普段は土の中で暮らしているため、なかなか実際の姿を見る機会がない「モグラ」。絵本やゲームのキャラクターとしてはおなじみですが、その素顔は驚くほどユニークでたくましい生態に満ちあふれています。
今回は、知っているようで意外と知らないモグラの面白い雑学や豆知識を30個厳選してご紹介します。目の仕組みや太陽との関係、さらにはペットとして飼育できない驚きの理由まで、誰かに話したくなる秘密をたっぷりお届けしますので、ぜひ最後まで楽しんでくださいね。
1.太陽に当たると死ぬは嘘

「モグラは太陽の光を浴びると死んでしまう」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。実はこれ、科学的な根拠がない昔からの俗説で真っ赤なウソなのです。モグラが地上で死んでいるのが見つかるのは、縄張り争いに負けて地上へ追い出され、エサが食べられずに餓死してしまったケースがほとんどです。日光そのものが原因で命を落とすわけではありません。
2.12時間食べないと餓死

土を掘り続けるモグラは、私たちが想像する以上に膨大なエネルギーを消費しています。そのため極端なほどの燃費の悪さになっており、なんと半日ほど絶食しただけで餓死してしまうほど大食漢なのです。1日に自分の体重とほぼ同じか、それ以上の量のミミズや昆虫を食べ続けなければ生きていけません。モグラの人生は、まさに「食べるために掘り続ける」毎日と言えますね。
3.目は退化しても光は感じる

真っ暗な地下で生活しているモグラは、目の機能がほとんど退化しています。種類によっては皮膚や毛で目が覆われてしまっているものもいますが、明暗を判別する程度の視力は残っていることが多いです。トンネルが崩れて外の光が差し込んだときに、「地上に出てしまった!」と危険を察知してすぐ土の中に引き返すために、光を感じる機能だけは必要だったのですね。
4.実は泳ぎがとても上手

ずっと土の中にいるイメージが強いモグラですが、実は水に入ると驚くほど上手に泳ぐことができます。土を力強く掻き分ける大きな前足が、水の中ではオールのような役割を果たしてスイスイ進むのです。洪水などで巣穴に水が流れ込んできた際にも、この得意な泳ぎを活かして安全な場所まで避難します。川の向こう岸まで泳いで渡る姿が目撃されることもあるほどです。
5.ペットとしての飼育は違法

ころんとした体型がかわいいモグラを「家でペットとして飼ってみたい」と思う人もいるかもしれませんが、日本ではモグラを勝手に捕まえて飼育することはできません。実はモグラは「鳥獣保護管理法」によって守られている野生動物だからです。学術研究や特別な有害鳥獣駆除などの許可がない限り、捕獲したり飼育したりすると法律違反になってしまうので注意しましょう。
6.漢字で「土竜」と書く理由

モグラは漢字で「土竜」と書きますが、なぜ「竜」という字が使われているのでしょうか。これは中国で元々「土の中に住むミミズ」を土竜と呼んでいたことに由来します。それが日本に伝わった際、土の中で這い回るようにトンネルを掘り進むモグラの姿や、盛り上がった土の跡が竜のように見えたことから、漢字の意味が混同されてモグラを指す言葉として定着しました。
7.英語のmoleには別の意味

モグラは英語で「mole(モウル)」と言いますが、この英単語には生き物のモグラ以外にも意外な意味がいくつもあります。代表的なのが顔や体にある「ほくろ」や「スパイ(二重スパイ)」という意味です。組織の内部に深く潜り込んで秘密裏に活動するスパイの姿が、地面の下に潜って見えないところで動き回るモグラのイメージと重なることから、そう呼ばれるようになりました。
8.北海道にはモグラがいない

日本全国の畑や公園で見かけるモグラですが、実は北海道には野生のモグラが1匹も生息していません。北海道と本州の間にある深く流れの速い「津軽海峡」を渡れなかったためだと考えられています。北海道で「モグラの穴だ!」と思われているものの正体は、モグラではなく「エゾヤチネズミ」や、モグラに似たトガリネズミの仲間が掘った穴なのです。
9.ネズミではなくハリネズミ系

モグラは見た目やサイズ感から「ネズミの仲間」だと勘違いされがちですが、分類上はまったく別のグループに属しています。ネズミは「齧歯目(げっしもく)」ですが、モグラはハリネズミやトガリネズミと同じ「真無盲腸目」というグループになります。そのため、ネズミのように前歯が一生伸び続けることはなく、鋭い牙のような歯で肉食メインの食事をしています。
10.前足には「第6の指」がある

モグラの大きな前足は、土を掘るためのスコップのような形をしています。よく観察してみると、通常の5本の指のほかに手首の骨が変形してできた「第6の指」が存在しているのです。この特別な骨は「鎌状骨(かまじょうこつ)」と呼ばれ、親指の横に張り出すことで手のひらの面積を広げ、一度により多くの土を力強く掻き出せるように進化した結果だと言われています。
11.毛並みに向きがなく逆撫でOK

