甘酸っぱくてジューシーなパイナップルは、子どもから大人まで大人気の南国フルーツですよね。スーパーの果物コーナーや缶詰、デザートなどで普段から何気なく口にしていますが、実はその生態や歴史を紐解いてみると、常識が覆るような驚きの秘密がたくさん隠されているんです。
今回は、そんなパイナップルに関する面白い豆知識を30個厳選してご紹介します。名前の由来から美味しく食べるための裏ワザ、さらにはクイズとしても盛り上がる意外な雑学まで幅広くまとめましたので、ぜひ最後まで楽しみながら読んでみてくださいね。
1.木ではなく草になる

パイナップルは大きな実をつけるため、ヤシの木のような高い樹木にぶら下がって実るイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし植物学的には木ではなく、地面から生える多年草という草の仲間に分類されます。高さ1メートルほどの硬い葉が茂った株の真ん中から茎が伸び、その先端に上向きでポツンと実をつけるという、とてもユニークな育ち方をする植物なのです。
2.語源は松とリンゴ

英語の「pineapple」という名前は、「pine(松)」と「apple(リンゴ)」という2つの単語が組み合わさって誕生しました。もともとこの言葉は松ぼっくりを意味していましたが、ゴツゴツとした見た目が松ぼっくりにそっくりで、さらにリンゴのように甘くて美味しい果実だったことから現在の名前で呼ばれるようになりました。他の果物と間違えられそうな名前には、ちゃんとした理由があったのですね。
3.実の正体は花の集合体

私たちが普段食べているパイナップルの実は、実は1つの大きな果実ではありません。うろこのような模様の1つ1つに小さな紫色の花が咲き、受粉せずにそのまま膨らんだものが、100個以上もくっついて1つの塊になった「集合果(しゅうごうか)」と呼ばれる状態なのです。外側のボコボコした網目模様は、たくさんあった小さな果実がギュッと合体した名残というわけです。
4.舌が痛む原因は酵素

生のパイナップルをたくさん食べると、舌や口の中がピリピリと痛くなってしまうことがありますよね。これはアレルギーや酸味のせいではなく、果汁に含まれる「ブロメライン」というタンパク質分解酵素が原因です。舌の表面を守っている粘膜のタンパク質をこの酵素が分解してしまうため、むき出しになった舌が刺激を受けてヒリヒリとした痛みを感じる仕組みになっています。
5.缶詰は舌が痛くない

生のパイナップルを食べると舌がピリピリするのに、缶詰のパイナップルをいくら食べても全く痛くならないのは不思議ですよね。実は舌を刺激する原因であるブロメラインという酵素には、60度以上の熱を加えると働きを失うという性質があります。缶詰を作る工程ではシロップと一緒にしっかりと加熱殺菌が行われるため、酵素の力が消えて口の中が痛くならないのです。
6.ゼリーが固まらない

生のパイナップルを使ってゼリーを作ろうとすると、冷蔵庫で冷やしても全く固まらずに液体になってしまうことがあります。これはお菓子作りに使われるゼラチンが動物性のタンパク質でできているため、果肉に含まれる酵素がゼラチンの網目構造を壊してしまうからです。生のままゼリーに入れたい場合は、一度果肉を電子レンジや鍋で加熱してから使うか、海藻から作られる寒天やアガーを使うときれいに固まります。
7.お肉を柔らかくする

酢豚にパイナップルが入っているのを見て、「どうして温かい料理に果物を入れるんだろう?」と疑問に思ったことがある人は多いはずです。実はこれには単なる彩りや甘酸っぱい味付けだけでなく、果肉の酵素によって豚肉の硬い繊維を分解して柔らかくするという科学的なメリットがあります。さらに消化を助けて胃もたれを防ぐ働きもあるため、脂っこいお肉料理とは非常に理にかなった組み合わせなのです。
8.収穫後は甘くならない

