クリーミーで濃厚な味わいが魅力のアボカドは、サラダやパスタ、お寿司のネタとしても大人気の食材ですよね。普段何気なく食べているアボカドですが、実は植物としての驚くべき生態や意外な歴史がたくさん隠されていることをご存じでしょうか。
今回は、誰かに話したくなるアボカドの面白い雑学や豆知識を30個厳選してご紹介します。美味しい見分け方や保存のコツ、知られざる栄養の秘密まで幅広くまとめましたので、ぜひ最後まで楽しみながら読んでみてくださいね。
1.実は野菜ではなく果物

サラダに使われることが多く、甘みも少ないため野菜と思われがちですが、アボカドは分類上「果物」にあたります。農林水産省の定義では、木に実がなる多年生植物は「果樹(果物)」として扱うルールになっているためです。アボカドはクスノキ科の常緑高木に実るため、りんごやみかんと同じ果物の仲間になります。食卓での使われ方と植物学上の分類にギャップがあるのは、とても面白いポイントですね。
2.ギネス認定の栄養価

アボカドは「世界一栄養価の高い果物」としてギネス世界記録に認定されています。脂肪分が多いイメージがあるかもしれませんが、実はビタミンやミネラル、食物繊維など約20種類もの栄養素がギュッと詰まっているのです。特に抗酸化作用のあるビタミンEや、むくみ対策に嬉しいカリウムが豊富に含まれています。毎日少しずつ食事に取り入れるだけで、体に必要な栄養を手軽に補える優秀なフルーツです。
3.別名は「森のバター」

とろけるような舌触りから「森のバター」という美しい異名を持つアボカドですが、これは果肉に含まれる脂質の多さに由来しています。一般的な果物は糖質が主体ですが、アボカドは果肉の約20%が良質な脂肪分で構成されているのが特徴です。この脂質はオリーブオイルなどにも含まれる「オレイン酸」などの不飽和脂肪酸が中心で、悪玉コレステロールを減らす働きが期待できる体に優しい油分なのです。
4.和名は「ワニナシ」

アボカドには「鰐梨(ワニナシ)」というユニークな日本語の名前がついています。これは熟したアボカドの黒っぽくてゴツゴツとした皮の表面が、動物のワニの皮膚にそっくりなことから名付けられました。英語圏でも古くは「アリゲーター・ペア(ワニの洋梨)」と呼ばれていた歴史があり、それがそのまま和訳されて日本に伝わったとされています。見た目のインパクトがそのまま名前になった面白い例ですね。
5.名前の語源はアステカ語

「アボカド」という名前のルーツは、古代メキシコのアステカ文明で使われていた先住民の言葉「ナワトル語」にあります。当時の言葉でアボカドは「アワカトル(ahuacatl)」と呼ばれており、これには果実の形が似ていることから「睾丸」という意味も含まれていました。後にスペイン人が中南米へ進出した際、この発音がスペイン語に転訛して「アグアカテ」となり、さらに英語の「アボカド」へと変化していきました。
6.大昔は巨大生物のエサ

アボカドの中心には、他の果物では見られないほど大きな種が1つ入っていますよね。実はこの巨大な種は、氷河期に生息していた「オオナマケモノ」などの巨大哺乳類に丸呑みしてもらうために進化したものなのです。大きな動物に果実ごと食べてもらい、遠く離れた場所でフンと一緒に種を排出してもらうことで子孫を広げていました。巨大な動物たちが絶滅した後は、人間が栽培することで絶滅を免れたといわれています。
7.木の上では熟さない

多くの果物は木に実ったまま完熟を迎えますが、アボカドは木の上では決して柔らかく熟さないという珍しい性質を持っています。果実が大きく育っても、木と繋がっている間は葉から熟成を抑える物質が送られ続けているため、ずっと硬いままなのです。収穫されて木から切り離されることで初めて「追熟」が始まり、私たちがよく知るクリーミーな食感へと変化していきます。
8.花は雌雄が時間で変わる

