからです。初対面の相手や電話口で名前を聞きたい時は、「May I have your name?」と促すのがマナーです。

 

15. 「I'm fine」は教科書的すぎる

英語の授業でおなじみの「How are you?」に対する「I’m fine, thank you. And you?」という返答。文法的に間違いではありませんが、実際の会話でこれをそのまま使うネイティブはほとんどいません。あまりにも定型文すぎて、感情がこもっていないロボットのような冷たい印象を与えてしまうことがあります。「Fine」は「まあまあ」「問題ない」程度の色味のない言葉です。

 

16. 元気な時は「Great」と答える

挨拶でポジティブな印象を与えたいなら、「I’m fine」よりも「I’m great!」や「I’m doing good.」などを使うのがおすすめです。特にアメリカなどでは、元気であることをアピールすることで「仕事ができる」「充実している」という印象に繋がります。逆に体調が悪い時や普通の時は「Not bad(悪くないよ)」など、気分別にバリエーションを持っておくと会話が弾みます。

 

17. 英語にも「敬語」が存在

「英語はフランクで敬語がない」と誤解されがちですが、実際には相手との距離感や立場に応じた丁寧表現が厳格に存在します。例えば、カフェで「Coffee.」と言えば「コーヒーくれ」と乱暴に聞こえます。「Can I...」よりも「Could I...」の方が丁寧ですし、さらに「May I...」を使えばより礼儀正しくなります。ビジネスの場では、この使い分けが信頼関係を左右します

 

18. 「Would you」で敬語表現

相手に何かを依頼したり勧誘したりする際、文頭に「Would you 〜?」をつけるだけで、一気に上品で丁寧な響きになります。「Do you want 〜?(〜したい?)」だと直接的すぎますが、「助動詞の過去形(Would, Could)」を使うことで、直接的な表現を避けて「距離」を取り、相手への配慮や敬意を示すことができます。

 

19. 目上にはSir/Ma'amで返事

映画やドラマで、軍人が上官に「Yes, sir!」と言うシーンを見たことがあるでしょう。この「Sir(男性)」や「Ma’am(女性)」は、軍隊に限らず、接客業や目上の人に対する会話で頻繁に使われます。知らない相手に呼びかける時にも「Excuse me, sir.」のように使われ、これをつけるだけで相手への敬意(リスペクト)を明確に示すことができる便利な言葉です。

 

20. 1語で文章が成立する例

英語の文法では通常、主語と動詞が必要ですが、命令文においては主語の「You」が省略されるため、動詞一語だけで完全な文章が成立します。「Go.(行け)」「Run.(走れ)」「Stop.(止まれ)」などがその例です。これらは文脈によっては非常に強い意味を持ち、緊急時や強い命令を表す際に使われます。

 

21. 最短の完全文は「I am.」

主語と動詞のセットで意味が通じる「完全な肯定文」の中で、世界一短いとされるのが「I am.」です。これは結婚式での誓いの言葉「I do.」と同じように、存在や意思を肯定する究極にシンプルな表現です。例えば「Are you tired?(疲れてる?)」と聞かれた時に、「I am.(そうなんだ)」と答える場合などに使われます。

 

22. thatが7回続く文

英語のパズル的な例文として有名なのが、接続詞や指示代名詞としての「that」を7回連続で使う文章です。"It is true for all that that that that that that that refers to..."(あの「that」が指すあの「that」は…)。読み手を混乱させますが、文法的には完全に正しく、英語がいかに品詞の役割によって構造を変えるかを示す言葉遊びの一つです。

 

英単語の構造と語彙

23. 最長45文字の英単語

一般的な辞書に載っている中で最も長い英単語は、「pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis(超微視的珪質火山塵肺疾患)」という45文字の単語です。実はこれ、医学用語として自然発生したものではなく、パズル愛好家が「一番長い単語を作ろう」として意図的に造語したものだと言われています。

 

24. 最も短い英単語

最も短い英単語は、もちろん1文字の「I(私)」と「a(一つの)」です。興味深いのは、この2つが英語の中で最も頻繁に使われる言葉であるという点です。特に「I」は常に大文字で書かれますが、これは「小文字のiだと文章の中で埋もれてしまって読みにくい」という実用的な理由や、「自我の重要性を強調するため」という説があります。

 

25. 新語は2時間に1つ増加

英語は「生きている言語」であり、その語彙数は爆発的に増え続けています。テクノロジーの進化や流行の変化に伴い、年間約4000語、計算すると約2時間に1つのペースで新しい単語が辞書に追加されていることになります。「Selfie(自撮り)」や「Hangry(空腹でイライラする)」などの造語が次々と公式化されており、ネイティブであっても全ての単語を知ることは不可能です。

 

