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文学の雑学30選~読書がもっと好きになる裏話~

文学雑学

「文学」と聞くと、少し堅苦しいイメージを持っていませんか?実は名作の裏側には、作家たちの人間味あふれるエピソードや、思わず誰かに教えたくなる意外な事実がたくさん隠されているんです。今回は、日本の文豪から世界の名作まで、読書がもっと楽しくなる雑学を30個厳選しました。知れば知るほど、本の世界が身近に感じられるはずですよ。

 

1.月が綺麗ですね

夏目漱石が英語教師をしていた際、「I love you」を「我君を愛す」と訳した生徒に対し、「日本人はそんなことは言わない。月が綺麗ですねとでも訳しておけ」と言ったという逸話はあまりに有名です。しかし、実はこれ、確実な出典が見つかっていない伝説的なエピソードだという説も濃厚なんです。それでも、日本人の奥ゆかしさを表す素敵な言葉として定着していますよね。

 

2.太宰治の意外な身長

『人間失格』などで知られる太宰治。繊細で病弱なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は当時の男性としてはかなり大柄でした。その身長は約175センチもあったと言われています。当時の平均身長が160センチ程度だったことを考えると、現代なら185センチ級の長身です。文壇の集まりでも、ひときわ目立つモデル体型だったのかもしれませんね。

 

3.ホームズの帽子

名探偵シャーロック・ホームズといえば、鹿撃ち帽(ディアストーカー)にパイプという姿を思い浮かべますよね。しかし、原作の小説の中では、彼がこの帽子を被っているという明確な記述はないのです。実はこれ、挿絵画家が「田舎へ捜査に行くならこの帽子だろう」と描いたのが始まり。そのイメージがあまりに強烈で、今や探偵のシンボルとして定着してしまったのです。

 

4.芥川賞と直木賞

日本で最も有名な文学賞である芥川賞と直木賞。この二つの違い、ご存知ですか?簡単に言うと、芥川賞は「純文学」の新人作家に贈られ、直木賞は「大衆小説」の中堅・ベテラン作家に贈られるものです。ちなみに、賞品として有名な「懐中時計」ですが、正賞(賞状など)こそが名誉であり、時計や賞金はあくまで副賞という位置づけなんですよ。

 

5.森鴎外の潔癖症

軍医でもあった森鴎外は、極度の潔癖症として知られています。細菌を恐れるあまり、果物でさえも煮てから食べていたそうです。また、和菓子として有名な「饅頭」を食べる際も、中身のあんこだけを取り出し、それをお茶漬けにして食べたという衝撃的なエピソードも。文豪たちの食へのこだわりは、時に私たちの想像を遥かに超えてきます。

 

6.『走れメロス』の裏話

友情と信頼を描いた名作『走れメロス』。実はこの作品、太宰治自身が借金を抱え、友人を人質に残してお金を借りに走り回った実体験が元になっていると言われています。しかし、現実の太宰はメロスのようにすぐには戻らず、なんと友人を待たせたまま将棋を指していたという説も。小説のような美しい結末にならなかったのが、なんとも太宰らしいですね。

 

7.ヘミングウェイと猫

『老人と海』で知られるヘミングウェイは、大の猫好きでした。彼が愛したのは、遺伝的な変異で足の指が6本ある多指症の猫。「幸運を呼ぶ猫」として大切にし、自分の飼い猫たちに有名人の名前をつけて可愛がっていました。現在でも、彼が暮らしたキーウェストの家にはその子孫たちが暮らしており、6本指の猫たちが観光客を出迎えてくれます。

 

8.カフカの遺言

『変身』などの不条理な作品で知られるフランツ・カフカ。彼は生前、親友のマックス・ブロートに対し、「死後、私の原稿はすべて読まずに焼却してくれ」と遺言を残していました。しかし、ブロートはその約束を破り、作品を出版。そのおかげで、私たちはカフカの傑作を読むことができるのです。親友のある意味での裏切りが、世界文学の宝を守ったのですね。

 

9.江戸川乱歩のペンネーム

日本の推理小説の父、江戸川乱歩。この独特なペンネームは、彼が敬愛していたアメリカの小説家、エドガー・アラン・ポーをもじって付けられたものです。「エドガー・アラン・ポー」と早口で言ってみると、「エドガワランポ」に聞こえてきませんか?海外ミステリーへの強い憧れと敬意が、この名前に込められているのです。

 

10.世界一短い手紙

『レ・ミゼラブル』の著者ヴィクトル・ユゴーは、本の売れ行きが気になり、出版社へ手紙を送りました。その内容はなんと「」の一文字だけ。対する出版社からの返事も「」の一文字。これは「売れ行きはどう?」「大好評です!」という意味だったと言われています。文豪ならではの、究極にシンプルで粋なやり取りですね。

 

11.積ん読は国際語?

