お寿司のネタやたこ焼きの具材として、私たちの食卓に欠かせない人気者の「タコ」。ユーモラスな見た目で親しまれていますが、実は海の生き物の中でもトップクラスの知能と摩訶不思議な身体の構造を持っていることをご存知でしょうか。
今回は、タコの驚くべき生態やイカとの意外な違い、思わず誰かに出題したくなるクイズ向きのネタまで、大人はもちろん子どもにも話したくなるタコの面白い雑学・豆知識を30個厳選してご紹介します!
1.心臓が3つもある

人間をはじめとする多くの生き物は心臓が1つだけですが、タコの体の中にはなんと3つもの心臓が存在します。全身に血液を送り出す「メインの心臓」が1つと、左右のエラに血液を送るための「エラ心臓」が2つあり、合計3つの心臓が役割分担をしてポンプのように働いているのです。海中を動き回るタコにとって、効率よく酸素を全身に巡らせるための大切な仕組みになっています。
2.脳みそが9つある

心臓だけでなく、タコは「脳」の数も桁違いに多い生き物です。目と目の間にあるメインの脳に加えて、8本の足の付け根それぞれに独立した小脳のような神経の塊があり、自分の意思で各足が別々に考えて動くことができるようになっています。そのため、敵に襲われて足が切り離されてしまっても、足単体でしばらくの間は生きているかのようにクネクネと動き続けます。
3.血の色は鮮やかな青

人間の血液が赤いのは酸素を運ぶ「ヘモグロビン(鉄分)」が含まれているからですが、タコの血液は透き通った青色をしています。これは鉄分ではなく、銅を含む「ヘモシアニン」という色素タンパク質で酸素を運んでいるためです。銅が酸素と結びつくことで青く発色する仕組みになっており、水温が低く酸素が少ない過酷な深海などでも生き延びられる理由のひとつとされています。
4.実は貝の仲間である

クネクネと柔らかい体を持つタコですが、生物の分類上は魚ではなく「軟体動物」にあたり、アサリやサザエなどの貝類と同じ仲間です。大昔のご先祖様は硬い殻を持っていましたが、海の中で素早く動いて獲物を捕らえるために進化の過程で殻を捨てたといわれています。硬い殻を失った代わりに、岩の隙間に隠れる柔軟性と高い知能を手に入れました。
5.頭に見える部分は胴体

タコのイラストを描くとき、丸く膨らんだ部分に鉢巻きを巻いたり顔を描いたりしますが、あの丸い部分は実は「頭」ではありません。丸い袋状の部分には胃や腸、心臓などの内臓が詰まっており、人間に例えると「お腹(胴体)」にあたる場所なのです。本当の頭は胴体と足の間に位置する目の周辺にあり、私たちが普段見ている姿は「お腹を一番上にして立っている状態」になります。
6.8本の足は実は「腕」

普段何気なく「タコの足は8本」と呼んでいますが、生物学的な専門用語では「足」ではなく「腕」と呼ぶのが正解です。先ほど紹介した通り、目のすぐ下(頭の周り)から直接生えているため、歩行だけでなく獲物を掴んだり道具を扱ったりする「腕」として分類されています。ただし、8本のうち後ろの2本を足のように使って海底を二足歩行することもあります。
7.吸盤で味を感じられる

タコの腕にびっしりと並んでいる吸盤は、ただ物にくっつくためだけの器官ではありません。吸盤の縁には味や匂いを感じ取る化学受容体(センサー)が何万個も集まっており、吸盤で触れただけで「それが食べられる獲物かどうか」を瞬時に味見できるのです。岩場の奥に手を伸ばし、目で見えない場所にあるエサを探すときにこの能力が大活躍します。
8.オスとメスは吸盤で見分ける

スーパーの鮮魚コーナーに並んでいるタコでも、吸盤の並び方を観察すればオスかメスかを簡単に見分けることができます。メスの吸盤は大きさが揃って規則正しく2列に並んでいますが、オスは縄張り争いをするために大小さまざまな吸盤が不揃いに並んでいるのが特徴です。ちなみに、食感はメスのほうが柔らかく、オスのほうが歯ごたえがあって引き締まっています。
9.ストレスで自分の足を食べる

タコは非常に神経質で感受性が豊かな生き物として知られています。狭い水槽に閉じ込められたり環境が急激に悪化したりして強いストレスを感じると、パニックを起こして自分の足を自ら噛みちぎって食べてしまう「自食行動」をとることがあります。ただし、研究によっては単なるストレスだけでなく、ウイルスや細菌による神経感染症が原因であるともいわれています。
10.ちぎれた足は再生する

トカゲの尻尾切りと同じように、タコもウツボなどの天敵に襲われたときは、自分の足を切り離して注意をそらし、その隙に逃げ出すことができます。失った足はそのままではなく、傷口から新しい細胞が作られて数ヶ月ほどで元通りの長さに完全再生するという驚異の回復力を持っています。稀に再生する過程で枝分かれしてしまい、足が9本や10本以上に増えたタコが見つかることもあります。
11.墨はイカよりサラサラ