26. 英語話者の語彙は2〜3万語

では、一般的なネイティブスピーカーはどれくらいの単語を知っているのでしょうか。研究によると、大人の平均的な語彙数は約20,000〜30,000語程度だと言われています。日常会話は3,000語程度で成立すると言われますが、ニュースや専門的な話題を理解するためには、この数倍の語彙力が必要になります。

 

27. 日本人の語彙数は3〜5万語

対して、日本人の語彙数は非常に多いと言われています。大人の平均で3万〜5万語、読書家ならそれ以上を知っています。日本語には「和語」「漢語」「外来語」という3つの層があり、例えば「食べる」「食事する」「ランチする」のように、同じ意味でも場面に応じて使い分ける豊富なバリエーションがあるためです。

 

28. 接頭語で意味を推測

英単語を効率よく覚える鍵は「接頭語」にあります。例えば「pre-(前の)」を知っていれば、preview(プレビュー=前のを見る)、prepare(準備する=前もって整える)などの意味が推測できます。語源を知ることは単なる暗記作業を「納得」に変えてくれるため、知らない単語に出会っても、分解して意味を類推する力が身につきます。

 

29. 接頭語reの3つの意味

よく見る接頭語「re-」には、実は3つの異なるニュアンスがあります。最も有名なのは「再び」という意味(例:replay)ですが、他にも「後ろへ」という意味(return 戻る)や、「強意・反対」などの意味(resist 抵抗する)があります。単に「re=再び」とだけ覚えていると、意味が通じない単語が出てくるのはこのためです。

 

30. その他の接頭辞

他にも便利な接頭辞は沢山あります。「dis-」は否定や分離を表し、「cover(覆う)」につくと「discover(覆いを取る=発見する)」という劇的な意味の変化を生みます。「uni-」は「1」を意味し、unicycle(一輪車)やuniform(一つの形=制服)になります。「inter-」は「相互の」を意味し、interview(互いに見る=面接)などに使われます。

 

31. thereinから10語生成

「therein(その点で)」というたった7文字の単語の中には、文字の順番を変えずに抽出できる単語が10個も隠れています。The, there, he, in, rein(手綱), her, here, ere(〜の前に), herein, therein。これは英語の単語がいかに基本的なパーツの組み合わせでできているかを示す面白い例であり、ワードパズルのネタとしても人気があります。

 

32. 1文字1回使用の最長単語

「isogram」と呼ばれる、同じアルファベットを2回使わない単語の中で、最も長いとされているのが15文字の「uncopyrightable(著作権で保護できない)」や「dermatoglyphics(皮膚紋理学)」です。通常の文章では文字の重複は避けられませんが、これだけ長い単語で一文字も被らないのは奇跡的です。

 

33. アルファベット順の最長単語

単語のつづりが「A, B, C...」というアルファベット順に綺麗に並んでいる単語の中で、最も長いのは「Aegilops(エギロプス)」という8文字の単語(植物の名前)です。日常会話で使うことはありませんが、「言葉の珍記録」としてギネスブック的な雑学本にはよく登場します。逆に逆順に並んでいる単語には「spoonfeed」などがあります。

 

34. -dousで終わる4単語

英語には「〜ous」で終わる形容詞(famous, dangerousなど)は山ほどありますが、「-dous」で終わる一般的な単語はたった4つしかありません。Hazardous(危険な)、Horrendous(恐ろしい)、Stupendous(驚くべき)、Tremendous(ものすごい)。どれも何かしら強い感情や危険性を伴う言葉ばかりなのが面白い共通点です。

 

35. シェークスピアが生んだ1700語

ウィリアム・シェークスピアは、単なる劇作家ではなく「言葉の発明家」でした。彼は1700語以上もの新しい単語や言い回しを生み出し、作品を通じて世に広めたと言われています。既存の名詞を動詞として使ったり、接頭辞をつけて新しい意味を作ったりと、彼の柔軟な言語感覚がなければ、現在の英語はもっと表現の幅が狭かったかもしれません。

 

36. S.発案の単語例

シェークスピアが広めた言葉の中には、現代の私たちが当たり前に使っているものが多数あります。「Addiction(中毒)」、「Lonely(孤独な)」、「Bedroom(寝室)」など、生活に密着した単語ばかりです。また、「Love is blind(恋は盲目)」や「Break the ice(場を和ませる)」といった慣用句も彼が生み出したものであり、400年以上経った今も世界中で引用され続けています。

 

37. 1.5万年前の最古単語

言語学の研究により、いくつかの英単語は15,000年前の氷河期からほとんど形を変えずに使われていることが判明しています。それは「Mother(母)」「Fire(火)」「Ashes(灰)」といった、人間の生存や社会生活の根幹に関わる言葉です。これらの単語は、文明がどれだけ進化しても変わることのない、人類共通の記憶とも言える響きを持っています。

 