犬や猫などの動物は、頭から尻尾に向かって毛が生えているため、逆方向に撫でると毛が逆立ちますよね。しかしモグラの毛は地面に対して垂直にまっすぐ生えているため、毛並みの向きというものがありません。これは狭いトンネルの中で前に進むときも、後ろ向きにバックするときも、土との摩擦を減らしてスムーズに動けるようにするための見事な進化なのです。
12.耳たぶがないのは土よけ

モグラの顔をじっくり見ても、人間やウサギのような「耳たぶ(耳介)」がどこにも見当たりません。耳がないように見えますが、実は毛の下に小さな耳の穴がちゃんと隠れているのです。もし外に出っ張った耳たぶがあると、土の中を掘り進むときに邪魔になるだけでなく、穴の中に土や小石が入り込んでしまいます。そのため、耳たぶをなくして毛で覆う形に進化したのです。
13.ミミズを生きたまま保存する

大食漢のモグラは、エサとなるミミズがたくさん捕れたとき、すぐに食べきれない分を巣穴の「食料庫」に蓄えておく習性があります。このとき、ミミズが腐ったり逃げ出したりしないよう、なんとミミズの頭の部分だけを噛みちぎって動けなくするのです。こうして生きたまま鮮度を保った状態で何百匹ものミミズをストックし、エサが少ない時期の非常食にしています。
14.巣穴は多機能な地下要塞

モグラが地面の下に掘るトンネルは、ただ闇雲に掘られた一本道ではありません。実は寝室や食料庫、水飲み場などが分かれた多機能な要塞になっています。特に寝室にあたる場所には、地上から集めてきた落ち葉や枯れ草がふかふかに敷き詰められており、保温性もバッチリです。さらに天敵に襲われたときにすぐ逃げられるよう、複数の非常口まで用意されています。
15.モグラ塚の土は園芸に最高

畑や芝生にモグラが掘った土が盛り上がる「モグラ塚」は、農家やガーデニング好きにとっては悩みの種ですよね。しかし、あの盛り上がった土自体は雑草の種や病原菌が少ない極上の培養土として知られています。地下深くの土が細かく砕かれて空気をたっぷり含んでいるため、水はけも抜群です。ヨーロッパなどでは、この土を集めて鉢植えに使う園芸家も多いそうです。
16.野菜を食べる犯人はネズミ

畑のニンジンやサツマイモがかじられていると、「モグラに野菜を食べられた!」と怒る人がいますが、実はこれは大きな濡れ衣です。モグラは肉食動物なので、基本的にミミズや昆虫しか食べず野菜は食べないからです。では誰が野菜をかじっているのかというと、モグラが掘った便利なトンネルを勝手に通り道として利用している「野ネズミ」たちが真犯人なのです。
17.薄い酸素でも平気な特殊な血

換気の悪い地下深くのトンネルでは、地上よりも酸素が薄くなり、二酸化炭素の濃度が高くなりがちです。そんな過酷な環境でもモグラが平気で動き回れるのは、血液中のヘモグロビンが酸素と結びつく力が特別に強いからです。わずかな酸素でも効率よく体中に取り込み、さらに高い二酸化炭素濃度にも耐えられる特殊な血液を持っているため、窒息せずに暮らせます。
18.風船ガムで退治は迷信

モグラ撃退の裏ワザとして「巣穴に風船ガムを入れておくと、モグラが食べて喉に詰まらせて死ぬ」という方法が昔からよく語られます。しかし、これも科学的根拠のない迷信である可能性が高いと言われています。そもそも肉食のモグラは動く生き物にしか食欲を示さず、人工物であるガムを好んで食べることはほとんどありません。警戒心が強いため、異物として避けてしまいます。
19.鼻の周りに22本の触手がある種

北アメリカに生息する「ホシバナモグラ」という種類は、まるで宇宙生物のような衝撃的な見た目をしています。鼻の周りにピンク色の肉質の触手が22本も星形に広がっているのです。この触手には10万本以上の神経が集まっており、人間の指先よりもはるかに敏感なセンサーとして働きます。目が見えない代わりに、この鼻で超高速で獲物を探り当てて捕食します。
20.水中で匂いを嗅ぐモグラ

先ほどご紹介した「ホシバナモグラ」には、もうひとつ信じられない特技があります。なんと水中で鼻から泡を出して匂いを嗅ぐことができるのです。水底の泥や獲物に鼻を近づけ、プクッと空気の泡を押し付けてから再びその泡を吸い込むことで、泡に付着した匂い分子を感知します。哺乳類の中で水中で匂いを嗅げるのは、このモグラくらいだと言われる珍しい能力です。
21.日本には固有種が多く生息