バナナやキウイ、メロンなどの果物は、収穫した後に部屋に置いておくと追熟してどんどん甘くなっていきますよね。しかしパイナップルにはデンプンを糖に変える力がほとんどないため、畑で収穫された瞬間から甘さが増えることはないのです。スーパーの店頭に並んでいる時点で最も美味しい完熟状態になっているので、買ってきたら熟成を待たずに、なるべく新鮮なうちに食べるのが正解です。
9.お尻の方が甘みが強い

パイナップルを切り分ける際、場所によって甘さが違うことに気づいたことはありますか。植物の構造上、糖分は茎に近い下側から上に向かって蓄えられていくため、葉がついている頭側よりもお尻側の方が甘いという特徴があります。最初から甘いお尻の部分を食べてしまうと、後から食べる上の方が酸っぱく感じてしまうため、葉に近い上から順番に食べていくと最後まで美味しく味わえますよ。
10.逆さま保存で甘さ均一

お尻の部分に溜まっている甘い果汁を実全体に行き渡らせるための、とても簡単な裏ワザがあります。それは、食べる前日に葉っぱの部分を切り落とし、上下を逆さまにして冷蔵庫で保存するという方法です。こうすることで重力の働きによって底に溜まっていた糖分を含んだ果汁が上の方へとゆっくり移動し、どこを食べても均一で甘いパイナップルを楽しむことができるようになります。
11.ヘタを植えると育つ

買ってきたパイナップルの頭についているフサフサとした葉っぱ(冠芽)は、実は捨てずに土に植えることで新しい株として育てることができます。葉の根元についた果肉をきれいに取り除いて乾燥させ、水耕栽培や水はけの良い土に挿しておくと、ニョキニョキと新しい根っこが生えてくるのです。上手に育てれば3年ほどで自宅でも可愛い実が収穫できるため、観葉植物としても人気を集めています。
12.実がなるまで約2年

普段私たちが手頃な価格で買っているパイナップルですが、実は収穫されるまでに途方もない時間がかかっています。苗を畑に植え付けてから花が咲き、私たちがよく知る大きな実へと成長するまでには、約1年半から2年もの長い歳月が必要なのです。しかも1つの株につき1度に1個しか実がならないため、農家の方々がどれほど手間暇をかけて大切に育てているかがよくわかりますね。
13.普通の果肉には種がない

リンゴやスイカには真ん中にたくさんの種が入っていますが、パイナップルを切っても種を見かけることはほとんどありませんよね。実はパイナップルは自分の花粉では受粉しにくい性質を持っており、農家では受粉させずに実を育てる単為結果(たんいけっか)という方法で栽培しています。まれに皮の近くに茶色いゴマのような粒が入っていることがありますが、それが偶然できた本物の種なのです。
14.漢字では鳳梨と書く

パイナップルを漢字で書くと、伝説の鳥である鳳凰(ほうおう)の「鳳」に果物の「梨」を組み合わせて「鳳梨(ほうり・おうり)」と表記します。これは、実のてっぺんに広がる葉っぱの形が空を舞う鳳凰の美しい尾羽に似ていることと、果肉のシャキシャキとした食感や風味が梨を連想させることに由来しています。台湾のお土産として大人気のお菓子「パイナップルケーキ」の包装でもよく見かける漢字ですね。
15.日本へは江戸時代伝来

日本に初めてパイナップルが持ち込まれたのは、今から約180年前の江戸時代末期である1845年(弘化2年)のことだと言われています。オランダの船によって長崎へ運ばれてきたのが最初とされており、当時の人々はその珍しい姿を見て「松の実のようで奇妙な果物だ」と大変驚いたという記録が残っています。本格的に国内で栽培が始まったのは明治時代に入ってからで、小笠原諸島や沖縄へと広がっていきました。
16.国内生産は沖縄が99%

日本で流通しているパイナップルの多くはフィリピンなどからの輸入品ですが、国内でも美味しい国産品が作られています。その国内生産量のうち、実に99.9%近くを沖縄県が占めているというから驚きです。パイナップルは温暖な気候と酸性の赤土(国頭マージ)を好むため、沖縄の自然環境が栽培にこれ以上ないほどぴったりと合っており、残りのわずかな量が鹿児島県の奄美群島などで作られています。
17.原産地は南米ブラジル