38. girlは幼い子供を意味

現代では「女の子」を意味する「Girl」ですが、中世英語の時代(1300年頃)には、性別に関係なく「若者、子供」全般を指す言葉でした。当時は男の子を「Knave girl」、女の子を「Gay girl」と呼んで区別していたそうです。言葉の意味は時代とともに範囲が縮小・特定化していくことがあり、girlもその歴史の中で「女性の子供」だけに限定されるよう変化していったのです。

 

39. salaryの語源は塩の手当

サラリーマンの語源でもある「Salary(給料)」は、ラテン語の「Salarium(塩の支給)」に由来します。古代ローマ時代、塩は冷蔵庫のない世界で食品を保存するための必需品であり、「白い金」と呼ばれるほど価値がありました。ローマ兵士への給料の一部として塩そのもの、あるいは塩を買うための手当が支払われていたことが、現代の「給与」という言葉のルーツになっています。

 

40. robotは強制労働が語源

「Robot(ロボット)」という言葉は、1920年にチェコの作家カレル・チャペックの戯曲『R.U.R.』で初めて登場しました。この言葉はチェコ語で「強制労働」や「苦役」を意味する「Robota」が語源です。元々は「人の代わりに辛い労働をさせられる人造人間」という暗い背景を持つ言葉でしたが、現在ではテクノロジーの象徴として定着しました。

 

41. 複数形しかない単語

「Jeans(ジーンズ)」「Scissors(ハサミ)」「Glasses(メガネ)」など、英語には「常に複数形」で使われる名詞があります。これらは「2つのパーツが対になって1つの機能をなす」という共通点があります。足を入れる部分が2本、刃が2枚あるためです。これらを数える時は「One scissors」ではなく「A pair of scissors(一対のハサミ)」と言う必要があり、英語特有の「数の論理」が見て取れます。

 

42. orangeは韻を踏めない

詩やラップの世界では「韻を踏む(Rhyme)」ことが重要ですが、「Orange(オレンジ)」という単語は、英語の中で完全に韻を踏める単語が存在しないことで有名です。そのため、詩人やソングライターたちは、歌詞の中でorangeを使う際、無理やり似た音の単語を組み合わせたりして苦労してきました。「Silver」や「Month」も同様に、韻を踏む相手がいない「独りぼっちの単語」です。

 

43. 意味が真逆になる単語

文脈によって正反対の意味を持つ不思議な単語を「Contronym(同綴異義語)」と呼びます。例えば「Dust」は、名詞では「ホコリ」ですが、動詞にすると「ホコリを払う(除去)」と「粉をまぶす(付着)」という真逆の動作を表します。また「Sanction」も「認可する」と「制裁する」という反対の意味を持ちます。通訳者泣かせの単語です。

 

44. giftはドイツ語で「毒」

英語学習者を混乱させるのが「False friend(空似言葉)」です。英語で「Gift」は素敵な「贈り物」ですが、ドイツ語で「Gift」と書くと、なんと「毒」を意味します。うっかりドイツ人の友人に「I have a gift for you!」と言って文字を見せると、ギョッとされるかもしれません。両言語が同じルーツを持ちながら、歴史の中で意味が分岐してしまった結果です。

 

アルファベットと文字に関する雑学

45. 昔のアルファベットは29文字

現在の英語アルファベットは26文字ですが、1000年ほど前の古英語の時代にはもっと多くの文字がありました。その中には、現在記号として扱われている「&(アンパサンド)」も、かつては正式なアルファベットの27番目の文字として教えられていました。時代とともに不要な文字が淘汰され、整理された結果が現在の26文字なのです。

 

46. 最も使われる文字はE

英語の文章を解析すると、最も頻繁に登場する文字は圧倒的に「E」です。全文字の約11〜13%を占めると言われています。これは「the」や「be」、「-ed」などの基本単語や語尾に多用されるためです。そのため、モールス信号では「E」に最も短い「・(トン)」という信号が割り当てられており、通信の効率化が図られています。

 

47. Sが先頭文字で最多

辞書を引いた時、最もページ数が多いのは「S」で始まる単語のセクションです。英英辞典では約75,000語もの単語がSから始まります。これは「sc-」「sh-」「sp-」「st-」など、Sが他の子音と結びつきやすい性質を持っているためです。逆に最も少ないのは「X」で始まる単語で、日常会話で使われるものはほとんどありません。

 

48. i, jの上の点はtittle

小文字の「i」と「j」の上にちょこんと乗っている点。これに名前があることを知っていますか? 正解は「Tittle(ティトル)」です。中世の写本などで、縦棒の文字が並んだ時に区別しやすくするために付け加えられたのが始まりです。「Dot the i's and cross the t's(iに点を打ち、tに横棒を引く)」という慣用句は、細部まで慎重に仕上げるという意味で使われます。

 