日本の地面の下には、1種類だけでなく複数のモグラが住み分けています。代表的なのは東日本の「アズマモグラ」と、西日本の「コウベモグラ」ですが、実は日本に生息するモグラの多くは日本固有種なのです。特に佐渡島にだけ生息する「サドモグラ」や、尖閣諸島の「センカクモグラ」など、限られた地域で独自の進化を遂げた貴重な種類も存在しています。
22.西のモグラは東より強い

東日本のアズマモグラと西日本のコウベモグラは、中部地方あたりを境目に生息域が分かれています。この2種類を比べると、西のコウベモグラのほうが体が一回り大きく、縄張り争いでも圧倒的に強いのです。そのため、歴史的に見ても西のコウベモグラが東のアズマモグラの生息域を少しずつ奪いながら、勢力を東へと広げ続けていることが分かっています。
23.縄張り意識が強く常に孤独

かわいらしい見た目とは裏腹に、モグラは非常に気性が荒く、強い縄張り意識を持っています。繁殖期のわずかな期間を除けば、基本的には1匹ずつ孤独にトンネルで暮らす生き物です。もし自分のトンネルに他のモグラが侵入してくると、どちらかが死ぬか逃げ出すまで激しい噛みつき合いのケンカを繰り広げます。家族や仲間と群れを作って仲良く暮らすことはありません。
24.地上を走るヒミズという仲間

モグラの仲間には、本格的な地下生活をするモグラだけでなく、落ち葉の下や浅い土の中を好む「ヒミズ(日見ず)」という小さな種類もいます。モグラとの大きな違いは、前足がそれほど大きくなく尻尾が長いことです。土を深く掘る力は弱いものの、そのぶん地上を素早く走り回ることができます。地面の上と地下の中間のような暮らしをする、進化の過程が見える生き物です。
25.モグラ叩きは日本発祥

ゲームセンターや夏祭りで定番の「モグラ叩きゲーム」ですが、実はこれ、1975年に日本のタイトーという会社が開発した日本発祥のアーケードゲームなのです。穴からひょっこり顔を出すモグラをハンマーで叩くというシンプルで爽快なルールは大ヒットし、後にアメリカなど世界中に輸出されました。海外では「Whac-A-Mole(ワッカモウル)」という名前で親しまれています。
26.最高時速は約6kmで走る

土の中ではのっそり動いているように思えるモグラですが、掘られたトンネルの中を移動するときや、地上に出てしまったときは意外と素早く動きます。全力で走ったときのスピードは最高で時速約5〜6kmほど出ると言われており、これは人間が早歩きするくらいの速さに相当します。あの短い手足で一生懸命タタタッと走る姿は、見かけたら思わず応援したくなりますね。
27.1日に掘れる距離は数十m

モグラの穴掘り能力はすさまじく、1日のうちに数十メートル、条件が良ければ1晩で100メートル近く掘り進めることもあります。モグラの体長は15センチ前後ですから、人間のサイズに換算すると、たった1日で1キロメートル以上も素手でトンネルを掘っている計算になります。胸や肩の筋肉が異常に発達しているからこそできる、驚異のパワーですね。
28.語源は「うごろもち」

「モグラ」という名前の語源は、平安時代ごろに使われていた古語の「うごろもち(宇古呂毛知)」という言葉にあります。「うごろ」は土が盛り上がる様子を意味し、「土を盛り上げるもの(土竜持ち)」が転じたとされています。それが時代とともに「うぐろもち」「むぐらもち」と変化していき、最終的に「もぐら」と短く略されて呼ばれるようになりました。
29.お腹にガスが溜まりやすい

モグラの死骸が地上で見つかると、お腹がパンパンに膨れ上がっていることがよくあります。これは日光に当たって膨張したわけではなく、死後に体内の腸内細菌がガスを発生させるためです。また、生きているときもミミズなどの高タンパクなエサを大量に食べて消化し続けるため、お腹にガスが溜まりやすい体質だと言われています。
30.寿命は野生で約3〜4年

地面の下で外敵から身を守りながら暮らしているモグラですが、その寿命は野生下でおおよそ3年から4年ほどとされています。地下にいてもヘビやイタチがトンネルに侵入してくることがあり、地上に出ればフクロウやカラス、キツネなどに狙われる危険もあります。また、12時間食べないと死んでしまう過酷な体質を考えると、3〜4年を生き抜くだけでも大変なことなのですね。
まとめ
今回は、土の中で暮らす小さな掘り師「モグラ」に関する雑学を30個ご紹介しました。「太陽に当たると死ぬ」といった昔からのイメージが実は誤解だったり、12時間食べないと餓死してしまう驚きの体質だったりと、意外な発見がたくさんあったのではないでしょうか。
普段は姿が見えないモグラですが、もし公園や畑でポコッと盛り上がった「モグラ塚」を見かけたら、その下で一生懸命トンネルを掘り進めているモグラたちの姿を想像してみてくださいね。気になった豆知識があれば、ぜひ家族や友人にシェアして会話を盛り上げてみましょう!
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