秋になると食べたくなるホクホクの「さつまいも」。焼き芋やスイートポテト、天ぷらなど、世代を問わず愛されている身近な食材ですよね。でも実は、普段何気なく食べているさつまいもには、大人も子供も驚くような面白い秘密や歴史がたくさん隠されているんです。
今回は、さつまいもに関する雑学や豆知識をたっぷり30個ご紹介します!美味しい食べ方のコツや栄養の秘密から、クイズとして出題しても盛り上がる意外なトリビアまで幅広く集めましたので、ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。
1.実はアサガオの仲間

野菜売り場でじゃがいもや里芋と並んで売られているさつまいもですが、植物の分類で見るとまったく別のグループに属しています。実はさつまいもは、夏に美しい花を咲かせる「ヒルガオ科サツマイモ属」の植物でアサガオの仲間なのです。じゃがいもはナス科、里芋はサトイモ科なので、親戚ですらないというのは意外ですよね。ツルが伸びて葉っぱが広がる様子を見比べると、アサガオによく似ていることがわかります。
2.食べているのは根っこ

同じ「芋」でも、じゃがいもとさつまいもでは私たちが食べている部位が異なります。じゃがいもは地下に伸びた「茎」が膨らんだものですが、さつまいもは養分をたっぷり蓄えて太くなった「根っこ(塊根)」を食べています。よく観察すると、さつまいもの表面から細いひげ根が生えているのがわかりますよね。このひげ根の跡が、茎ではなく根っこであるという決定的な証拠なのです。
3.本州では花が咲きにくい

アサガオの仲間なら、さつまいもにもきれいな花が咲くのか気になりますよね。実は、さつまいもは日照時間が短く気温が高い環境でないと開花しないという性質を持っています。そのため、沖縄などの暖かい地域ではアサガオそっくりの薄紫色の花が咲きますが、本州の気候ではめったに花を咲かせません。もし本州の畑でさつまいもの花を見かけたら、とても珍しい現象なのでラッキーですよ。
4.花言葉は「幸運」

めったに咲かないさつまいもの花には、その珍しさにちなんで「幸運」や「乙女の純情」という素敵な花言葉がつけられています。江戸時代や明治時代の本州では、数十年に一度しか見られない幻の花として扱われ、「さつまいもの花が咲くと良いことが起こる」と人々の間で話題になったそうです。普段は土の中の芋ばかりに注目しがちですが、ロマンチックな花言葉を知ると見方が変わりますね。
5.原産地は中央アメリカ

日本の伝統的な食材というイメージが強いさつまいもですが、生まれ故郷は日本ではありません。元々の原産地はメキシコを中心とした熱帯アメリカ(中南米)地域で、紀元前から現地の人々に栽培されていました。その後、15世紀末にコロンブスがヨーロッパへと持ち帰り、そこからインドや中国へと世界中へ広がっていったのです。はるばる地球の裏側からやってきた野菜だと思うと感慨深いですね。
6.名前の由来は薩摩藩

さつまいもという名前は、現在の鹿児島県にあたる「薩摩藩」から全国へ伝わったことに由来しています。中国から琉球(沖縄)へと伝わった芋が、1705年に薩摩藩の前田利右衛門という人物によって持ち込まれ、そこから江戸などへ広まったため「薩摩から来た芋=さつまいも」と呼ばれるようになったのです。ちなみに当時の中国(唐)から伝わったため、九州や沖縄では今でも「からいも」と呼ぶ地域が多くあります。
7.青木昆陽が飢饉を救った

江戸時代の8代将軍・徳川吉宗の時代、日本は深刻な食糧不足である「享保の大飢饉」に苦しんでいました。そこで立ち上がったのが、「甘藷(かんしょ)先生」こと蘭学者の青木昆陽です。彼はやせた土地や干ばつでも力強く育つさつまいもに注目し、幕府に働きかけて関東での試験栽培を成功させました。この功績によって東日本にも栽培が広まり、多くの庶民の命が飢えから救われたのです。
8.漢字では「甘藷」と書く