49. alphabetはα+βが語源

私たちが普段使っている「Alphabet(アルファベット)」という言葉自体の語源は非常にシンプルです。ギリシャ文字の最初の2文字である「Alpha(アルファ)」と「Beta(ベータ)」を繋げたラテン語「Alphabetum」が由来です。つまり、日本語で言えば文字一覧のことを「あいうえお」や「いろは」と呼ぶのと全く同じ発想で名付けられているのです。

 

50. 全文字使用の文はpangram

アルファベット26文字すべてを少なくとも1回ずつ使って作られた文章を「Pangram(パングラム)」と呼びます。意味が通る文章を作るのは非常に難易度が高いパズルですが、フォントのサンプル表示や、タイプライター・キーボードの動作テスト用として古くから愛されてきました。日本語で言うところの「いろは歌」に相当する文化です。

 

51. 有名なパングラムの例文

世界で最も有名なパングラムは「The quick brown fox jumps over the lazy dog.(素早い茶色のキツネが、怠け者の犬を飛び越える)」です。この一文にはAからZまでの全ての文字が含まれています。パソコンのフォント設定画面などでこの文章を見たことがある人も多いはずです。文字の形を確認するために、全ての文字を無理なく配置した、英語圏の文化的遺産とも言える名文です。

 

単語の語源と特別な単語

52. breakfastは断食を破る行為

「Breakfast(朝食)」という単語を分解すると、「Break(壊す)」と「Fast(断食)」になります。寝ている間は何も食べない、つまりプチ断食状態にあります。朝起きて最初の食事をとることは、その「夜間の断食状態を破る」行為であることから、Breakfastと呼ばれるようになりました。単に「朝の食事」ではなく「再始動の儀式」というニュアンスが含まれているのが興味深い点です。

 

53. butterflyの語源

「Butterfly(蝶)」の語源には諸説あり、はっきりとは解明されていませんが、有力なのは「魔女説」です。中世の迷信では、魔女が蝶に姿を変えて、民家にあるミルクやバターを盗みに来ると信じられていました。そこから「バターのハエ(Butter-fly)」と呼ばれるようになったと言われます。他にも、黄色い蝶の排泄物がバターに似ていたからという説もあります。

 

54. dandelionの語源

春に咲く「Dandelion(タンポポ)」の名前は、フランス語の「Dent de lion(ライオンの歯)」が英語風に訛ったものです。タンポポのギザギザした葉っぱの形が、ライオンの鋭い歯並びに似ていることから名付けられました。可憐な花ですが、名前の由来は百獣の王というギャップがあります。ちなみに現在のフランス語ではタンポポを「Pissenlit(ベッドでおねしょする)」と呼びます(利尿作用があるため)。

 

55. 実在しない単語が辞書に載る

辞書は完璧だと思われがちですが、過去には編集ミスで「実在しない単語」が載ってしまったことがあります。有名なのが「Dord」という単語。これは編集者が「D or d(密度記号)」と書いたメモを、別の担当者が「Dordという単語がある」と勘違いして掲載してしまったものです。こうした単語は「Ghost word(幽霊語)」と呼ばれ、数年間誰にも気づかれずに辞書に住み着くことがあります。

 

56. わざと載せられる幽霊語

一方で、意図的に辞書に偽の単語を載せるケースもあります。これは著作権侵害を防ぐための罠です。もし他社が辞書の内容を丸ごとコピーして出版した場合、その偽の単語までコピーしていれば、それが盗用の動かぬ証拠になります。地図会社が存在しない道を書き込む「トラップストリート」と同じ手法で、辞書編纂者たちの知恵比べが生んだ秘密の単語です。

 

57. 180度回転ambigram

「Ambigram(アンビグラム)」とは、文字をデザインして描かれた一種のアートで、180度回転させても同じ言葉として読めるものを指します。英単語の中には、デザインしなくても自然にアンビグラムになるものがあります。例えば「suns(太陽の複数形)」や「pod(さや)」、「swim(泳ぐ)」などは、ひっくり返してもそのまま読める不思議な単語です。

 

58. 回文はpalindrome

上から読んでも下から読んでも同じになる「回文」を、英語では「Palindrome(パリンドローム)」と呼びます。単語レベルでは「Level」「Radar」「Racecar」などが有名です。文章になると「Madam, I'm Adam.(奥様、私はアダムです)」といった古典的なものから、非常に長く複雑なものまで作られており、言葉遊びの王様として親しまれています。

 

59. 文字並べ替え遊びanagram

単語の文字を並べ替えて、全く別の意味の言葉を作る遊びを「Anagram(アナグラム)」と言います。有名な例では、「Listen(聞く)」の文字を並べ替えると「Silent(静かな)」になります。「聞くこと」には「静けさ」が必要だという、哲学的な意味さえ感じさせます。小説『ハリー・ポッター』や『ダ・ヴィンチ・コード』などのミステリー作品でも、謎解きの重要な鍵として頻繁に登場します。

