真っ赤でツヤツヤとした見た目が可愛らしく、甘酸っぱい味わいで老若男女から愛されている「いちご」。ケーキの主役としてはもちろん、そのまま食べても美味しい定番のデザートですが、実は私たちが普段から当たり前に食べている部分は本当の果実ではないなど、常識を覆すような秘密がたくさん隠されているのをご存知でしょうか。
今回は、いちごの植物としての意外な正体から、いちご狩りや普段のお買い物ですぐに役立つ美味しい見分け方・食べ方のコツ、さらには誰かに出題したくなる面白いクイズネタまで、選りすぐりの雑学を30個たっぷりとご紹介します。これを読めば、次にいちごを食べる時間がもっと楽しくなるはずですよ。
1.分類上は果物ではなく野菜

甘くてジューシーないちごは、スーパーの果物コーナーに並んでいるため「果物」だと思われがちです。しかし、農林水産省の分類では、木に実がなるものを果樹(果物)、草に実がなる一年生や二年生の植物を野菜と定義しています。いちごは草本性の植物であるため、スイカやメロンと同じく「果実的野菜」という野菜の仲間に分類されているのです。
2.実はバラ科の植物である

可愛らしい花を咲かせるいちごですが、植物学上の分類を見てみると、なんと「バラ科オランダイチゴ属」に属しています。華やかなバラと同じ仲間というのは少し意外に感じるかもしれません。実はいちごだけでなく、りんごや桃、さくらんぼやアーモンドなどもすべて同じバラ科の植物であり、私たちの身近なフルーツにはバラの仲間がたくさん存在しています。
3.表面の粒々が本当の果実

いちごの表面にたくさんついている小さなツブツブを「種」だと思っている人は多いのではないでしょうか。実はあのツブツブこそが、植物学上における「本当の果実(痩果)」であり、その硬い殻のさらに内側に本当の種が入っています。つまり、私たちは1粒のいちごを食べるごとに、小さな果実を何百個も同時に食べていることになるのです。
4.赤い部分は茎が膨らんだ姿

表面のツブツブが本当の果実だとすると、私たちが美味しく食べているあの甘くて赤い果肉の部分はいったい何なのでしょうか。実はあの赤い部分は、花の土台となる「花托(かたく)」という茎の先端が大きく膨らんだものなのです。果実に栄養を届けるためのベッドのような役割をしており、植物学上では「偽果(ぎか)」と呼ばれています。
5.1粒に種は200個以上ある

いちごの表面にあるツブツブ(痩果)の数は、いちごの大きさや品種によっても異なりますが、一般的なサイズのもので1粒あたりおよそ200個から300個ほどぎっしりと並んでいると言われています。このツブツブの1つひとつに受粉が行われることで、その周囲の花托が刺激を受けて赤く大きく膨らむため、形が良いいちごほど受粉がまんべんなく成功した証なのです。
6.ヘタから食べるとより甘い

いちごを食べるとき、先端の尖った方からガブリとかじりついていませんか。実はいちごは、ヘタがついている根元よりも先端部分のほうが糖度が高く甘いという性質を持っています。先に甘い先端を食べてしまうと、後から食べる根元が酸っぱく感じてしまうため、ヘタを取ったら根元側から食べ進めるのが、最後まで甘さを堪能できるおすすめの食べ方です。
7.洗う時はヘタを取らない

いちごを水洗いするときに、先にヘタを取り除いてから洗うのはNGです。いちごに含まれるビタミンCは水に溶けやすい性質を持っているため、ヘタを取った断面から水が入ると栄養や甘みが流れ出て水っぽくなってしまうのです。洗うときは必ずヘタをつけたままサッと流水で洗い、食べる直前にヘタを取るようにすると美味しさをキープできます。
8.ヘタが反り返るほど完熟

いちご狩りやスーパーで甘いいちごを見分けたいときは、赤い実だけでなく緑色の「ヘタ」に注目してみてください。いちごはしっかりと熟して甘みが増してくると、ヘタが濃い緑色になり、実から離れるようにキュッと上向きに反り返ってくるという特徴があります。反対に、ヘタが実にくっついて平らなものはまだ若いサインなので、選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
9.実は春が本来の旬の季節

クリスマスケーキの影響で、いちごは12月頃の「冬の味覚」というイメージが強いですよね。しかし、温室でのハウス栽培が普及する前は、暖かくなってから実をつける植物だったため、本来の露地栽培における自然な旬は4月から5月にかけての春の季節でした。現在でも、春先になるとスーパーのいちごが手頃な価格でたくさん並ぶのはこのためです。
10.ビタミンCはレモン以上

ビタミンCが豊富な食べ物というとレモンを思い浮かべますが、実は可食部100グラムあたりで比較すると、生のいちごにはレモン果汁やみかんを上回るほどの豊富なビタミンCが含まれています。しかもレモンと違って酸っぱすぎず、そのままパクパクと食べられるため、中くらいのサイズを7〜8粒ほど食べるだけで1日に必要なビタミンCを手軽に補うことができます。
11.虫歯予防の成分が含まれる