農業の統計資料や古い書物などでは、さつまいものことを「甘藷(かんしょ)」と表記することがあります。この「藷」という漢字には「芋」という意味があり、中国で「甘い芋」という意味で名付けられた言葉がそのまま日本にも定着しました。ちなみに、じゃがいもはオランダ人がジャカルタ(ジャガタラ)から持ち込んだため「馬鈴薯(ばれいしょ)」と呼ばれており、同じ芋でも漢字の由来がまったく違います。
9.英語ではスイートポテト

日本で「スイートポテト」といえば、裏ごしした芋にバターや砂糖を混ぜて焼いた洋菓子を指しますよね。しかし英語圏で「sweet potato」というと、お菓子ではなく野菜の「さつまいもそのもの」を意味します。ちなみに、日本でおなじみの洋菓子のスイートポテトは明治時代に日本で考案された和製スイーツなので、海外で注文しても通じないことが多いので注意しましょう。
10.米国の定番はオレンジ色

クイズや検索でもよく話題になるのが、アメリカでのさつまいもの食べ方です。アメリカのスーパーで売られている主流の品種は、日本のものより水分が多く果肉が鮮やかなオレンジ色をしています。現地の感謝祭(サンクスギビングデー)では、潰した芋の上にマシュマロをたっぷりのせてオーブンで焼く「スイートポテトキャセロール」という甘い料理にして、肉料理の付け合わせとして食べるのが定番の文化です。
11.生産量日本一は鹿児島県

現在、日本で一番たくさんさつまいもを作っている都道府県は、名前の由来でもある鹿児島県です。全国シェアの約3割以上を占めており、火山灰が積もった「シラス台地」が水はけが良く栽培に最適だったことが最大の理由です。お米が育ちにくいシラス台地でも、さつまいもなら元気に育つため、古くから食用だけでなく芋焼酎やでんぷんの原料としても盛んに作られてきました。
12.白い液の正体はヤラピン

生のさつまいもを包丁で切ると、切り口から白いミルクのような液体がじわっと染み出してきますよね。アクだと思って洗い流してしまう人もいますが、実はこれ、芋類の中でさつまいもだけに含まれる「ヤラピン」という栄養成分なのです。ヤラピンには胃の粘膜を保護したり、腸のぜん動運動を活発にしてお通じを良くしたりする嬉しい働きがあります。加熱しても壊れにくいので、ぜひそのまま調理して食べてくださいね。
13.食物繊維との相乗効果

「さつまいもを食べるとお腹の調子が良くなる」とよく言われるのには、科学的な根拠があります。さつまいもには腸内環境を整える食物繊維がたっぷり含まれていますが、先ほど紹介した「ヤラピン」と食物繊維が組み合わさることで便を柔らかくし押し出す相乗効果が生まれるのです。美味しく食べながら自然にお腹のお掃除をしてくれるのは、とてもありがたいポイントですね。
14.ビタミンCが熱に強い

美容や風邪予防に欠かせないビタミンCは、本来なら加熱すると壊れやすいという弱点があります。ところが、さつまいもに含まれるビタミンCは加熱調理をしてもほとんど失われません。その理由は、加熱すると豊富に含まれる「でんぷん」が糊(のり)状になってビタミンCを包み込み保護してくれるからです。焼き芋やふかし芋にしても、りんごの数倍にあたるビタミンCをしっかり摂取できますよ。
15.実は白米より低カロリー

甘みが強くてお腹にたまるため、「さつまいもは太りやすい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし同じ100グラムあたりで比較すると、白米が約156キロカロリーなのに対し、さつまいもは約130キロカロリーと実は低めなのです。しかも血糖値が急激に上がりにくい「低GI食品」であり、食物繊維のおかげで満腹感も長続きするため、適量を守ればダイエット中の主食代わりにもぴったりです。
16.皮ごと食べると消化が良い