タコもイカも敵から逃げるために黒い墨を吐きますが、その性質と目的はまったく異なります。イカの墨は粘り気が強く、自分の姿に似た塊を作って敵の目をくらませる「ダミー(分身)」として使われます。一方、タコの墨はサラサラしていて水中にパッと広がり、視界を奪う「煙幕」の役割を果たします。また、タコの墨には敵の嗅覚を麻痺させる成分も含まれています。
12.タコ墨パスタがない理由

イタリア料理などで「イカスミパスタ」は大人気ですが、「タコスミパスタ」はほとんど見かけませんよね。実はタコの墨には、旨味成分であるアミノ酸がイカの墨よりも豊富に含まれていて味は非常に美味しいのです。しかし、タコの墨袋は体の奥深くにあって非常に小さく、1匹からほんの少ししか採取できないため、手間とコストがかかりすぎて料理として流通しないのです。
13.周囲に合わせて変身する

タコは自然界における最強クラスの「忍者」とも呼ばれています。皮膚の表面にある色素胞という細胞を瞬時に拡大・縮小させることで、周囲の岩や海藻とまったく同じ色に体色を変化させることができます。さらに色だけでなく、皮膚の筋肉を隆起させてゴツゴツとした岩やサンゴの凹凸まで完璧に再現することができ、目の前にいても気づかないほど見事に擬態します。
14.色盲なのに色を変えられる

周囲の色に合わせて自由自在に体色を変えるタコですが、実はタコの目には色を識別する細胞が1種類しかなく、世界がモノクロ(白黒)に見えている「色盲」だと考えられています。それなのに周囲と同じ色になれる理由は、皮膚そのものに光を感じ取るセンサーがあり、また目の瞳孔の形で光の波長(ピントのズレ)を計算しているためではないかと最新の研究で推測されています。
15.ビンの蓋を開けられる

無脊椎動物(背骨を持たない生き物)の中で、タコはずば抜けて高い知能を持っています。外から中身が見える透明なガラス瓶の中に好物のエビやカニを入れ、ネジ式の蓋を閉めて水槽に沈めると、吸盤で器用に蓋を回して開け、中の獲物を捕まえて食べることができます。一度やり方を覚えると次からはさらに短い時間で開けられるようになるなど、高い学習能力も備えています。
16.ココナッツを道具に使う

道具を使う生き物といえばチンパンジーやカラスが有名ですが、海にすむメジロダコも道具を使いこなします。海底に落ちている割れたココナッツの殻や大きな二枚貝の殻を見つけると、それを抱えて持ち運び、いざという時には2つの殻を組み合わせて球体にし、その中に隠れて身を守るシェルターとして利用します。将来の危険に備えて道具を持ち歩く、非常に珍しい海洋生物です。
17.目に入る穴なら通り抜ける

タコの体には人間のような硬い骨が一切ありません。体の中で唯一硬いパーツは、口の中にある「カラストンビ」と呼ばれるクチバシ(顎)だけです。そのため、自分のクチバシや目の大きさが通るほどの小さな隙間であれば、どんなに狭い穴でも体を変形させて通り抜けることができます。水族館でも、わずかな排水口の隙間からタコが脱走してしまう事件がたびたび起きています。
18.泳ぐと心臓が止まる

タコは普段、海底を這うようにして歩いていますが、緊急時には漏斗(ろうと)と呼ばれる管から水を勢いよく噴射してジェット推進で泳ぎます。しかし、タコが全力で泳いでいる最中は、全身に血液を送るメインの心臓がピタッと止まってしまうという弱点があります。泳ぎ続けるとすぐに酸欠になって疲れ果ててしまうため、タコはなるべく泳がずに海底を歩いてエネルギーを節約しています。
19.真水に入ると死んでしまう

海の生き物であるタコにとって、川の水や雨水などの「真水」は大敵です。タコには体内の塩分濃度を調整する機能がほとんど備わっていないため、真水に触れると浸透圧の働きで体の中にどんどん水が入ってきてしまいます。そのため、大雨の後に海の塩分濃度が急激に下がると、タコは生きていけず大量死したり深場へ逃げたりするため、雨が多い年はタコが不漁になるといわれています。
20.寿命はわずか1〜2年

高い知能を持ち、複雑な行動をとるタコですが、その一生は驚くほど短いものです。日本近海でよく見られるマダコの寿命はわずか1年〜1年半ほどしかなく、世界最大のミズダコでも3〜5年程度で寿命を迎えます。特にメスは、一生に一度だけ産卵を行うと、飲まず食わずで卵に新鮮な水を吹きかけ続けて守り抜き、孵化する頃に力尽きて一生を終えるという健気な母性を持っています。
21.オスの腕の1本は生殖器

オスのタコが持つ8本の腕のうち、右側から数えて3番目の腕(右第3腕)は、他の腕とは違う特別な役割を持っています。「交接腕(こうせつわん)」と呼ばれ、先端がスプーンのような形をしており、ここからメスへ精子の入ったカプセルを受け渡す生殖器の役割を果たします。種類によっては、この腕ごと切り離してメスの体内に残していくという驚きの繁殖方法をとるタコもいます。
22.猛毒を持つヒョウモンダコ