 

60. 届かない背中はacnestis

「背中のかゆいところになかなか手が届かない」。そんなもどかしい場所を指す専用の英単語が「Acnestis(アクネスティス)」です。ギリシャ語由来で、具体的には「肩甲骨の間から腰の上あたりまでの、自分では掻けない部分」を指します。日常会話で頻繁に使われるわけではありませんが、そんなピンポイントな感覚に名前がついていること自体が、英語の語彙の奥深さを物語っています。

 

単語の使用頻度と発音

61. 最も使われる名詞はtime

オックスフォード英語辞典の調査によると、英語で最も頻繁に使われる名詞の第1位は「Time(時間)」です。以下、Person(人)、Year(年)、Way(道・方法)、Day(日)と続きます。これらは人間が生きていく上で最も基本的かつ重要な概念であり、私たちの会話がいかに「いつ」「誰が」「どうやって」という話題で構成されているかを浮き彫りにしています。

 

62. 最も使われる形容詞はgood

最もよく使われる形容詞は「Good」です。単純に「良い」という意味だけでなく、「美味しい」「上手な」「親切な」「十分な」など、文脈によって極めて広い意味をカバーできる万能な単語だからです。ちなみに2位以下にはNew、First、Last、Longなどがランクインしており、物事の状態や順序を説明する言葉が会話の中心にあることが分かります。

 

63. 最多使用単語トップは「the」

品詞に関係なく、英語全体で最も使われる単語チャンピオンは定冠詞の「The」です。英語の全単語の約5〜7%を占めると言われるほど頻出します。日本語にはない概念なので学習者には厄介ですが、「その」と特定することで共通認識を作る、英語の論理構造の根幹を支える言葉です。ちなみに2位は「be」、3位は「to」と続き、これら機能語が英語の骨組みを作っています。

 

64. Eを含む単語は11%

アルファベットの頻度でも触れましたが、英単語全体の約11%には「E」が含まれています。これは他のどの文字よりも圧倒的に多い割合です。小説一冊を書く際に「Eを一度も使わない」という制約で書かれた『ギャズビー』という特異な小説が存在しますが、著者は「the」や「he/she」「-ed」などが一切使えないため、執筆には想像を絶する苦労があったと言われています。

 

65. -oughは9通りの発音

英語学習者を絶望させる綴りの一つが「-ough」です。Tough(タフ)、Though(ゾウ)、Through(スルー)、Cough(コフ)...など、同じ綴りなのに発音が少なくとも9通り以上存在します。これは英語が様々な言語の影響を受けながら複雑に進化した歴史の証拠であり、ネイティブでさえ読み方を間違えることがある、英語最大の難所の一つです。

 

66. colonelは「カーネル」

ケンタッキーフライドチキンの「カーネル・サンダース」で知られる「Colonel(大佐)」という単語。綴りの中に「R」がないのに、発音は「カーネル(/kɝː.nəl/)」となるのはなぜでしょうか。これは語源であるイタリア語の「Colonnello」と、フランス語の「Coronel」が混ざって英語に入ってきた際、綴りはイタリア風、発音はフランス風が定着してしまったという、歴史的な「ねじれ」が原因です。

 

67. Wednesdayの発音由来

水曜日を意味する「Wednesday」。綴りは「ウェド・ネス・デイ」に見えますが、発音は「ウェンズデー」で「d」を読みません。これは古英語で「オーディン(北欧神話の最高神)の日」を意味する「Wodnesdaeg」が変化したものです。長い歴史の中で発音が滑らかになるにつれ、言いにくい「d」の音が脱落しましたが、綴りにだけ古代の名残が化石のように残っているのです。

 

68. Ze, Hirは中性代名詞

近年、英語圏では「彼(He)」「彼女(She)」という男女二元論に当てはまらない人々への配慮から、ジェンダーニュートラルな代名詞が生まれています。「Ze(ズィー)」や「Hir(ヒア)」などがその例です。また、既存の「They」を単数の人の代名詞として使う「Singular They」も辞書に登録され、公的な文書でも認められるなど、言葉は社会の変化に合わせて進化し続けています。

 

資格試験に関する雑学 (英検・TOEIC)

69. 英検1級は1.2万語が必要

日本における英語資格の最高峰「英検1級」。合格に必要な語彙数は約10,000〜15,000語と言われています。これは英検2級(高校卒業レベル)の約3倍にあたり、日常会話では滅多に出てこない学術用語や難解な時事英語が含まれます。ネイティブでも教養のある大人でなければ知らないような単語が出題されるため、単なる英語力だけでなく、幅広い知識と教養が不可欠です。

 

70. 英検1級の合格率は10%

英検1級の合格率は毎回約10%前後で推移しており、非常に狭き門です。受験者の多くはすでに準1級を持っている英語上級者や英語講師たちですが、それでも9割が落ちる計算になります。特に二次試験のスピーキングでは社会問題について即興で意見を述べる高い論理構成力が求められるため、生半可な対策では太刀打ちできません。

 

71. 英検1級はネイティブ中学生?