さつまいもを食べた後に、胸焼けがしたりお腹にガスが溜まっておならが出やすくなったりすることがありますよね。そんな時は、皮をむかずにそのまま食べるのがおすすめです。実はさつまいもの皮やそのすぐ内側には、でんぷんを分解する消化酵素「アミラーゼ」が多く含まれており消化を助けてくれるのです。さらに皮の紫色には抗酸化作用のあるアントシアニンも豊富なので、よく洗って皮ごといただきましょう。
17.おならは臭くなりにくい

さつまいもを食べるとおならが出やすくなるため、恥ずかしい思いをしたことがある人もいるかもしれません。これは腸内で善玉菌が食物繊維を分解する時にガスが発生するためですが、発生するガスの正体は主に二酸化炭素やメタンなので実はほとんど臭わないという特徴があります。お肉などを食べ過ぎた時に悪玉菌が出す悪臭ガスとは違い、腸が元気に働いている健康な証拠なので安心してくださいね。
18.宇宙食として研究される

なんとNASA(アメリカ航空宇宙局)や日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、さつまいもを未来の「宇宙食」として栽培する研究が進められています。その理由は、限られた水や肥料でも育ちやすく、芋だけでなく葉や茎まで余すことなく食べられるからです。さらにビタミンやミネラル、エネルギー源となる炭水化物がバランスよく含まれているため、月や火星の基地で自給自足するための救世主として期待されています。
19.掘りたては実は甘くない

野菜や果物は「採れたてが一番新鮮で美味しい」と思われがちですが、さつまいもに関しては例外です。収穫したばかりの掘りたてのさつまいもは、まだ「でんぷん」が糖分に変わっていないため甘みが少なくあっさりした味をしています。芋掘りで収穫したさつまいもをすぐに食べて「あれ?あんまり甘くないな」と感じたことがある人は、この性質が原因だったというわけですね。
20.寝かせると甘みが増す

収穫したさつまいもを甘く美味しくするためには、「キュアリング貯蔵」と呼ばれる熟成期間が必要です。温度13〜15度、湿度85〜90%ほどの環境で2週間から1ヶ月ほどじっくり寝かせることで、でんぷんが糖に変わりグッと甘みが増すのです。秋に収穫されたさつまいもが、冬本番になるにつれてどんどんねっとり甘くなっていくのは、貯蔵庫の中でじっくり熟成されているからなのですね。
21.甘くなる温度は70度前後

家庭で焼き芋を作る時、電子レンジでチンするとあまり甘くならないのに、オーブンや石焼きでじっくり焼くと驚くほど甘くなりますよね。これは、さつまいもの中にある「β(ベータ)-アミラーゼ」という酵素が関係しています。この酵素は、芋の内部温度が65〜75度前後の状態を長く保つことで活発に働き、でんぷんを甘い「麦芽糖」に変えるのです。電子レンジだと一瞬でこの温度帯を通り過ぎてしまうため、甘みが引き出せないというわけです。
22.冷蔵庫に入れると傷む

買ってきた野菜はとりあえず冷蔵庫の野菜室に入れるという方も多いですが、生のさつまいもを冷蔵庫に入れるのはNGです。熱帯アメリカ生まれのさつまいもは寒さに非常に弱く、10度以下の環境に置くと「低温障害」を起こして中が黒ずみ味が落ちてしまうのです。自宅で保存する時は、新聞紙に包んで直射日光の当たらない涼しい室内に置き、13〜15度くらいをキープしてあげるのが長持ちの秘訣です。
23.石焼き芋が美味しい理由

軽トラックで売りに来る「石焼き芋」が格別に美味しいのは、単なる雰囲気だけではありません。熱せられた小石から出る「遠赤外線」の効果によって芋の芯まで均一にじっくりと熱が伝わるため、先ほど紹介した70度前後の温度帯を長時間キープできるのです。さらに、時間をかけて加熱することで適度に水分が抜け、糖分がギュッと濃縮されるため、蜜が溢れるような絶品の焼き芋に仕上がります。
24.「栗よりうまい十三里」