本を買ったものの、読まずに積んでおくことを日本語で「積ん読(つんどく)」と言いますよね。実はこの言葉、本好きの心理を的確に表す単語として海外でも注目され、「Tsundoku」としてそのまま通じることがあるんです。「積んでおく」と「読書」をかけた明治時代のダジャレが、まさか世界共通語になりつつあるとは驚きです。

 

12.文庫本のサイズ

私たちが普段手にする文庫本。このサイズは「A6判」という規格です。実はこれ、岩波文庫が創刊される際、ドイツのレクラム文庫を参考にしつつ、和紙の規格に合わせて決めたサイズだと言われています。日本人の手に馴染みやすく、着物の懐やポケットにもすっぽり収まる大きさ。持ち運びやすさを追求した結果、このサイズが定着したのです。

 

13.吾輩は猫であるの名前

夏目漱石のデビュー作『吾輩は猫である』。主人公である猫の一人称語りが面白い作品ですが、最後まで読むとあることに気づきます。それは、この猫には最後まで名前がないということ。有名な書き出し「名前はまだ無い」の通り、物語が終わるその時まで、彼はただの「猫」として生き、人間社会を観察し続けた名無しの哲学者だったのです。

 

14.ハリー・ポッターの拒絶

今や世界中で愛されている『ハリー・ポッター』シリーズ。しかし、著者のJ.K.ローリングが第1作目の原稿を持ち込んだ際、なんと12社もの出版社から断られているのです。「児童書にしては長すぎる」などの理由だったそうですが、もし13社目のブルームズベリー社が出版を決めていなければ、魔法の世界は世に出ないままだったかもしれません。

 

15.チャーチルのノーベル賞

イギリスの元首相ウィンストン・チャーチル。彼は第二次世界大戦を勝利に導いた政治家として有名ですが、実はノーベル平和賞ではなく、ノーベル文学賞を受賞していることをご存知でしょうか?彼の書いた回顧録や演説の巧みさが、「歴史的かつ伝記的な記述」として高く評価されたのです。言葉の力で国を動かした、まさに文武両道の指導者でした。

 

16.宮沢賢治の生前

『銀河鉄道の夜』や『注文の多い料理店』など、数々の名作を残した宮沢賢治。しかし、彼が生前に受け取った原稿料は、童話『雪渡り』のわずか5円(現在の数千円〜1万円程度)だけだったと言われています。多くの作品は彼の死後に評価され、国民的作家となりました。無名時代もひたむきに物語を書き続けた彼の情熱に、胸が熱くなります。

 

17.アガサの失踪事件

ミステリーの女王アガサ・クリスティは、一度だけ本当に行方不明になったことがあります。1926年、彼女は車を乗り捨てて忽然と姿を消し、国中が大騒ぎになりました。11日後にホテルで発見されましたが、その間の記憶がないと主張し、真相は謎のまま。まるで自作の小説のようなミステリーを、実生活でも演じてしまったのかもしれません。

 

18.本の虫の正体

読書好きの人を「本の虫」と呼びますが、実際に本を食べる虫も存在します。それは「紙魚(シミ)」という昆虫。彼らは紙や糊に含まれるデンプンが大好物で、大切な蔵書をボロボロにしてしまいます。この虫が紙を食べる姿から、熱心に本を読む人を比喩する言葉が生まれました。本好きとしては、リアルな虫のほうには絶対に出会いたくないですね。

 

19.不思議の国のアリス

『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルは、本職が数学者でした。そのため、物語の中には論理的な言葉遊びや、数学的なパズルが多数隠されています。めちゃくちゃに見える世界観も、実は高度な論理に基づいているのです。当時のヴィクトリア女王が作品を気に入り「他の本も読みたい」と頼んだところ、難解な数学の専門書が届いたという逸話もあります。

 

20.世界最古の長編小説

世界最古の長編小説は何かご存知ですか?それは、紫式部によって書かれた日本の『源氏物語』だと言われています。1000年以上も前に、これほど複雑な人間関係や心理描写を含んだ大長編が書かれていたことは、世界的にも驚異的なこと。日本の文学は、平安時代からすでに世界トップレベルの完成度を誇っていたのです。

 