甘酸っぱいいちごはお菓子感覚で食べられますが、実は歯の健康に嬉しい成分も含まれています。ガムなどでおなじみの甘味料「キシリトール」は白樺や樫の木から作られますが、自然界の食べ物の中ではいちごに非常に多くのキシリトールが含まれているのです。もちろん食べた後の歯磨きは必要ですが、天然のキシリトールが摂れるのは嬉しいポイントですね。
12.漢字で「苺」と書く由来

いちごは漢字で「草冠(くさかんむり)」に「母」と書いて「苺」と表記しますよね。この漢字の成り立ちには諸説ありますが、野生のいちごが地面を這うようにして次々と新しい芽や実を増やす姿が多産な母親を連想させることや、乳首の形に似ていることなどが由来とされています。生命力にあふれ、たくさんの実をつける特徴が見事に表れた漢字です。
13.英語のストロベリーの語源

いちごは英語で「ストロベリー(Strawberry)」と言いますが、なぜ「ストロー(麦わら)」という言葉が入っているのでしょうか。これは、栽培する際に実が地面の泥で汚れないよう周囲に麦わらを敷き詰めていたことや、昔は収穫したいちごを麦わらに 묶って市場で売っていた風習が由来だと言われています。ストローがストロー(吸う管)ではないというのが面白いですね。
14.1月15日は「いちごの日」

語呂合わせで1月15日は「いちごの日」として広く知られていますが、実は本来は果物のいちごではなく、高校受験を控えた15歳の世代を応援する「いいいちご(15歳)」という意味で制定された記念日でした。しかし現在では、「いい(1)いち(1)ご(5)」の語呂の良さから、全国いちご消費拡大協議会などによって果物のいちごをPRする日としても盛んに祝われています。
15.日本へは江戸時代末に伝来

現在私たちが食べている大きくて甘いいちご(オランダイチゴ)が日本にやってきたのは、江戸時代末期の1840年代頃のことです。長崎の出島にやってきたオランダ船によって持ち込まれたのが最初と言われていますが、当時は観賞用の珍しい植物として扱われており、現在のように食用の農作物として本格的に広まったのは明治時代に入ってからのことでした。
16.南北アメリカの交配で誕生

現代の大きくてジューシーないちごは、実は自然界にもともと存在していたものではありません。18世紀のヨーロッパ(オランダやフランス)の農園で、北アメリカ原産の香りの良い小粒種と、南アメリカ(チリ)原産の大粒種が偶然交배したことで誕生しました。新大陸の南北から集まった2つの野生種がヨーロッパで出会ったことで、奇跡の美味しさが生まれたのです。
17.栃木県が収穫量日本一

日本国内で最も多くいちごを生産している都道府県といえば、「とちおとめ」や「スカイベリー」などのブランド品種で知られる栃木県です。栃木県は冬場の日照時間が長く、昼と夜の寒暖差が大きいといういちご栽培に絶好の気候条件が揃っており、なんと半世紀以上にわたっていちごの年間収穫量日本一の座を守り続けている「いちご王国」なのです。
18.消費量日本一は実は浜松市

いちごの生産量では栃木県宇都宮市なども有名ですが、1世帯あたりの「いちごの購入量・消費量」を調査した総務省の家計調査では、意外にも静岡県の浜松市がトップクラスに輝いています。静岡県自体が「紅ほっぺ」や「章姫(あきひめ)」などの名産地であることに加え、地元産の採れたていちごを日常的にたくさん食べる文化が根付いていることが理由とされています。
19.「あまおう」は頭文字の略

福岡県が誇る大人気ブランドの「あまおう」は、漢字の「甘王」が由来だと思われがちですが、実は4つの言葉の頭文字を組み合わせた名前です。その4つとは、「あかい(赤い)」「まるい(丸い)」「おおきい(大きい)」「うまい(美味い)」の頭文字をとったもの。見た目の立派さと味の良さをストレートに表現した、とても分かりやすいネーミングなのですね。
20.白いまま熟す品種もある

いちごといえば真っ赤な色がトレードマークですが、近年では完熟しても真っ白なままの「白いちご」が高級フルーツとして注目を集めています。これは未熟なわけではなく、赤色の色素であるアントシアニンが遺伝的に作られない突然変異などから生まれた品種です。見た目は白くても糖度は非常に高く、桃のような芳醇な香りがするものもあります。
21.収穫後は追熟しない特徴

バナナやキウイ、メロンなどは、収穫した後にしばらく置いておくと甘みが増す「追熟(ついじゅく)」という性質を持っています。しかし、いちごは一度苗から摘み取ってしまうと、時間が経ってもそれ以上甘くなることはないという特徴があります。置けば置くほど鮮度や水分が落ちてしまうため、買ってきたらなるべく早く食べるのが一番美味しく味わう秘訣です。
22.冷やしすぎると甘みが減る

