水族館のショーで華麗なジャンプを見せてくれたり、海で群れを作って楽しそうに泳いでいたりと、イルカは子供から大人まで大人気の生き物ですよね。愛嬌たっぷりの表情と高い知能で私たちを癒やしてくれますが、実は私たちがまだ知らない驚きの生態や不思議な秘密がたくさん隠されているのをご存知でしょうか。
今回は、そんなイルカに関する面白い雑学や豆知識をたっぷり30個集めました。クジラとの意外な違いやユニークな眠り方など、友達や家族に思わずクイズとして出したくなるような楽しいトリビアばかりですので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
1.クジラとの違いは体長

イルカとクジラは見た目が似ていますが、実は生物学上の分類ではまったく同じ「鯨類(げいるい)」というグループに属しています。では何で呼び分けているのかというと、成獣になったときの体長が4〜5メートル以下ならイルカ、それより大きければクジラと便宜上区別されているだけなのです。つまり、イルカは「小さなクジラ」と呼んでも間違いではありません。
2.脳を半分ずつ休ませる

海の中で暮らすイルカも、私たち人間と同じように肺で呼吸をする哺乳類です。もしぐっすり熟睡してしまうと息ができずに溺れてしまうため、右脳と左脳を交互に眠らせる「半球睡眠」という特殊な方法をとっています。眠っている方の脳と反対側の目は閉じ、起きている方の目を開けたままゆっくり泳ぎ続けるという器用な技を持っています。
3.においを全く感じない

多くの動物にとって嗅覚はエサや天敵を見つけるための大切な感覚ですが、イルカにはその能力がありません。水中生活に適応して進化する過程で、においを感じ取るための嗅神経や脳の嗅球が完全に退化してしまったからです。その代わり、音の反響や視覚、皮膚の感覚などをフル活用して周囲の状況を正確に把握しています。
4.味は塩味しかわからない

においだけでなく、イルカは味覚も人間とは大きく異なっています。甘味や苦味、酸味、うま味を感じるための遺伝子が退化しており、味覚のなかでは唯一「塩味」だけを感じ取れると考えられています。イルカは獲物の魚を噛まずに丸呑みしてしまうため、じっくり味わう必要がなくなったのかもしれませんね。
5.エサの魚はすべて丸呑み

イルカの口の中にはたくさんの歯が並んでいますが、実は食べ物をモグモグと噛み砕くことはしません。イルカの歯はすべて同じ円錐形をしていて、逃げる魚やイカをしっかりと捕まえて離さないための道具として使われています。捕まえた魚はウロコやヒレが喉に引っかからないよう、必ず頭の方から器用に丸呑みします。
6.陸上ではカバに一番近い

魚のような流線型の体をしているイルカですが、大昔は4本の足で陸上を歩いていた動物が海へと戻った生き物です。DNAの研究が進んだ結果、現在生きている陸上動物のなかで遺伝的に最も近い親戚は「カバ」であることが判明しました。約5000万年以上前に共通の祖先から枝分かれし、それぞれ独自の進化を遂げたのですね。
7.仲間を名前で呼び合う

イルカは非常に高いコミュニケーション能力を持っており、1頭ごとに「シグネチャーホイッスル」と呼ばれる固有の鳴き声を持っています。これは人間でいう「名前」のようなもので、相手の固有の鳴き声を真似することで特定の仲間を呼びかけることができます。遠く離れた場所にいても、声だけで誰がどこにいるのかがすぐわかるそうです。
8.音の反響で周囲を見る

光が届きにくい暗い海や濁った水のなかでも、イルカは障害物にぶつからずに泳ぎ、正確に魚を捕まえることができます。これは頭から超音波を出し、跳ね返ってきた音の反響(エコー)を分析して物体の形や距離を知る「エコロケーション」という能力があるからです。なんと相手の生き物の内臓の様子まで音で透視できるといわれています。
9.おでこの丸みは脂肪の塊

イルカの丸くてかわいらしいおでこは、触ると硬い骨があるように見えますが、実はぷにぷにと弾力があります。あのおでこの部分には「メロン」と呼ばれる特殊な脂肪組織が詰まっているからです。この脂肪の塊がレンズのような役割を果たし、頭の中で発生させた超音波を前方に収束させて遠くへ飛ばすのを助けています。
10.下あごの骨で音を聞く

イルカには人間のような外側に突き出た耳たぶがなく、目の後ろに小さな穴が開いているだけです。ではどうやって水中の音を聞いているのかというと、下あごの骨の内部にある脂肪を通して音の振動を内耳へ伝えているのです。下あご全体が優秀な集音マイクのようになっており、微かな音の方向までピタリと当てることができます。
11.呼吸は鼻の穴で行う

