街を歩けば毎日のように見かけるカラスですが、実は私たちが想像している以上に驚くべき知能やユニークな生態を持った生き物だということをご存知でしょうか。「ゴミを荒らすちょっと怖い鳥」というイメージを持たれがちですが、その素顔を知ると見方がガラリと変わりますよ。
今回は、カラスの賢すぎる行動や体の秘密、さらに歴史や文化にまつわる裏話まで、誰かに話したくなる面白い豆知識やクイズネタを30個厳選してご紹介します。明日からの街歩きがちょっと楽しくなる雑学ばかりですので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
1.知能は人間の7歳児並み

カラスは鳥類の中でもトップクラスの頭脳を持っており、その知能レベルはなんと人間の小学校低学年(7歳児前後)に匹敵すると言われています。脳全体の重さに対する大脳の割合が非常に大きく、霊長類にも引けを取らない高度な思考力を持っているのです。単なる本能だけでなく、周囲の状況を観察して論理的に問題を解決する力があるため、人間が仕掛けた対策を次々と見破ってしまうのも納得ですね。
2.街のカラスは主に2種類

私たちが普段見かける黒いカラスは、すべて同じ種類に見えますが、実は「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種類に分かれています。見分け方のポイントは、くちばしの太さとおでこの出っ張り具合です。くちばしが太くておでこがポッコリと出ているのがハシブトガラス、くちばしが細めで頭がスッキリと平らなのがハシボソガラスです。今度街で見かけたら、ぜひ顔つきに注目してみてくださいね。
3.鳴き声の濁りで見分ける

先ほど紹介した2種類のカラスは、見た目だけでなく鳴き声でも簡単に聞き分けることができます。ハシブトガラスは「カァー、カァー」と澄んだ明るい声で鳴くのに対し、ハシボソガラスは「ガァー、ガァー」と少し濁った低い声で鳴くのが特徴です。ハシボソガラスはお辞儀をするように頭を下げながら鳴く習性もあるので、声と動きをセットで観察すると、どちらのカラスかすぐに見分けられるようになりますよ。
4.車にクルミを割らせる

カラスの賢さを象徴する有名な行動が、硬いクルミの殻を自動車に踏ませて割るというテクニックです。自分のくちばしでは割れないと分かると、わざわざ道路のタイヤが通る位置にクルミを置いて待機するのです。さらに驚くべきことに、安全に中身を回収するために横断歩道の近くに置き、信号が赤になって車が止まったタイミングを見計らって食べに行く個体まで確認されています。
5.道具を自作して餌を獲る

南太平洋のニューカレドニアに生息する「カレドニアガラス」は、木の枝や葉っぱを加工して道具を作ることで知られています。木の穴の奥にいる虫を捕まえる際、小枝の先をフック状に曲げたり、葉を階段状に切り取ったりして使いやすい釣り針を自作するのです。野生動物が自然物をただ使うだけでなく、目的に合わせて形を加工して道具を作るというのは、動物界でも極めて珍しい高度な能力です。
6.人間の顔を数年間覚える

カラスには絶対に意地悪をしてはいけません。なぜなら、カラスは優れた視覚と記憶力を持っており、自分に危害を加えた人間の顔を数年間も正確に記憶し続けることができるからです。アメリカの研究チームがお面をかぶってカラスを捕獲する実験を行ったところ、数年経ってもそのお面をかぶった人間にだけ激しく威嚇を続けたそうです。服装を変えても顔立ちで判別してくるため、敵に回すと非常に厄介な相手になります。
7.危険人物の情報を共有

カラスの記憶力でさらに恐ろしいのが、嫌な人間の情報を仲間同士で共有するという点です。自分が直接いじめられたわけではなくても、親や仲間が特定の人間に向かって警戒の鳴き声をあげるのを見て、「あの人は危険だ」と学習することが分かっています。そのため、たった1羽のカラスに意地悪をしただけでも、いつの間にかその地域一帯のカラス全員からブラックリストに入れられてしまうことがあるのです。
8.実は真っ黒ではない

