オリンピックでの熱戦や、温泉旅館での娯楽として親しまれている卓球。小さな台の上で繰り広げられる高速ラリーには、知られざる歴史や驚きのルールがたくさん隠されています。
今回は、明日誰かに話したくなる卓球の面白い雑学や豆知識を30個厳選してご紹介します。これを読めば、次の試合観戦やプレーがもっと楽しくなること間違いなしですよ。
1.発祥は英国の貴族遊び
卓球の起源は19世紀のイギリスにさかのぼります。当時、テニスを楽しんでいた貴族たちが、雨の日に室内で遊べるように工夫したのが始まりだと言われています。当時は「ゴシマ」や「ウィフ・ワフ」などと呼ばれており、食後のテーブルを使って優雅に楽しまれていました。今の激しいスポーツのイメージとは異なり、ワインを嗜んだ後の優雅な遊びだったなんて驚きですね。
2.昔の球はコルクだった
現在のプラスチック製ボールになる前、初期の卓球では様々なものがボールとして代用されていました。なんと、シャンパンのコルクを丸く削ったものや、ゴム製のボール、糸を巻いた玉などが使われていたそうです。これらは弾み方が不規則で、今の卓球とは全く違うスポーツだったことでしょう。当時の人々が「なんとかして室内でテニスをしたい」と試行錯誤していた情熱が伝わってきます。
3.ラケットは葉巻の箱蓋
ボールと同様に、ラケットも身近なものが使われていました。貴族たちは、葉巻が入っていた木箱の蓋や、分厚い本などをラケット代わりにしていたと言われています。そこから徐々に、羊の皮を張ったものや、サンドペーパーを貼ったラケットへと進化していきました。もし今、プロ選手が本の表紙で試合をしたらどんなスーパープレーが生まれるのか、ちょっと見てみたい気もします。
4.ピンポンの由来は擬音
「ピンポン」という言葉は、実は商標名でした。かつてセルロイド製のボールが使われ始めた際、ラケットに当たると「ピン」、台に弾むと「ポン」と音がしたことから名付けられました。この音が評判となり、後に商標の関係で、公式な競技名は「テーブルテニス(卓球)」として普及していったのです。音から名前がつくなんて、なんとも風情があるエピソードですね。
5.ラケットの大きさは自由
卓球のルールでは、ラケットの大きさや形に具体的な制限はありません。極端な話、フライパンのような巨大なサイズでも、規定の素材で作られていれば試合で使用可能です。ただし、大きすぎると重くて振れないため、結局は現在の標準的なサイズに落ち着いています。もし体力自慢の選手が現れたら、誰も見たことのない特大ラケットでのプレーが見られる日が来るかもしれません。
6.昔は21点先取だった
以前の卓球は、1セット21点先取という長いゲーム形式でした。しかし、試合時間の短縮やテレビ中継でのスリリングな展開を求めて、2001年から11点制に変更されました。これにより、1点の重みが格段に増し、よりスピーディーで緊張感のある試合展開が見られるようになりました。昔のルールを知っている世代からすると、今の試合はあっという間に終わるように感じるかもしれません。
7.ボールが大きくなった
2000年、ボールの直径が38mmから40mmへと変更されました。たった2mmの差ですが、これにより空気抵抗が増え、ボールのスピードと回転量が抑制されました。ラリーが長く続くようになり、テレビの前の観客がボールを目で追いやすくなるように改良されたのです。選手の技術向上に合わせて、道具のルールも観る側が楽しめるように進化し続けているのですね。
8.台の色が青い理由
昔の卓球台は深緑色が主流でしたが、現在は鮮やかな青色が一般的です。これは、当時のボール(白)が緑色だと見にくかったことや、青色が人間の目に優しく集中力を高める色だからと言われています。また、カラー放送での視認性向上も大きな理由の一つです。選手のプレー環境だけでなく、視聴者の見やすさも考慮して、今のスタイリッシュな青い台が定着しました。
9.ラバー色のルール変更
長らくラバーの色は「赤と黒」の2色と決まっていましたが、2021年の東京オリンピック以降、ルールが緩和されました。片面は黒である必要がありますが、もう片面はピンク、バイオレット、グリーン、ブルーの使用も認められました。これにより、カラフルなラケットを持つ選手が増え、見た目も華やかになっています。選手の個性が道具の色にも表れるようになったのは楽しい変化です。
10.両面同色は禁止
ラケットの両面に同じ色のラバーを貼ることは禁止されています。これは、性質の異なるラバー(回転がかかるもの、かからないもの等)を貼った際、相手がどちらの面で打ったか判別できるようにするためです。過去に同色ラバーによる「ごまかし」が横行したため、このような対策が取られました。観戦時に選手がラケットをくるくる回すのは、実はこの色の違いを利用した駆け引きなのです。