イルカの頭の上には「噴気孔(ふんきこう)」と呼ばれる穴があり、水面に上がったときにプシューッと潮を吹きますよね。実はこれ、陸上動物だった頃の「鼻の穴」が進化の過程で頭頂部へ移動したものなのです。口と気道が完全に分かれているため、水中で口を大きく開けてエサを飲み込んでも、気管に水が入ってむせることはありません。
12.意識しないと息ができない

私たち人間は眠っているときや何かに集中しているときでも、無意識のうちに自然と呼吸を続けています。しかしイルカの場合は不随意呼吸ができず、1回1回すべて自分の意識で鼻の筋肉を動かして呼吸しているのです。もし全身麻酔などをかけて完全に意識を失わせてしまうと、自力で息ができなくなってしまうという驚きの仕組みになっています。
13.海水を直接飲むことはない

ずっと海の中で暮らしているイルカですが、喉が渇いたからといって周囲の海水をゴクゴク飲むことはありません。海水には塩分が多すぎるため、そのまま飲むと体に負担がかかってしまいます。そのためイルカは、毎日食べる新鮮な魚やイカの体内に含まれている水分から必要な水を補給し、さらに体内で脂肪を分解する際に出る水も利用しています。
14.皮膚が2時間で生まれ変わる

水族館などでイルカにタッチしたことがある方は、まるで濡れたゴムやナスのようなツルツルした感触に驚いたのではないでしょうか。実はイルカの皮膚は新陳代謝がすさまじく速く、表面の古い角質がわずか2時間ほどで新しい皮膚へと生まれ変わっているのです。常に肌をツルツルに保つことで、水の抵抗を最小限に抑えて速く泳ぐことができます。
15.実はお腹に毛が生えている

ツルツルのお肌を持つイルカですが、哺乳類である証拠に、なんと「毛」が生える時期があります。生まれたばかりの赤ちゃんの頃だけ、口先のあたりに数本から十数本ほどのヒゲのような体毛が生えているのです。成長するにつれてすぐ抜け落ちてしまいますが、毛穴の跡だけは大人になっても残っており、水圧や水流を感じるセンサーとして役立っています。
16.赤ちゃんは尾から生まれる

人間をはじめとするほとんどの哺乳類は、出産するときに頭から先に生まれてきますよね。しかしイルカのお産はその逆で、必ずしっぽ(尾ビレ)の方から先に生まれてくる「逆子」が正常なスタイルです。水中で出産するため、もし頭から先に出てしまうと、完全に外へ出る前に赤ちゃんが水中で最初の息をして溺れてしまうのを防ぐためです。
17.おっぱいは水中で飛び出す

イルカの赤ちゃんも母乳を飲んで育ちますが、人間のように唇をすぼめて吸うことができません。そこで母イルカは、赤ちゃんがお腹のスリット部分に口を近づけると、筋肉をギュッと収縮させて濃厚な母乳を水中にピュッと噴射し、赤ちゃんの口へ流し込むのです。水中に溶け出さないよう、イルカの母乳はマヨネーズのように脂肪分が高くドロッとしています。
18.生後1ヶ月は母も眠らない

生まれたばかりのイルカの赤ちゃんは、体に脂肪が少なくて水に浮くことができず、泳ぎもまだ上手ではありません。そのため生後1ヶ月ほどの間は、赤ちゃんが沈まないように24時間体制で泳ぎ続けなければならず、お母さんイルカもほとんど眠らずに寄り添うそうです。親子の絆と生命力の強さには本当に驚かされますよね。
19.鏡に映る自分を認識できる

動物の知能を測るテストのひとつに、鏡に映った姿を「他の個体」ではなく「自分自身」だと理解できるか調べるミラーテストがあります。イルカはこのテストに見事合格しており、体に印をつけられると鏡の前でくるりと回って自分の体の印を確かめる行動を見せます。この能力を持つのは類人猿やゾウなど、ごく一部の知能が高い動物だけです。
20.道具を使うイルカがいる

オーストラリアのシャーク湾に暮らすバンドウイルカのなかには、なんと道具を使って狩りをするグループが存在します。海底の砂の中に隠れた魚を探す際、岩やサンゴで傷つかないように「海綿(スポンジ)」を口先にかぶせて保護具にするのです。しかもこの知恵は母親から子どもへと代々受け継がれており、イルカ独自の文化として注目されています。
21.空気の輪を作って遊ぶ

水族館のイルカやシロイルカ(ベルーガ)が、水中で口や鼻から空気を吐き出して、キラキラ光る「バブルリング」を作る姿は有名ですよね。実はこれ、人間に教えられた芸というだけでなく、イルカ自身が退屈しのぎや遊びとして自発的に作って楽しんでいる行動なのです。自分で作った輪っかをくぐったり、口でパクッと噛んで壊したりして無邪気に遊びます。
22.川にだけ住む種類がいる