カラスといえば「カラスの濡れ羽色」という言葉があるほど真っ黒なイメージがありますが、実は純粋な黒色ではありません。太陽の光を浴びたカラスをよく観察してみると、羽毛の表面が紫や緑、青色のような美しいメタリックカラーに輝いているのが分かります。これは「構造色」と呼ばれる仕組みで、羽の微細な構造によって光が反射・干渉することで、角度によって虹色のような光沢が生まれているのです。
9.紫外線まで見えている

人間は「赤・緑・青」の3原色で色を認識していますが、カラスの目にはさらに人間には見えない「紫外線」を感知する4つ目のセンサーが備わっています。そのため、人間にはただの黒い塊に見えるカラス同士でも、紫外線の反射具合によって相手の性別や健康状態、さらには食べ物の熟し具合まで鮮やかに見分けているのです。ゴミ袋の中の生ゴミを正確に狙い撃ちできるのも、この驚異的な視覚のおかげです。
10.黄色いゴミ袋の秘密

都会でよく見かける半透明の黄色いカラス対策用ゴミ袋ですが、実は「カラスが黄色を嫌っているから」ではありません。あの袋はカラスの目に必要な「紫外線」をカットする特殊な素材で作られているため、カラスから見ると袋の中身が真っ暗で見えなくなるのです。カラスは視覚に頼って餌を探すため、中に食べ物が入っているかどうかが判別できなくなると、ゴミ袋を荒らすのを諦めてしまいます。
11.実は愛妻家で一夫一婦制

少し怖いイメージのあるカラスですが、家族愛はとても深く、基本的には一度結ばれたパートナーと一生を添い遂げる「一夫一婦制」をとっています。夫婦の絆は非常に強く、餌を分け合ったり、お互いの羽を優しく毛づくろいし合ったりする仲睦まじい姿がよく見られます。春から初夏にかけての繁殖期にカラスが人間を威嚇することがあるのも、大切なヒナやパートナーを必死に守ろうとする親心からくる行動なのです。
12.滑り台でソリ遊びをする

知能が高い動物ほど「生きるために直接関係のない遊び」をすると言われていますが、カラスも例外ではありません。公園の滑り台を何度も滑ったり、雪が積もった屋根の上でプラスチックのフタをソリ代わりにして滑り降りたりする姿が世界中で目撃されています。また、電線に逆さまにぶら下がってブランコのように揺れて遊ぶこともあり、ただ純粋にスリルや楽しさを味わうお茶目な一面を持っています。
13.お風呂大好きなきれい好き

ゴミ置き場を漁る姿から不潔なイメージを持たれがちですが、実際のカラスは驚くほどきれい好きです。晴れた日には水たまりや浅い川に入り、全身にバシャバシャと水を浴びて羽毛の汚れや寄生虫を丁寧に洗い落とす「水浴び」を頻繁に行います。水浴びが終わると、安全な木の上や電線に止まって時間をかけて羽を整え、常に美しい状態を保っています。羽毛の手入れは空を飛ぶ鳥にとって命に関わる大切な習慣なのです。
14.アリを体に擦りつける

カラスには、水浴び以外にも「蟻浴(ぎよく)」と呼ばれる一風変わった入浴方法があります。なんと、アリの巣の上にわざわざ座り込み、怒ったアリが出す「蟻酸(ぎさん)」という液体を自分の羽毛に浴びせるのです。さらにはくちばしでアリをつまんで、直接羽に擦りつけることもあります。これはアリの酸が持つ殺菌・防虫効果を利用して、羽毛についたダニなどの害虫を退治する天然のエステのような行動です。
15.マヨネーズが大好物

雑食性のカラスは何でも食べますが、中でも目がないほど大好きなのが「油分(脂質)」です。自然界では高カロリーな脂質を手に入れるのが難しいため、油分と栄養がたっぷり詰まったマヨネーズや揚げ物を見つけると目の色を変えて飛びつく習性があります。バーベキュー場やゴミ捨て場でマヨネーズの容器を器用につついて中身を舐めとる姿もよく見られ、実はかなりの「マヨラー」なのです。
16.食べ物を隠して貯蔵する