11.タオル休憩は6点毎
選手が試合中にタオルで汗を拭くことができるのは、原則として両者のスコアの合計が6の倍数になった時だけです。頻繁にタオルを使うと試合進行が遅れるため、このようなルールが設けられました。ただし、メガネに汗がついた場合などは審判の許可を得て拭くことができます。あのタオルタイムは、単に汗を拭くだけでなく、気持ちを切り替える重要な作戦タイムでもあるのです。
12.トスは16cm以上
サービスを打つ際、ボールを掌から垂直に16cm以上投げ上げなければなりません。これは、ネットの高さ(15.25cm)とほぼ同じ基準です。低すぎるトスや、手から直接打つようなサービスは「違反サーブ」として反則を取られることがあります。天井近くまで高く投げる「ハイトスサーブ」を行う選手もいますが、落下速度を利用して回転量を増やす高度なテクニックの一つです。
13.ボールを隠してはダメ
かつては体や腕でボールを隠してサービスを出すことが許されていましたが、現在は禁止されています。相手選手から常にボールが見える状態で打たなければなりません。これにより、極端に変化がわかりにくい「魔球」のようなサービスは減り、レシーブ技術との公平性が保たれています。隠せなくなった分、選手たちはトスの上げ方や手首の動きで相手を欺こうと必死に工夫しています。
14.体感速度はF1並み
トップ選手のスマッシュは時速100kmを超えますが、卓球台の距離が短いため、体感速度はものすごく速く感じます。一説には、手元に到達するまでの時間は0.2秒ほどと言われ、これはF1レーサーが感じるスピード感に匹敵するとも言われています。瞬きをしている間に通り過ぎてしまうほどの超高速の世界で、正確にラケットを振って打ち返す動体視力は、まさに人間離れしています。
15.驚異の回転数
卓球は「回転のスポーツ」とも呼ばれます。プロ選手が放つドライブ(前進回転)は、なんと1秒間に150回以上も回転していることがあります。この猛烈な回転により、ボールが急激に沈んだり、バウンド後に鋭く曲がったりするのです。肉眼ではただ飛んでいるように見えても、ボールは凄まじいエネルギーを帯びています。ラケットの角度を少し間違えるだけで、球があさっての方向に飛ぶのはこのためです。
16.促進ルールの存在
試合があまりにも長引いた場合、「促進ルール」が適用されます。1セットが10分を経過しても終わらない場合などに発動し、サービスは1本交代になり、レシーバーが13回返球に成功すればレシーバーの得点になります。守備型の選手同士の試合などで稀に見られますが、このルールに入ると「とにかく粘れば勝ち」という特殊な状況になるため、会場全体が独特な緊張感に包まれます。
17.ユニフォームの制限
試合で着用するユニフォームの色には決まりがあります。最も重要なのは、ボールの色(現在は白)と同じ色をメインにしてはいけないという点です。白いシャツだとボールが重なって見にくくなるため、相手選手への配慮としてルール化されています。もしお気に入りのウェアが白だったとしても、公式戦では着ることができません。デザインだけでなく、機能性と公平性が求められるのですね。
18.台に手をつくと失点
ラリー中にラケットを持っていない方の手(フリーハンド)が卓球台の天板に触れてしまうと、その時点で失点となります。どんなに体勢を崩しても、手をついて支えることは許されません。ただし、ラケットを持っている手や体が台に触れるだけならセーフな場合もあります。必死にボールを追いかけて台に飛び込むようなシーンでは、手が触れていないか審判も目を光らせています。
19.エッジボールの判定
ボールが台の角(エッジ)に当たった場合の判定は微妙です。台の「上面」に当たればセーフ(入った)ですが、台の「側面」に当たった場合はアウトとなります。この差は数ミリの世界であり、審判にとっても判断が非常に難しい瞬間です。重要な局面でエッジボールが起きると、入ったかどうかで試合の流れが大きく変わるため、選手も観客も固唾をのんで判定を見守ることになります。
20.ネットインの扱い
ラリー中にボールがネットに触れて相手コートに入った場合、そのままプレーは続行されます。ラッキーな得点になることも多いですが、サービスの時だけは例外です。サービスでネットに触れて相手コートに入ると「レット」となりやり直しになります。これは、サービスにおいては運の要素を排除し、純粋な技術でスタートさせるためのルールです。何度ネットインしても、ペナルティなしでやり直しが続きます。
21.タイムアウトは1回