ハワイや沖縄、東南アジアのイメージが強いパイナップルですが、もともとの原産地は南アメリカ大陸のブラジルやパラグアイ周辺の熱帯地域です。古くから現地の先住民であるインディオたちによって、「アナナス(優れた果物・亀の実)」という名前で大切に栽培されていました。大航海時代の1493年に探検家のコロンブスが西インド諸島でこの果実を発見し、ヨーロッパへと持ち帰ったことで世界中に広まったのです。
18.昔は貴族のレンタル品

17世紀から18世紀のヨーロッパでは、船で運ぶ途中で腐りやすいパイナップルは、温室でしか育てられない超高級品でした。現在の価値で1個あたり数十万円から100万円近くで取引されていたため、当時の貴族たちは食べるためではなく富の象徴としてレンタルしていたのです。パーティーのテーブルに飾ったり、小脇に抱えて散歩したりして自慢し、傷む前に業者へ返却していたというから面白いですよね。
19.葉から高級な布を作る

パイナップルは甘くて美味しい実を食べるだけでなく、株から生える硬くて長い葉っぱも無駄なく活用されています。フィリピンや沖縄などでは、葉の繊維を丁寧に取り出して糸にし、「ピーニャ」や「鳳梨布」と呼ばれる高級な織物が作られています。シルクのような美しい光沢と通気性の良さを兼ね備えており、フィリピンの伝統的な正装である「バロン・タガログ」の生地として重宝されています。
20.手でちぎれる品種がある

パイナップルといえば、硬い皮を包丁で切り落とすのが少し面倒なイメージがありますよね。しかし沖縄で生まれた「ボゴールパイン」という品種は、皮の凹凸に沿って指でつまむだけで、スナック感覚で1粒ずつ手でちぎって食べられるのです。別名「スナックパイン」とも呼ばれており、包丁を使わずに芯まで丸ごと甘く味わえることから、毎年春から夏にかけてお取り寄せグルメとしても絶大な人気を誇っています。
21.桃の香りがする品種

沖縄県で品種改良によって誕生した珍しいパイナップルの中に、「ピーチパイン(正式名称:ソフトタッチ)」という魅力的な品種があります。外見は少し小ぶりで可愛らしく、切ってみると果肉が一般的な黄色ではなく、白桃のように白っぽくて甘い桃の香りがするのが最大の特徴です。酸味が少なくてジューシーな甘みが口いっぱいに広がるため、普通のパイナップルとは一味違う贅沢な味わいを楽しめます。
22.8月17日はパインの日

カレンダーにはいろいろな果物の記念日がありますが、8月17日は「パイナップルの日」として日本記念日協会に正式登録されています。これは株式会社ドールが制定したもので、日付の由来は「パ(8)イ(1)ナ(7)ップル」という語呂合わせからきています。さらに沖縄県などでは、8月1日を「パ(8)イ(1)ンの日」とし、8月1日から31日までの1ヶ月間をパイン消費拡大月間として盛り上げています。
23.パインアメの穴の秘密

世代を超えて愛されているロングセラーお菓子「パインアメ」といえば、真ん中にぽっかりと空いた穴が特徴的ですよね。これは輪切りのパイナップル缶詰を再現するために、当時の職人さんが最初は割り箸を使って1粒ずつ手で穴を開けていたことから始まりました。さらにこの穴があるおかげで、舐めている途中で万が一誤って喉に詰まらせてしまっても、空気の通り道が確保されて窒息を防ぐという大切な役割も果たしています。
24.芯にこそ栄養が詰まる