カラスはお腹がいっぱいの時にごちそうを見つけると、後で食べるために地面の土や落ち葉の下、建物の隙間などに隠す「貯食(ちょしょく)」という習性を持っています。驚くべきことに、隠した場所だけでなく「どの食べ物がどれくらいで腐るか」まで把握して回収に行くと言われています。さらに、隠す瞬間を他のカラスに見られたと気づくと、仲間が去った後にこっそり別の場所へ隠し直すという駆け引きまで行います。
17.歩行とジャンプの使い分け

地面にいるカラスを観察していると、人間のように左右の足を交互に出して歩く時と、両足を揃えてピョンピョンと跳ねる(ホッピング)時があることに気づきます。実はこれ、種類によって得意な移動方法が違うのです。地上を歩き回って餌を探すハシボソガラスは「交互歩行」が多く、木の上で暮らすことが多いハシブトガラスは「両足ジャンプ」が多いという傾向があります。急いでいる時はどちらもジャンプで移動します。
18.白いカラスが存在する

古来より「絶対にあり得ないこと」の例えとして使われてきた白いカラスですが、実は自然界に実在します。これは遺伝子の突然変異によって生まれつき体内のメラニン色素が作られない「アルビノ」や「白変種」と呼ばれる非常に珍しい個体です。全身が真っ白で神秘的な美しさを持っていますが、自然界では外敵から目立ちやすく、仲間からも警戒されてしまうため、野生で生き延びるのは大変難しいと言われています。
19.日本サッカー協会の象徴

サッカー日本代表のユニフォームの胸元を見ると、黄色い背景に黒い鳥が描かれたエンブレムがついていますよね。あの鳥はただのカラスではなく、日本神話に登場する「八咫烏(やたがらす)」という3本足の伝説のカラスです。神武天皇が道に迷った際に導いたとされる神の使いであり、「ボールをゴールへ導く勝利の神様」として1931年から日本サッカー協会のシンボルマークに採用され続けています。
20.古代では太陽のシンボル

現代では少し不吉なイメージを持たれることもあるカラスですが、古代の中国や日本においては太陽の中に住む神聖な鳥「金烏(きんう・太陽の化身)」として篤く信仰されていた歴史があります。黒いカラスがなぜ太陽なのか不思議に思えますが、古代の人々は太陽の表面にある「黒点」を肉眼で観察し、そこに黒いカラスが住んでいると考えたそうです。月を表すウサギと対になり、太陽の象徴として尊ばれていました。
21.ことわざ「烏の行水」の嘘

お風呂に入る時間がとても短いことを「烏(からす)の行水」と言いますよね。しかし、先ほどもご紹介した通り、実際のカラスは水浴びが大好きで、1回の水浴びに何分もかけて何度も繰り返し水に入るため、決して入浴時間は短くないのです。ではなぜこんな言葉が生まれたのかというと、昔の人が「カラスがあんなに真っ黒なのは、ろくに体も洗わずにすぐお風呂から上がってしまうからに違いない」と勘違いしたのが由来とされています。
22.英語では種類で名前が違う

日本語では大きなくくりで「カラス」と呼びますが、英語圏では大きさや種類によって明確に呼び方が分けられています。私たちがよく見る一般的なカラスは「Crow(クロウ)」と呼ばれますが、ひと回り大きく重厚な「ワタリガラス」は「Raven(レイヴン)」と呼ばれ、別の鳥として区別されているのです。ハリー・ポッターの寮の名前(レイブンクロー)などに使われているのも、この賢く神秘的なワタリガラスの方です。
23.9月6日は「カラスの日」

カレンダーにはいろいろな記念日がありますが、9月6日は「カラスの日」に制定されています。これは英語でカラスを意味する「クロー(Crow)」から、「9(ク)6(ロー)」という語呂合わせで名付けられたものです。カラスの研究や情報発信を行う団体などによって提唱されており、嫌われがちなカラスの正しい生態を知り、人間とカラスが上手に共生していく方法を考えるきっかけの日とされています。
24.実はスズメの仲間