21.村上春樹とランニング

世界的な人気作家、村上春樹。彼は専業作家になって以来、毎日欠かさず10キロのランニング(または水泳)を日課にしています。小説を書くことは肉体労働であり、強靭な足腰がないと長い物語は書き続けられないという考えからです。「健全な魂は健全な肉体に宿る」を地で行く、アスリートのようなストイックさが名作を生んでいるのですね。

 

22.シャーロックの兄

シャーロック・ホームズには、マイクロフトという7歳年上の兄がいます。驚くべきことに、ホームズ自身が「能力は兄の方が上だ」と認めるほどの天才。しかし、マイクロフトには致命的な欠点がありました。それは極度の出不精であること。推理力はあっても、現場に行って検証するのが面倒くさいという性格のため、彼は探偵にはならず政府の官僚として働いています。

 

23.星の王子さまのバラ

サン=テグジュペリの『星の王子さま』に登場する、わがままで美しいバラ。このバラのモデルは、作者の妻であるコンスエロだと言われています。彼女は気性が激しく、二人の関係は波乱万丈でした。しかし、物語の中で王子さまがバラへの愛に気づくように、作者にとっても彼女は、手がかかるけれどかけがえのない存在だったことが伝わってきます。

 

24.シェイクスピアの造語

「swagger(威張って歩く)」や「addiction(中毒)」など、現在英語で使われている多くの単語は、実はウィリアム・シェイクスピアが作品の中で作った造語です。彼は既存の言葉だけでは表現しきれない感情や状況を表すために、次々と新しい言葉を生み出しました。その数はなんと1700語以上。彼は物語だけでなく、言語そのものも創造していたのです。

 

25.古本の匂いの正体

古書店に入ると感じる、あの独特の良い匂い。あれには科学的な理由があります。紙に含まれるリグニンという成分が経年劣化で分解されると、バニラに含まれる香り成分「バニリン」に似た物質が発生するのです。つまり、古い本が甘く懐かしい香りがするのは、ある種のアロマテラピー効果に近いもの。本好きが古本屋で落ち着くのには理由があったんですね。

 

26.夏目漱石の脳

再び夏目漱石の登場ですが、彼の脳みそが現在も保管されていることをご存知ですか?東京大学医学部に、エタノール漬けにされた漱石の脳が実在します。重さは約1425グラムと、当時の日本人平均よりも重かったそうです。日本の近代文学を切り拓いた天才の脳は、死後100年以上経った今も、医学の標本として静かに眠っているのです。

 

27.芥川龍之介の河童

『羅生門』などで知られる芥川龍之介は、晩年に河童の絵を好んで描いていました。彼の描く河童はどこかユーモラスでありながら、鋭い社会風刺を含んだ小説『河童』にも登場します。精神を病んでいた時期、彼は幻覚の中で河童と会話していたとも言われています。彼にとって河童は、息苦しい人間社会から逃れるための分身だったのかもしれません。

 

28.恐怖のグリム童話

『シンデレラ』や『白雪姫』などが収められているグリム童話。私たちが知っているのは子供向けに書き直されたもので、初版はかなり残酷で怖い内容でした。例えばシンデレラの姉たちが靴に足を合わせるために指を切り落としたり、白雪姫の王子が死体愛好家だったりと、かなりショッキング。本来は子供への教訓ではなく、大人のための民話集だったのです。

 

29.本のページ数の秘密

本を出版する際、ページ数は基本的に16の倍数になるように作られています。これは、大きな1枚の紙に16ページ分(表裏で32ページ分など)を印刷し、それを折りたたんで裁断して本を作るためです。本の最後の方に白紙のページや広告ページがあることがありますが、あれは16の倍数に合わせるための数合わせであることが多いんですよ。

 

30.ドラキュラのモデル

吸血鬼ドラキュラのモデルと言われるヴラド3世(串刺し公)。彼は現在のルーマニアにあるトランシルヴァニア地方の領主として有名ですが、著者のブラム・ストーカー自身は、なんと一度も現地に行ったことがありませんでした。彼は大英博物館にある資料や旅行記だけを頼りに、あの不気味で魅力的な舞台設定を作り上げたのです。作家の想像力の凄まじさを感じますね。

 

まとめ

いかがでしたか?気難しい顔をした文豪たちの意外な一面や、名作に隠された驚きの事実を知ると、本棚に並んでいる本が少し違って見えてきませんか。文学はただの文字の羅列ではなく、生きた人間が情熱を込めて作り出したドラマの結晶です。今回ご紹介した雑学をきっかけに、ぜひ気になった作品を手に取ってみてくださいね。きっと新しい発見があなたを待っていますよ。

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