「英検1級を持っていればネイティブ並みか?」というと、語彙数だけで見れば、実はネイティブの12歳〜15歳(中学生〜高校生)レベルに相当すると言われています。もちろん扱うテーマは大人向けですが、ネイティブが子供の頃から自然に習得する膨大な生活語彙やスラングまではカバーしきれないことが多いです。資格はあくまで学習のマイルストーンであり、ゴールではないことを示しています。

 

72. TOEIC満点は990点

ビジネス英語の指標として人気のTOEIC L&Rテストですが、満点はキリのいい1000点ではなく「990点」です。これは統計処理(項目応答理論)を用いてスコアを算出しているためです。配点は1問5点という単純計算ではなく、問題の難易度や受験者全体の正答率によって変動します。スコアは常に5点刻みで表示されるため、993点といった端数のスコアが出ることはありません。

 

73. 米国人のTOEIC平均は950点

「アメリカ人がTOEICを受ければ楽勝で満点だろう」と思いきや、平均点は950点前後だと言われています。もちろん英語力は満点レベルですが、TOEIC特有の引っかけ問題に不注意でミスをしたり、2時間の長丁場で集中力が切れたりすることがあるからです。つまり、満点を取るには純粋な英語力だけでなく、情報処理能力やテスト形式への慣れも必要だということです。

 

74. TOEIC平均900点超の大学

日本の大学生のTOEIC平均スコアは500〜600点程度ですが、驚異的な平均点を叩き出す大学が存在します。例えば、秋田県の国際教養大学(AIU)などです。授業のすべてを英語で行い、1年間の海外留学を義務付けているため、卒業時には平均スコアが900点を超えることもあるそうです。環境さえ整えば、日本にいながらにして極めて高い英語力を身につけることが可能であることの証明です。

 

75. 東大院文系のTOEIC平均

日本の最高学府である東京大学。その中でも特に英語が得意とされる大学院文系学生のTOEIC平均スコアは、約800点前後と言われています。これは非常に高いスコアですが、満点に近いわけではありません。東大生は難解な英文読解(翻訳)能力には長けていますが、TOEICのようなスピード重視の実践的なビジネス英語とは少し求められる能力が異なるためと考えられています。

 

76. 英語教員のTOEIC平均点

文部科学省は、中高の英語教員に「英検準1級またはTOEIC730点以上」の英語力を求めていますが、実際にはこの基準に達していない教員も一定数存在します。部活動の指導や校務に追われ、自身の英語研鑽に時間を割けない現状が背景にあります。しかし、生徒に「使える英語」を教えるためには、先生自身が高い英語力を維持・向上させることが喫緊の課題となっています。

 

77. TOEIC高スコアと年収

「英語ができると年収が上がる」説は本当でしょうか。転職サイトなどのデータによると、TOEIC700点以上の層は、それ以下の層に比べて平均年収が高い傾向にあることが確認されています。特に外資系企業や大手商社など、高収入の職種で英語力が必須条件となるケースが多いためです。英語力そのものがお金を生むというよりは、英語が高待遇なキャリアへの「パスポート」になると言えるでしょう。

 

歴史・文化・その他の雑学

78. ciderは国で意味が違う

日本で「サイダー」と言えば透明な炭酸ジュースですが、英語圏で「Cider」を注文する時は注意が必要です。イギリスやヨーロッパでは「リンゴを発酵させたお酒(シードル)」を指すのが一般的だからです。一方、アメリカでは「果汁100%の濁ったリンゴジュース(ノンアルコール)」を指すことが多く、地域によって全く別物が出てきます。日本のサイダーが欲しければ「Soda」や「Sprite」と言いましょう。

 

79. pantsは国で意味真逆

ファッション用語の「Pants」も誤解を招きやすい単語です。アメリカで「Nice pants!」と言えば「素敵なズボンだね」という褒め言葉ですが、イギリスで同じことを言うと「素敵な下着(パンツ)だね」というセクハラ発言になりかねません。イギリスではズボンのことを「Trousers」と呼び、Pantsは下着を指すからです。国による言葉の定義の違いを知っておくことは、恥をかかないための防御策です。

 

80. 羊を数える理由

眠れない夜に「羊が一匹…」と数える習慣。これは英語圏発祥の文化です。英語で「Sheep(羊)」の発音が「Sleep(眠り)」と似ており、さらに「Breath(呼吸)」とも韻を踏んでいるため、Sheepと繰り返すことでリラックス効果や自己暗示がかかるとされています。日本語で「ひつじ」と数えても音の関連性がないため、残念ながら催眠効果はあまり期待できません。