カラスは体が大きく猛禽類のような迫力があるため、ワシやタカの親戚だと思われがちですが、生物学的な分類ではまったく異なります。実はカラスは「スズメ目カラス科」に属しており、小さくて可愛らしいスズメやツバメと同じグループなのです。喉の奥にある「鳴管(めいかん)」という発声器官が発達しているのがスズメ目の特徴で、カラスが多彩な鳴き声を出せるのもこのグループならではの能力です。
25.人の言葉を喋れる

言葉を真似する鳥といえばインコや九官鳥が有名ですが、実はカラスも訓練次第で人間の言葉を流暢に喋ることができます。かつて保護されて人間に育てられたカラスが、「カァー」という鳴き声ではなく「おはよう」「バカヤロウ」などとハッキリ発音した記録がいくつも残っています。声帯の構造が似ているわけではありませんが、並外れた聴覚と知能を使って鳴管を器用に操り、人間の声色をそっくりそのまま再現できるのです。
26.針金ハンガーで巣を作る

都会に暮らすカラスは、木の枝が少ないビル街ならではの材料を使って巣作りをします。その代表格が、ベランダから失敬してきた「針金ハンガー」です。針金ハンガーは丈夫で風雨に強く、さらに曲げることで複雑に絡み合って崩れにくい最高の建築資材になるため、都会のカラスたちに大変重宝されています。ただし、電柱の上に針金で巣を作られると停電の原因になるため、電力会社にとっては悩みの種になっています。
27.カラスの肉を食べる文化

「カラスなんて食べられるの?」と驚くかもしれませんが、日本の一部の地域や海外では古くからカラスを食用にする文化が存在します。長野県の上田地方にはカラスの肉を使った伝統的な郷土料理があり、フランス料理でもジビエ(野生鳥獣肉)として高級食材扱いされることがあるのです。ただし、街中のゴミを食べているカラスではなく、山間部で木の実などを食べている野生のカラスが対象で、味は赤身肉に近く濃厚だそうです。
28.野生の寿命は10年〜20年

小鳥の寿命は数年程度と短いことが多いですが、体が大きく知能の高いカラスは非常に長生きです。野生の環境下であっても平均して10年〜15年ほど生き、天敵の少ない安全な環境や飼育下では20年以上生きた記録もあります。これだけ長く生きるからこそ、街の環境の変化や人間の行動パターンをじっくりと学習し、世代を超えて生き抜くための知恵を蓄えることができるのですね。
29.「カラス」の語源は鳴き声

私たちが何気なく使っている「カラス」という名前の由来には諸説ありますが、最も有力なのは鳴き声から生まれたという説です。昔の日本では「カーカー」と鳴く声に、鳥を表す接尾語の「ス(ウグイスやホトトギスのスと同じ)」が結びついて「カラス」になったと言われています。また、体が真っ黒であることから、古語で黒を意味する「くろし」が転じてカラスになったという説もあり、昔から身近な存在だったことがうかがえます。
30.漢字の「烏」と「鳥」の違い

カラスを表す漢字「烏」は、とりへんに使われる「鳥」という漢字から横棒が1本だけ抜けた形をしていますよね。なぜ1本足りないのかというと、漢字が成り立った古代中国において「カラスは全身が真っ黒なため、どこに目があるのか外から見分けがつかない」と考えられたからです。「鳥」という漢字の真ん中にある1本線は「目」を表しているため、目が見えないカラスは線を1本減らして「烏」と書くようになったという、なんともユニークな由来があります。
まとめ
カラスの雑学30選、いかがでしたでしょうか。普段はゴミ置き場を荒らしたり大きな声で鳴いたりと、少し厄介者扱いされがちなカラスですが、7歳児並みの知能や深い家族愛、さらにはきれい好きな一面など、知れば知るほど魅力的な生態がたくさん隠されていましたね。
次に街でカラスを見かけたときは、「くちばしが太いからハシブトガラスかな?」「今、紫外線の目で何を見ているんだろう?」と観察してみると、いつもの風景がちょっと違って見えるはずです。ぜひ今回の面白い豆知識や漢字の由来をクイズにして、家族や友人との会話のネタに役立ててみてくださいね!
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