アボカドの花には、植物のなかでも非常に珍しい「雌雄異熟(しゆういじゅく)」という不思議な仕組みがあります。1つの花のなかに雄しべと雌しべの両方があるのですが、午前と午後で「メスの時期」と「オスの時期」が入れ替わるのです。たとえば1日目の午前中にメスとして開花した花は、いったん閉じて翌日の午後にオスとして再び開花します。自家受粉を避けて強い遺伝子を残すための、驚くべき植物の知恵です。
9.品種は1000種類以上

私たちがスーパーで普段見かけるアボカドは1種類だけのように思えますが、実は世界中には1000種類以上もの多様な品種が存在しています。日本に輸入されているものの約9割は、皮がゴツゴツして黒く変色する「ハス(Hass)」という品種です。しかし世界に目を向けると、皮がツルツルしていて熟しても緑色のままの「ベーコン」や「ズタノ」、さらには手のひらに収まらないほど巨大な品種まで幅広く栽培されています。
10.ハス種は郵便配達員が発見

現在世界で最も食べられている「ハス種」のアボカドは、研究所ではなく個人の庭先で偶然生まれました。1920年代のアメリカ・カリフォルニア州で、郵便配達員をしていたルドルフ・ハスさんが自宅の庭に植えた種から偶然育った突然変異の木が始まりです。その実があまりにも美味しく日持ちも良かったため、1935年に特許を取得して世界中に広まりました。現在あるすべてのハス種は、この1本の木から接ぎ木で増やされた子孫です。
11.犬や猫には絶対NG

人間にとっては栄養満点のスーパーフードであるアボカドですが、犬や猫、鳥などのペットには絶対に与えてはいけません。アボカドの果実や種、葉には「ペルシン」という動物にとって有害な毒素が含まれているためです。人間は体内でこの成分を分解できますが、小動物が口にすると嘔吐や下痢、呼吸困難などの中毒症状を引き起こし、最悪の場合は命に関わることもあります。調理中に床へ落とさないよう十分注意しましょう。
12.「アボガド」は間違い

日常会話やSNSなどで「アボガド」と濁音で呼んでいる人をよく見かけますが、正しい名称は濁らない「アボカド(Avocado)」です。なぜこれほど言い間違いが広まったのかというと、日本語には「カ」よりも濁音の「ガ」のほうが前後の音と繋がって発音しやすいという音声学的な特徴があるためだといわれています。スーパーのポップでもたまに間違えられていることがあるほど、日本人にとって馴染み深い言い間違いですね。
13.生産量世界一はメキシコ

世界中で消費されているアボカドの生産量ランキングで、圧倒的な世界一を誇っているのが原産地でもあるメキシコです。世界の総生産量の約3割がメキシコ1国で作られており、日本のスーパーに並ぶアボカドもそのほとんどがメキシコ産です。特にメキシコ中部のミチョアカン州は、火山性の肥沃な土壌と温暖な気候、豊富な降雨量に恵まれており、一年中美味しいアボカドが収穫できる聖地として知られています。
14.実は日本でも栽培される

熱帯のフルーツというイメージが強いアボカドですが、実は日本国内でも少しずつ栽培が広がっています。冬場に氷点下になりにくい温暖な地域が適しており、和歌山県や愛媛県、鹿児島県や沖縄県などで国産アボカドが作られています。輸入品は輸送時間を考慮して早めに収穫されますが、国産品は木の上でギリギリまで栄養を蓄えてから収穫できるため、より濃厚でとろけるような味わいを楽しめる希少なグルメとして人気です。
15.種から観葉植物に育つ

アボカドを食べた後に残る大きな種は、捨てずに水耕栽培で育てると立派な観葉植物になります。種の周りに爪楊枝を3〜4本刺し、下半分が水に浸かるようにコップのフチに引っ掛けておくだけで、数週間から数ヶ月ほどで真ん中が割れて根と芽が出てきます。成長するとツヤのある大きな緑の葉を広げるため、インテリアグリーンとしても大変おしゃれです。食べた後の種でガーデニングを楽しめるのは嬉しいですね。
16.実がなるまで何年も必要