10月13日は「さつまいもの日」に制定されていますが、これは江戸時代に流行した「栗(九里)より(四里)うまい十三里(9+4=13)」という粋なキャッチコピーが由来です。当時、江戸(日本橋)から川越までの距離が約十三里(約52キロ)あったことから、川越産の美味しいさつまいもを「十三里」と呼んで大評判になりました。昔の人の言葉遊びのセンスには思わず感心してしまいますね。
25.ホクホク系とねっとり系

最近のスーパーでは、いろいろな品種のさつまいもを見かけるようになりましたよね。大きく分けると、昔ながらの「紅あずま」や「鳴門金時」のようなホクホク系と、「安納芋」や「紅はるか」のようなねっとり系の2種類があります。天ぷらや大学芋にするなら食感が残るホクホク系、スイーツのような焼き芋を楽しむなら糖度が高いねっとり系など、料理に合わせて品種を使い分けるとさらに美味しく楽しめますよ。
26.芽には毒がないので安心

じゃがいもの芽や緑色になった皮には「ソラニン」などの天然毒素が含まれており、絶対に取り除かなければなりません。しかし、さつまいもの場合は植物の種類がまったく違うため、もし芽が出てしまっても毒性は一切なく、そのまま食べても安全です。ただし、芽が伸びると芋本体の栄養や水分が吸い取られて味が落ちてしまうため、芽を見つけたら早めに摘み取って調理してしまいましょう。
27.生で食べるとお腹を壊す

芽に毒がないとはいえ、さつまいもを生のままボリボリと食べるのはやめておきましょう。生のさつまいもに含まれるでんぷんは、人間の消化酵素では分解しにくい「β(ベータ)でんぷん」という構造をしており、生で食べると消化不良を起こす原因になります。加熱して「α(アルファ)でんぷん」に変化させることで、初めて人間が美味しく消化吸収できるようになるのです。
28.葉っぱや茎も食べられる

普段は捨ててしまいがちなさつまいもの「ツル(茎)」や「葉っぱ」ですが、実は昔から栄養豊富な野菜として食べられてきました。特に茎の部分は、皮をむいてアク抜きをするとフキのようなシャキシャキとした食感になり、きんぴらや佃煮にすると絶品です。カルシウムやポリフェノールも豊富に含まれているため、家庭菜園や芋掘りでツルが手に入った時はぜひ試してみてくださいね。
29.美味しい芋の見分け方

スーパーで美味しいさつまいもを選ぶ時は、いくつかのチェックポイントがあります。まず全体がふっくらと太っていて、皮にツヤがあり鮮やかな紅色をしているものを選びましょう。さらに、切り口に蜜が黒く固まった跡があるものや、毛穴(ひげ根の跡)が浅くて数が少ないものは、繊維質が少なくて糖度が高い証拠です。逆に表面がデコボコしていたり、黒い斑点が広がっていたりするものは避けるのが無難です。
30.干すと栄養も甘みも凝縮

蒸したさつまいもを天日干しにして作る「干し芋」は、素朴ながらも止まらなくなる美味しさですよね。実は干し芋に加工すると、水分が抜けることで生の時と比べて食物繊維やカリウム、鉄分などの栄養素が約2倍以上にギュッと凝縮されます。添加物を使わない自然派のおやつとして、子供の栄養補給やスポーツ時のエネルギーチャージにもぴったりの伝統食なのです。
まとめ
さつまいもの雑学30選、いかがでしたでしょうか?アサガオの仲間であることや、白い液体「ヤラピン」の嬉しい効果、そして70度前後でじっくり焼くと甘くなる科学的な仕組みなど、身近な食材だからこそ知ると誰かに教えたくなる豆知識ばかりでしたね。
これからスーパーでさつまいもを選ぶ時や、ホクホクの焼き芋を食べる時には、ぜひ今回ご紹介した雑学を思い出してみてください。食卓や学校でのちょっとしたクイズネタとしても披露して、周りの人と楽しく盛り上がっていただけたら嬉しいです!
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