カットする時に硬くて捨ててしまいがちな真ん中の「芯」ですが、実は果肉以上に素晴らしい栄養がギュッと凝縮されている部分なのです。特にお腹の調子を整える不溶性食物繊維や、お肉を柔らかくする酵素のブロメラインは、柔らかい果肉よりも芯の方に多く含まれていることがわかっています。薄くスライスして刻んだり、ミキサーでスムージーに混ぜたりすれば、硬さを気にせず栄養を丸ごと摂取できますよ。
25.夏バテ予防に効果抜群

暑い季節に無性に食べたくなるパイナップルは、実は夏バテや疲労回復にうってつけの栄養素をたっぷり含んでいます。糖質をエネルギーに変える働きを持つ「ビタミンB1」が果物の中でもトップクラスに多く、さらに疲れのもとを和らげるクエン酸やビタミンCも豊富なのです。汗をかいて体力を消耗しやすい夏の時期には、水分補給とエネルギーチャージを同時に叶えてくれる頼もしい味方になってくれます。
26.冷やしすぎると甘み減

果物はキンキンに冷やした方が美味しいと思われがちですが、パイナップルの場合は冷やしすぎに注意が必要です。人間の舌は冷たい温度になると甘みを感じにくくなる性質があるため、氷水などで冷やしすぎると酸味ばかりが際立つようになってしまいます。また南国の植物なので低温障害を起こしやすく、食べる1〜2時間前に冷蔵庫の野菜室に入れて、10度前後に軽く冷やすのが最も甘く感じる温度帯です。
27.良い実は重みと香りで選ぶ

お店で美味しいパイナップルを見分ける時は、まず手に持ってみてズッシリとした重みがあるかどうかを確かめてみましょう。同じ大きさでも重いものほど果汁がたっぷり詰まっており、さらにお尻の部分から甘い香りが強く漂っているものが完熟して食べ頃のサインです。また、頭の葉っぱが濃い緑色でピンと元気よく張っており、全体がふっくらとした下ぶくれの形をしているものを選ぶと失敗しませんよ。
28.ハワイでは歓迎の象徴

大航海時代に貴重な品だった歴史から、欧米やハワイではパイナップルが「ホスピタリティ(おもてなし・大歓迎)」のシンボルとして親しまれています。かつて船乗りたちが無事に航海から戻った際、玄関先にパイナップルを飾って訪問客を歓迎したという風習がルーツになっているそうです。現在でも海外のホテルや住宅の門柱、インテリアのモチーフとしてパイナップルの彫刻がよく使われているのはこのためです。
29.花火にパイン飴がある

「パインアメ」と聞いてお菓子の飴玉を思い浮かべる人がほとんどですが、実は夏の夜空を彩る花火の世界にも「パイン飴」という名前の仕掛けが存在します。これは打ち上げ花火の玉の中に星(火薬)を詰める際、中心部と外周で異なる色の火薬を輪状に配置する技法のことです。断面がパインアメのように見えることや、夜空に開いた時に輪切りのパイナップルのような模様になることから、花火師の間でそう呼ばれています。
30.人工授精は禁止のルール

果物の栽培では、実つきを良くするために人の手で受粉を手伝うことがよくありますよね。しかしパイナップルの畑では、逆にハチなどの虫が入らないようにしたり、人工授精を絶対に行わないように管理したりするのが一般的です。なぜなら受粉してしまうと果肉の中に硬い種がびっしりとできてしまい、私たちが普段食べているような、種がなくて食べやすいジューシーな実にならなくなってしまうからなのです。
まとめ
パイナップルの雑学30選、いかがでしたでしょうか。木ではなく草に実ることや、かつて貴族たちの間でレンタルされていた歴史、そして収穫後は追熟しないという意外な性質など、普段食べているだけでは気づけない面白い発見がたくさんありましたね。
次にスーパーでパイナップルを見かけた時は、ぜひ今回ご紹介した「美味しい実の選び方」や「逆さま保存の裏ワザ」を試してみてください。そして食卓を囲む際には、誰かに話したくなる楽しい豆知識やクイズとして、家族や友人に披露して盛り上がっていただけたら嬉しいです。
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