水耕栽培から鉢植えに植え替えてアボカドを大きく育てたとしても、自宅の庭やベランダで実を収穫するのは至難の業です。種から育てたアボカドが花を咲かせて結実するまでには、早くても5年から10年以上の歳月と巨大なスペースが必要になります。さらに先ほどご紹介した通り、受粉のタイミングが午前と午後でズレる性質があるため、タイプの異なる品種を2本以上一緒に育てないと実がつきにくいのです。
17.追熟はりんごと一緒に

買ってきたアボカドがまだ硬くて食べられないときは、りんごやバナナと一緒にポリ袋や紙袋に入れて常温で置いておくのがおすすめです。りんごやバナナからは植物の成熟を促す「エチレンガス」という植物ホルモンが多く放出されており、アボカドの追熟スピードをグッと早めてくれます。20度前後の室温であれば、2〜3日ほどで程よい柔らかさに仕上がります。早く食べたいときにぜひ試したい裏技です。
18.未熟な実は冷蔵庫NG

まだ緑色で硬い未熟なアボカドを買ってきた際、すぐに冷蔵庫の野菜室に入れてしまうのは避けましょう。アボカドは熱帯生まれの果物のため寒さに弱く、5度以下の低温環境に置かれると「低温障害」を起こしてしまいます。一度低温障害になると、その後常温に戻しても二度と柔らかく追熟しなくなり、果肉が黒ずんで筋っぽくなってしまいます。冷蔵庫に入れるのは、しっかり熟して食べ頃になってからにしましょう。
19.変色防止にはレモン汁

アボカドを切ってそのまま放置しておくと、切り口がすぐに茶色っぽく変色して見栄えが悪くなってしまいますよね。これは果肉に含まれる「ポリフェノール」が、空気中の酸素と触れ合うことで酸化酵素の働きによってメラニン色素に変化するためです。この変色を防ぐには、切った直後にレモン汁や酢をサッとかけるのが効果的です。酸の力とビタミンCの抗酸化作用が、鮮やかな緑色をキープしてくれます。
20.食べ頃はヘタで見分ける

スーパーで美味しいアボカドを選ぶときは、皮の黒さだけでなく「ヘタ」の周辺に注目してみてください。食べ頃を迎えた美味しいアボカドは、ヘタと皮の間にわずかな隙間ができて少し浮いた状態になっています。逆にヘタが取れてしまっていて、その穴の奥が黒ずんでいるものは熟しすぎている可能性が高いです。皮にツヤとハリがあり、ヘタがしっかり付いていて周囲が少しだけ窪んでいるものを選ぶと失敗しません。
21.マグロのトロに似た食感

わさび醤油をつけたアボカドが「マグロのトロの味がする」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これは単なる気のせいではなく、アボカドの約20%という脂質含有量がマグロのトロとほぼ同じ割合であることに理由があります。人間の舌は「脂の口溶け」と「醤油・わさびの風味」が組み合わさると、脳がトロを食べていると錯覚しやすくなります。お寿司のカリフォルニアロールが美味しいのも納得ですね。
22.トマトと食べると効果倍増

サラダの定番コンビである「アボカドとトマト」は、味の相性だけでなく栄養学の面から見ても最強の組み合わせです。トマトに豊富に含まれる美肌・健康成分「リコピン」や「β-カロテン」は脂溶性の栄養素であり、油分と一緒に摂取することで体内への吸収率が数倍に跳ね上がるという特徴があります。良質な脂質をたっぷり持つアボカドと一緒に食べれば、ドレッシングの油分控えめでも効率よく栄養を吸収できます。
23.アボカドオイルは熱に強い

アボカドの果肉を絞って作られる「アボカドオイル」は、料理好きの間で非常に高く評価されている食用油です。健康や美容に良いだけでなく、油が煙を上げ始める温度である「発煙点」が約250度と全食用油のなかでトップクラスに高いという性質を持っています。そのため、高温での炒め物や揚げ物に使っても酸化しにくく、栄養素が壊れにくいのが大きなメリットです。クセがないのでドレッシングにもそのまま使えます。
24.加熱するとさらにトロトロ