いちごは傷みやすいため冷蔵庫で保存しますが、キンキンに冷えた状態でそのまま食べると「なんだか酸っぱいな」と感じることがあります。これは人間の舌が、果物に含まれる果糖(フルクトース)の温度が低すぎると甘みを感じにくくなる性質があるためです。食べる少し前に冷蔵庫から出し、ほんの少し常温に戻してから食べると、本来の甘みを強く感じられますよ。
23.保存する時はヘタを下向き

買ってきたパックのまま冷蔵庫に入れると、下になっている実が重みで潰れて傷んでしまうことがあります。いちごを少しでも長持ちさせたいときは、パックから出してキッチンペーパーを敷いた保存容器に、ヘタを下向きにして重ならないように並べるのが正解です。いちごは先端の方が柔らかく傷みやすいため、硬いヘタ側を下にして立てることでダメージを防げます。
24.ハウスではミツバチが活躍

いちごがきれいな円錐形に育つためには、表面にある200〜300個のめしべすべてに均一に花粉をつける必要があります。人間の手で1粒ずつ作業するのは大変なため、多くのいちごハウスでは働き者のミツバチを放して、花から花へと飛び回ることで自然に受粉をしてもらっているのです。いちご狩りに行くとハウスの中でハチを見かけることがあるのは、美味しいいちごを作るためなのですね。
25.扇風機の形をした巨大粒

パックの中に、たまに先端が平たく広がって扇(おうぎ)のような形をした巨大ないちごが入っていることがありますよね。これは奇形ではなく、栄養がたっぷりと行き届いた一番最初の花(頂果)などに現れやすい「鶏冠果(けいかんか)」と呼ばれる現象です。見た目は少しユニークですが、株の栄養を一番に吸収して育っているため、実はとても甘くて美味しい当たり粒なのです。
26.練乳と合わせると栄養吸収

いちごに甘い練乳(コンデンスミルク)をたっぷりかけて食べるのは至福のひとときですが、実はこれ、栄養面でも非常に理にかなった組み合わせなのです。いちごに豊富なビタミンCやクエン酸には、牛乳や練乳に含まれているカルシウムの吸収率をグッと高めてくれる働きがあります。さらに乳製品の脂質やタンパク質も一緒に摂れるため、相性抜群の食べ方と言えます。
27.日本の品種は世界の大半

日本のいちごは、そのまま生で食べて美味しいように「甘さ」「香り」「食感」を極限まで追求して品種改良が重ねられてきました。現在、世界中に存在するいちごの品種は300種類ほどあると言われていますが、なんとそのうちの約半分以上(一説には約9割)が日本で開発された品種だとされています。日本のいちごがいかに世界トップレベルの品質であるかが分かりますね。
28.ショートケーキは日本発祥

ふわふわのスポンジケーキに真っ白な生クリームを塗り、真っ赤ないちごを乗せた「いちごのショートケーキ」は、実は日本独自の進化を遂げた洋菓子です。大正時代に菓子メーカーの不二家の創業者が、アメリカのビスケット生地のショートケーキを日本人の口に合うようスポンジ生地にアレンジして考案したのが始まりで、日の丸をイメージした紅白の彩りも人気の理由となりました。
29.いちご大福は昭和後期誕生

和菓子のあんこと甘酸っぱいいちごをお餅で包んだ「いちご大福」は、古くからある伝統和菓子のように思えますが、実は昭和後期(1980年代頃)になってから考案された比較的新しい和スイーツです。元祖を名乗る和菓子店は全国各地に複数存在しますが、生鮮食品であるいちごを大福に入れるという斬新なアイデアは当時大きなブームを巻き起こし、今や春の定番和菓子として定着しました。
30.実は種ではなく株分け栽培

いちごには1粒に200個以上の種がありますが、実は農家さんは種をまいていちごを育てているわけではありません。種から育てると親とは違う性質の実ができてしまうため、親株から伸びてくる「ランナー(走出枝)」と呼ばれるツルから子株を増やすクローン栽培が行われています。これにより、毎年同じ甘さや形を持ったブランドいちごを安定して収穫することができるのです。
まとめ
今回は、みんなが大好きな「いちご」にまつわる面白い雑学や豆知識を30個ご紹介しました。果物ではなく野菜の仲間であることや、赤い果肉が実は茎の膨らんだ部分でツブツブこそが本当の果実であることなど、普段何気なく食べているいちごにも植物としての驚きの仕組みがたくさん詰まっていましたね。
また、「ヘタが反り返ったものを選ぶ」「洗うときはヘタを取らず、食べるときはヘタ側から食べる」といった豆知識は、春のいちご狩りや日々のお買い物・デザートタイムですぐに実践できる便利なテクニックばかりです。ぜひ今度いちごを食べるときに、家族や友人にクイズとして出題して盛り上がりながら、美味しいいちごを味わってみてくださいね。
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