 

81. queueの発音不変

「Queue」は「列、順番待ち」を意味する単語で、イギリスなどでよく使われます。発音は「キュー(/kjuː/)」です。スペルは5文字(Q-u-e-u-e)ありますが、実は後ろの4文字(ueue)を削除して「Q」一文字になっても、発音は「キュー」のままで変わりません。まるで後ろの4文字が単なる飾りや待機列のように並んでいる、見た目も意味も面白い単語です。

 

82. 地球だけ神の名前ではない

太陽系の惑星(Mercury, Venus, Mars...)は、ほとんどがギリシャ・ローマ神話の神々の名前から付けられています。しかし、私たちが住む「Earth(地球)」だけは例外です。Earthの語源は古英語の「eor(th)e」やドイツ語の「Erde」にあり、単に「地面」「土壌」を意味する言葉から来ています。神ではなく、足元にある大地そのものを指す名前が付けられているのです。

 

83. 犬を「カメ」と呼んだ時代

明治時代、日本に初めて洋犬が入ってきた頃、多くの日本人が犬のことを「カメ」と呼んでいたという笑い話があります。これは外国人の飼い主が犬に向かって「Come here!(おいで!)」や「Come on!」と呼びかけているのを、犬の名前だと勘違いしたためだという説(民間語源)です。当時の異文化接触の驚きと混乱を伝える、ユーモラスなエピソードです。

 

84. 同時通訳の難しさ

同時通訳者にとって、日本語から英語への通訳は「神業」に近い難易度です。英語は冒頭で結論(否定)を言いますが、日本語は「私は〜とは思い...ません」と、文の最後まで聞かないと肯定か否定かが分かりません。そのため通訳者は、文脈や声のトーンから「おそらく否定だろう」と予測して訳し始める必要があり、極めて高度な集中力と予測能力が求められます。

 

85. 英料理がまずいとされる説

「イギリス料理はまずい」という不名誉な評判には、歴史的背景があります。18世紀の産業革命で農村から都市へ人口が急移動し、新鮮な食材が手に入りにくくなったこと。そして、質素倹約を旨とするピューリタンの影響で「食事を楽しむこと=罪」とされ、味付けが簡素化したことが原因と言われています。現在はロンドンを中心に美食の街へと進化しており、汚名返上に努めています。

 

86. 「過労死」「旨味」はそのまま英語

日本の独自文化を表す言葉は、そのまま英語の辞書に載ることがあります。「Karoshi(過労死)」は、働きすぎて死ぬという概念が欧米にはなかったため、日本語がそのまま採用されました。また「Umami(旨味)」も、甘味・塩味・酸味・苦味に続く「第5の味覚」として日本人が発見したため、世界共通語となっています。言葉は文化の輸出品でもあるのです。

 

87. 「白黒」と「black and white」

言葉の順序にも文化差が出ます。日本語では「白黒つける」と言いますが、英語では「Black and white」と黒を先に言うのが自然です。他にも、日本語の「東西」は英語で「East and West」ですが、「南北」は「North and South」と同じ順序です。こうした語順の違い(Binomials)はリズムや音の響きによって決まることが多く、理屈では説明できない慣習的なものです。

 

88. イグ・ノーベル賞の洒落

「人々を笑わせ、そして考えさせる」研究に贈られる「イグ・ノーベル賞(Ig Nobel Prize)」。この名称は、本家の「Nobel(ノーベル)」に、「Ignoble(不名誉な、恥ずべき)」という単語をかけた高度なダジャレになっています。名前からしてふざけていますが、受賞者の多くは真面目な科学者であり、ユーモアと科学の融合を称える権威あるパロディ賞として定着しています。

 

89. ~sonは「〜の息子」由来

英語圏の名字でよく見る「〜son」は、文字通り「〜の息子」という意味です。昔は名字がなく、「ジョンの息子のジャック」のように呼んでいた名残です。「Johnson(ジョンの息子)」「Wilson(ウィルの息子)」「Anderson(アンドリューの息子)」などが代表例です。北欧由来の命名習慣で、映画『マイティ・ソー』でもソーが「Odinson(オーディンの息子)」と名乗るのがこれにあたります。

 

90. 英語圏の職業由来名字

英語の名字(Surname)には、先祖の職業が由来となっているものが非常に多いです。「Smith(スミス)」は鍛冶屋、「Baker(ベイカー)」はパン屋、「Carpenter(カーペンター)」は大工、「Taylor(テイラー)」は服の仕立て屋、「Fisher(フィッシャー)」は漁師です。自己紹介をするだけで、はるか昔の先祖がどんな仕事をしていたのかが透けて見えるのが面白い点です。

 