ほとんどのタコは噛まれると少し傷む程度の弱い毒しか持っていませんが、温暖な海にすむ小型の「ヒョウモンダコ」には絶対に触ってはいけません。興奮すると青い輪っかの模様が浮かび上がる美しいタコですが、唾液の中にフグと同じ猛毒「テトロドトキシン」を持っており、噛まれると呼吸困難で死に至る危険があります。近年は日本本土の浅瀬でも目撃されているため注意が必要です。
23.世界一大きいタコはミズダコ

世界中に約300種類ほどいるタコの中で、最も大きく成長するのが北太平洋の冷たい海に生息する「ミズダコ」です。日本の北海道や東北地方でも水揚げされるお馴染みのタコですが、通常の個体でも全長3メートル・重さ15〜20キロに達し、過去には全長9メートル・重さ272キロという巨大記録も残されています。水分が多くて身が柔らかいため、お刺身やしゃぶしゃぶにすると絶品です。
24.半夏生にタコを食べる理由

夏至から数えて11日目にあたる「半夏生(はんげしょう/7月2日頃)」の日に、関西地方を中心にタコを食べる風習があります。この時期はちょうど田植えが終わる大切な節目であり、「植えた稲の根が、タコの8本の足のように四方八方へしっかりと大地に張り巡らされますように」という豊作への願いが込められています。また、夏バテ防止の栄養補給としても理にかなった伝統行事です。
25.おせちのタコは「多幸」

お正月のおせち料理や、お食い初めなどの祝い膳にも酢だこや煮だこがよく登場します。これは「タコ」という響きに「多幸(たくさんの幸せが訪れる)」という縁起の良い漢字を当てた語呂合わせが由来です。さらに、茹でると鮮やかな紅白の色合いになることや、墨を吐いて敵から逃げる姿から「苦難を煙に巻いて乗り切る」という意味も込められた、お祝い事にぴったりの食材なのです。
26.タウリンで疲労回復できる

栄養ドリンクの主成分としてお馴染みの「タウリン」ですが、実はタコの身にはこのタウリンがたっぷりと含まれています。タウリンには血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、肝臓の働きを助けて全身の疲労を回復させる素晴らしい健康効果があります。しかも高タンパク・低カロリーで脂質も非常に少ないため、ダイエット中のおつまみや筋トレ後の食事としても優秀です。
27.世界のタコの多くを日本が消費

日本ではお寿司やたこ焼き、酢の物などタコ料理が大人気ですが、世界的に見るとタコを食べる国は意外と限られています。日本や地中海沿岸(スペイン・イタリア・ギリシャ)、韓国などでは好んで食べられますが、英語圏や北欧などでは不気味な見た目から「デビルフィッシュ(悪魔の魚)」と呼ばれて敬遠されてきた歴史があります。そのため、世界で漁獲されるタコの多くが日本へと輸出されています。
28.大根で叩くと柔らかくなる

料理番組や時代劇などで、生のタコを大根でトントンと叩いて下ごしらえをする場面を見たことがありませんか?これは単なる迷信ではなく、しっかりとした科学的な根拠があります。物理的に叩くことでタコの硬い筋肉の繊維がほぐれると同時に、大根に含まれる消化酵素「ジアスターゼ」や「プロテアーゼ」がタンパク質を分解して身を柔らかくしてくれるのです。
29.たこ焼きの元祖はコンニャク

大阪名物の「たこ焼き」といえば中にプリプリのタコが入っているのが当たり前ですが、誕生したばかりの頃は中身がタコではありませんでした。昭和初期、たこ焼きの創始者である遠藤留吉さんが最初に売り出したのは、醤油味で煮込んだ牛肉とコンニャクを入れた「ラジオ焼き」という食べ物でした。その後、明石焼き(玉子焼き)をヒントにして牛肉の代わりにタコを入れたことで、現在のたこ焼きが誕生しました。
30.英語の複数形は3種類ある

タコは英語で「Octopus(オクトパス)」と言いますが、2匹以上の「複数形」を表す英単語はなんと3種類も存在します。最も一般的なのは後ろに「es」をつける「Octopuses」ですが、語源であるラテン語風の「Octopi(オクトパイ)」や、ギリシャ語に由来する「Octopodes(オクトポディーズ)」という表現も辞書に載っています。語源の歴史が複雑なために生まれた、英語の面白い雑学です。
まとめ
タコの雑学30選、いかがでしたでしょうか。心臓が3つ・脳が9つあるというまるで宇宙人のような身体の仕組みから、ビンの蓋を開けたり道具を使ったりする高い知能まで、私たちが普段美味しく食べているタコには驚くべき能力と秘密がたくさん隠されていることがお分かりいただけたかと思います。
スーパーの鮮魚コーナーで吸盤の並び方を見比べてみたり、たこ焼きやお寿司を食べる時に「タコの丸い部分はお腹なんだよ」と話題に出したりすれば、家族や友人との会話がいつも以上に盛り上がること間違いなしです。ぜひ気になった豆知識をクイズにして、周りの人に披露してみてくださいね!
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