イルカといえば広い海を泳ぐイメージがありますが、世界には一生を淡水で過ごす「カワイルカ」という仲間がいます。南米のアマゾン川などに生息しており、濁った川の中で障害物を避けやすいよう、首の骨がくっついておらず頭を上下左右に動かせるという珍しい特徴を持っています。視力がほとんど退化している代わりに、超音波の能力が抜群に発達しています。
23.成長するとピンクになる種

アマゾンカワイルカには、もうひとつおとぎ話のような不思議な特徴があります。子どもの頃は一般的なイルカと同じような灰色をしていますが、大人になるにつれて皮膚が透け、毛細血管の色が映って全身が鮮やかなピンク色に変わるのです。特に興奮したときなどは、人間が赤面するのと同じようにピンク色がさらに濃くなるといわれています。
24.シャチは最大のイルカ

「海の王者」として知られる白と黒のシャチですが、分類上はクジラではなく「マイルカ科」に属するイルカの仲間です。体長は大きいもので8〜9メートルにも達するため、世界中のイルカのなかで最も体が大きい「最大のイルカ」と呼ばれています。先ほど「4〜5メートル以上はクジラ」とお話ししましたが、シャチはその数少ない例外のひとつなのです。
25.漢字では「海の豚」と書く

イルカを漢字で書くと「海豚」となりますよね。なぜ豚という字が使われているのかというと、中国語でイルカを「海豚(ハイトゥン)」と呼んでいたものがそのまま日本に伝わったからです。丸々と太った体型や、水中でエサを探すときの鼻先の動きがブタに似ていることから名付けられたといわれており、英語でも古くは「シーピッグ(海の豚)」と呼ばれることがありました。
26.英語のドルフィンはギリシャ語

英語でイルカを意味する「Dolphin(ドルフィン)」という言葉にも、面白い由来が隠されています。語源となったのは古代ギリシャ語の「デルフィス(delphis)」という言葉で、これはもともと「子宮(おなかの赤ちゃんが育つ場所)」を意味する言葉でした。魚のような姿をしていても、卵ではなく赤ちゃんを産んで育てる神秘的な生き物として名付けられたのですね。
27.胸ビレに5本の指の骨がある

イルカの胸ビレは一見すると1枚の平らな板のように見えますが、レントゲン写真を撮ってみると驚きの事実がわかります。なんとヒレの内部には、人間や他の陸上哺乳類とまったく同じように「5本の指の骨」がしっかりと残っているのです。かつて陸上を歩いていた頃の足が、水中を泳ぐためのオールへと進化したことがひと目でわかる証拠ですね。
28.尾ビレを上下に振って泳ぐ

マグロやサメなどの魚類が泳ぐときは、体をくねらせて尾ビレを「左右」に振って進みます。それに対してイルカやクジラは、背骨をしならせて尾ビレを「上下」に力強く振って推進力を得ているのが大きな違いです。これは陸上を走っていた4足歩行の動物が、背中を丸めたり反らせたりして駆けるときの動きがそのまま水中での泳ぎ方に残ったためです。
29.傷が治るのが驚くほど速い

野生のイルカはサメに噛まれたり岩にぶつかったりして深い傷を負うことがありますが、化膿することなく驚くほどのスピードで回復します。イルカの皮膚や脂肪層には天然の抗生物質のような抗菌物質が含まれており、さらに出血を素早く止めて組織を再生させる仕組みが備わっているからです。重傷を負っても数週間できれいに治ってしまうことも珍しくありません。
30.世界の海や川に約40種類

一口にイルカといっても、その姿や暮らす場所は実にさまざまです。現在、世界中の海や一部の大河には約40種類ものイルカの仲間が生息しているといわれています。水族館でおなじみのバンドウイルカやカマイルカだけでなく、背ビレのないスナメリや、まん丸のおでこを持つゴンドウクジラ類など、知れば知るほど個性豊かな仲間たちに出会えますよ。
まとめ
イルカの雑学30選、いかがでしたでしょうか。いつも笑顔のように見える愛らしい姿の裏には、過酷な水中の世界で生き抜くための驚くべき進化や高い知能の秘密がたくさん詰まっていましたね。陸上のカバと親戚だったり、脳を半分ずつ眠らせていたりと、知れば知るほどその不思議な生態に引き込まれてしまいます。
次に水族館へ足を運んだときや、テレビでイルカの映像を見かけたときは、ぜひ今回ご紹介したおでこのメロンや胸ビレの動きなどに注目してみてください。また、「イルカとクジラの違いって知ってる?」と身近な人へのクイズや会話のネタとしても活用して、楽しい時間を過ごしていただけたら嬉しいです。
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