91. ラスカルは「悪党」の意味

日本で『あらいぐまラスカル』といえば愛らしいイメージですが、「Rascal」という英単語の本来の意味は「悪党」「ろくでなし」「いたずら小僧」です。農作物を荒らすアライグマの性質を的確に表した名前なのです。英語圏の人に「ラスカルって可愛いよね」と言うと、「えっ、悪党が可愛いの?」と不思議な顔をされるかもしれません。キャラクター名にも文化的なニュアンスが含まれています。

 

92. ジャイアンの口癖はことわざ

『ドラえもん』のジャイアンの名台詞「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物」。実はこれ、イギリスの古いことわざ "What's yours is mine, and what's mine is my own." が元ネタだと言われています。シェークスピアの作品や『ガリバー旅行記』にも似た表現が登場する伝統的な言い回しです。ジャイアンはただの乱暴者ではなく、知らず知らずのうちに英国の古典的フレーズを引用していたのです。

 

93. とび職はSpiderman

高層ビルの建設現場などで、足場を軽快に移動して作業する日本の「とび職」。その身軽さと高所で作業する姿から、英語圏の作業員たちの間では、敬意とユーモアを込めて「Spiderman(スパイダーマン)」と呼ばれることがあります。特定の職業名ではありませんが、日本の職人の技術と度胸が、アメコミヒーローに例えられるほどクールに見えているという証拠です。

 

94. gullibleジョーク

英語圏には定番のいたずらがあります。「Gullible(騙されやすい)という単語は、実は辞書に載っていないんだよ」と友人に言います。友人が「えっ、本当?」と辞書やスマホで調べ始めると、そこには当然Gullibleの意味が載っています。それを見た瞬間に「ほら、Gullible(騙されやすい)だろ?」とからかうのです。辞書を使った知的な(そして少し意地悪な)ジョークです。

 

95. 日清U.F.O.の名称由来

カップ焼きそばの定番「日清焼そばU.F.O.」。円盤型のパッケージから「未確認飛行物体(UFO)」のことだと思っている人が多いですが、実は公式の由来は別にあります。「U=うまい」「F=太い」「O=大きい」の頭文字を取ったものなのです。もちろん、空飛ぶ円盤のイメージも重ねていますが、商品開発のこだわりである「麺の特徴」を名前に込めている事実は意外と知られていません。

 

96. SMAPの名称由来

国民的アイドルグループだった「SMAP」。この名前は「Sports Music Assemble People」(スポーツと音楽を融合する人々)という英語の頭文字から作られました。結成当時、ジャニーズ事務所がスポーツのできるアイドルを目指していたことが背景にあります。ちなみにメンバーの頭文字(S佐藤/中居 M森 A赤坂 P稲垣/草彅...など諸説あり)というのは、後から偶然重なった要素も含むと言われています。

 

97. newsの語源は東西南北ではない

「News(ニュース)」の語源が「North, East, West, South(東西南北)」の頭文字だという話は、まことしやかに語られる有名な俗説です。しかし言語学的には間違いです。正しくは「New(新しい)」という形容詞を複数形にして名詞化したものが由来です。昔は「新しいこと」を意味する言葉として使われ、それが転じて「報道」を指すようになりました。東西南北説は後付けの語呂合わせです。

 

98. Marlboroの名前の真実

タバコの「Marlboro(マールボロ)」の名前の由来について、「Men Always Remember Love...(男はロマンスだけで愛を覚えている)」の頭文字だというロマンチックな都市伝説があります。しかし、これは完全な作り話です。事実はもっと単純で、フィリップモリス社の工場があったロンドンの「Great Marlborough Street」という地名から取られたものです。

 

99. アップルロゴの欠けの理由

Apple社のリンゴのロゴマークがかじられている理由。「Byte(情報の単位)」と「Bite(かじる)」を掛けた洒落だという説が有名ですが、これも後付けです。ロゴをデザインしたロブ・ジャノフ氏によると、単に「丸いリンゴだとサクランボ(チェリー)と見間違えられる可能性があるため、かじった跡を入れることで大きさ(スケール感)を表現した」というのが真相です。

 

100. HALの名称由来の真相

映画『2001年宇宙の旅』に登場するAI「HAL9000」。この名前は、コンピュータ企業の巨人「IBM」のアルファベット(H←I, A←B, L←M)を一つずつ前にずらして作られたという説が有名です。しかし、原作者のアーサー・C・クラークはこれを強く否定しています。正しくは「Heuristic ALgorithmic(発見的アルゴリズム)」というコンピュータ用語の略です。IBM説の方が面白いため、都市伝説として定着してしまいました。

 

まとめ

英語はただの言語ではなく、歴史や文化、人々の考え方が詰まった“生きた知識”です。

ひとつひとつの言葉の裏にある背景を知ることで、英語がもっと身近で面白く感じられるはず。

今回紹介した100の雑学をきっかけに、あなたも英語の世界を少し深く旅してみませんか?

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