生で食べることが多いアボカドですが、実は焼いたり揚げたりと加熱調理をしても絶品の味わいになります。熱を加えることで果肉の水分が適度に飛び、生の状態よりもさらにクリーミーでホクホクとした食感に変化するのです。また、うっかり硬いまま切ってしまった未熟なアボカドでも、レンジで温めたりフライパンでソテーしたりすれば、柔らかく美味しく食べられるようになります。グラタンや天ぷらにするのもおすすめです。
25.実は丸ごと冷凍保存できる

特売でアボカドをたくさん買いすぎたときや、熟しすぎてしまいそうなときは「冷凍保存」が便利です。カットしてからラップで包んで冷凍する方法がよく知られていますが、実は皮をむかずに丸ごとラップと保存袋に入れて冷凍することも可能です。食べるときは流水で半解凍状態にすると、包丁がスッと入って皮もツルンと簡単にむけます。解凍後は少し食感が柔らかくなるため、ディップやスムージーに最適です。
26.黒い筋の正体は維管束

アボカドを切ったとき、果肉に黒い糸のような筋や斑点が入っていて「腐っているのかな?」と不安になったことはありませんか。実はこの黒い筋の正体は、木から果実へと水分や栄養を運んでいた「維管束(いかんそく)」という管です。追熟が進みすぎたり、輸送中に冷えすぎたりしたことでこの管が酸化して黒く見えているだけなので、カビや異臭がなければ食べても体に害はありません。気になる場合は取り除いて食べましょう。
27.ラテックスと似た成分

アボカドを食べると口の中や喉がイガイガする、という人は「ラテックス・フルーツ症候群」の可能性があります。天然ゴム(ラテックス)に含まれるたんぱく質と、アボカドやバナナ、キウイに含まれるたんぱく質の構造が非常に似ているため、ゴムアレルギーを持つ人がアボカドにも反応してしまうことがあるのです。該当する食材を食べて違和感を覚えたことがある方は、無理をせず摂取を控えるようにしてくださいね。
28.スーパーボウルで大量消費

アメリカで毎年2月に開催される最大のスポーツイベント「スーパーボウル(アメフトの優勝決定戦)」の日は、世界中で最もアボカドが消費される日として有名です。観戦のお供としてアボカドディップの「ワカモレ」を食べるのが定番となっており、たった1日で約10万トン(数億個分)ものアボカドが消費されます。この日のためにメキシコから何千台ものトラックが国境を越えてアボカドを運ぶ、一大イベントとなっています。
29.アボカドの種は天然の染料

普段は捨ててしまうアボカドの種や皮ですが、実はハンドメイドの世界では「草木染め」の材料として大人気です。種や皮を細かく切って水からコトコト煮出すと、驚くほど鮮やかで優しいサーモンピンク色の染液が出来上がります。緑や黒のイメージが強いアボカドから、可愛らしいピンク色が抽出できるのはとても不思議ですよね。コットンやリネンの布を自然な風合いに染められるため、エコな染色法として注目されています。
30.クスノキ科の植物の仲間

アボカドの植物学上のグループを調べてみると、私たちがよく知る「クスノキ科」に属していることがわかります。クスノキ科といえば、防虫剤として使われる樟脳(しょうのう)が採れるクスノキや、スパイスでお馴染みの「シナモン」、煮込み料理に使う「ローレル(月桂樹)」などが同じ仲間です。爽やかな香りを持つハーブやスパイスの親戚から、あの濃厚でクリーミーな果実が実るというのは植物の不思議を感じさせますね。
まとめ
アボカドにまつわる30個の雑学をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。「森のバター」と呼ばれるほどの高い栄養価や、氷河期の巨大生物と歩んできた進化の歴史など、小さな実の中に驚くほど奥深いストーリーが詰まっていましたね。
スーパーでアボカドを選ぶときや、食卓でサラダを囲むときに、ぜひ今回知った豆知識を家族や友人にシェアしてみてください。美味しい見分け方や保存のコツも活用して、これからも毎日の食事でアボカドをもっと楽しんでいきましょう!
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