卓球の試合では、1試合につき1回だけ、1分間のタイムアウトを取ることができます。これはセットごとではなく、試合全体を通して1回のみです。勝負どころや、相手に連続得点を許して流れを変えたい絶妙なタイミングでカードを切る必要があり、監督や選手のベンチワークの重要性が問われます。たった1回の休憩をどこで使うかが、勝敗を分ける大きなカギになることも珍しくありません。
22.接着剤の進化
かつてはラバーを貼る際に「スピードグルー」という有機溶剤入りの接着剤が使われ、反発力を高めていました。しかし、人体への有害性が問題視され、2008年のオリンピック以降は全面的に禁止に。現在は水溶性の安全な接着剤が使われています。このルール変更により、道具の力で飛ばすのではなく、選手のフィジカルや技術でボールを飛ばすことがより求められる時代になりました。
23.世界卓球の開催周期
世界最高峰の大会である「世界卓球選手権」は毎年開催されますが、実は内容が交互に変わります。奇数年は「個人戦(シングルスやダブルス)」、偶数年は「団体戦」が行われます。個人の力が試される年と、チームの総合力が試される年が交互に来るため、毎年違うドラマが見られるのもファンにとっては楽しみの一つです。特に団体戦での日本の団結力には、いつも感動させられますね。
24.「愛ちゃん」の功績
福原愛さんの登場は、日本の卓球界にとって大きな転機でした。彼女の活躍によりメディア露出が激増し、卓球が「根暗なスポーツ」という古いイメージから脱却。明るくメジャーな競技として認知されるきっかけを作った功労者と言えるでしょう。彼女に憧れてラケットを握った子供たちが、今の日本代表として世界で活躍しているのを見ると、その影響力の大きさを改めて感じます。
25.日本が生んだ技術
卓球の攻撃技術の代名詞とも言える「ドライブ」や、裏ソフトラバーの下にスポンジを貼る工夫は、実は日本が世界に広めたと言われています。かつて日本は卓球王国として世界を席巻しており、技術革新においてもリーダー的存在でした。現在も日本のメーカーが作るラケットやラバーは世界最高品質とされ、多くの海外トップ選手に愛用されています。日本の技術力は今も健在です。
26.中国が強い理由
卓球王国・中国の強さは圧倒的ですが、それは国家レベルでの育成システムがあるからです。幼少期からの英才教育に加え、代表チームには多くの「仮想敵」となるコピー選手が存在します。彼らはライバル国の選手のプレースタイルを完璧に模倣する専属選手であり、代表選手のために日々練習相手を務めています。国を挙げての徹底的な対策と層の厚さが、常勝軍団を支えているのです。
27.粒高ラバーの魔球
ラバーの表面にある粒が長い「粒高(つぶだか)」という種類があります。これは自分から回転をかけるのは苦手ですが、相手の回転をそのまま、あるいは逆にして返すという奇妙な性質を持っています。慣れていないと、打っても打ってもボールが変な変化をしてネットに突き刺さってしまいます。ベテラン選手がこのラバーを使って、若手の豪速球をさらりと受け流す姿はまさに職人芸です。
28.身体的接触がない
卓球はネットを挟んで対峙するため、バスケットボールやサッカーのように相手選手と体がぶつかることがありません。そのため、怪我のリスクが比較的低く、子供から高齢者まで生涯楽しめるスポーツとして、世界中で広く愛されています。「温泉卓球」のように浴衣姿でも楽しめる気軽さがありながら、突き詰めれば奥深い。この間口の広さこそが、卓球最大の魅力かもしれません。
29.「卓球」は物理学
ボールの回転、空気抵抗、ラバーの摩擦、台への入射角。これらを瞬時に計算して体を動かす卓球は、「高速でチェスをするようなもの」と例えられることがあります。ただ打ち合っているように見えて、選手たちは頭の中で高度な計算と駆け引きを行っています。反射神経だけでなく、高度な戦術眼と頭脳が必要なスポーツであり、知的な格闘技とも言えるでしょう。
30.試合中の叫び声
選手が得点した時に「チョレイ!」や「サー!」と叫ぶのは、自分自身を鼓舞するためです。ルール上、あまりに過度な大声や相手を威嚇するような声はマナー違反とされますが、気合を入れるための発声は多くの選手にとって重要なルーティンとなっています。静寂の中で響く選手の叫び声からは、1点にかける凄まじい執念とプレッシャーが伝わってきますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。発祥の意外なエピソードから、0.1秒を争うプロの世界の厳しいルールまで、卓球には奥深い魅力がたくさん詰まっています。
次にテレビで試合を見るときは、選手のスーパープレイだけでなく、ラバーの色やトスの高さ、そしてタオルのタイミングなどにも注目してみてください。きっと今までとは違った面白さが発見できるはずですよ。