シャキシャキとした歯ごたえや、ホクホクとした優しい甘みが魅力の「れんこん」。きんぴらや筑前煮、天ぷらなど、日本の食卓には欠かせない大人気のお野菜ですよね。でも、なぜあんなに不思議な穴が開いているのか、普段私たちが食べている部分は植物のどこにあたるのかなど、意外と知らないれんこんの秘密はたくさん隠されています。
そこで今回は、誰かに話したくなる「れんこんの雑学30選」を分かりやすくまとめました!穴の数の法則や栄養を逃さない食べ方、さらには歴史上の偉人にまつわるエピソードまで、明日使える面白い豆知識やクイズネタが満載ですので、ぜひ最後まで楽しみながら読んでみてくださいね。
1.実は根ではなく「茎」

漢字で「蓮根(れんこん)」と書くため、ハスの「根っこ」だと思っている方も多いのではないでしょうか。実は、私たちが普段食べている部分は根ではなく、泥の中で肥大した「地下茎(ちかけい)」と呼ばれる茎なんです。じゃがいもや里芋と同じように、茎が地面の下で栄養を蓄えて太くなったものにあたります。本当の根っこは、節と節の間から生えている細いひげのような部分なんですよ。
2.穴が開いている理由

れんこんといえば、輪切りにしたときに見えるたくさんの穴が最大の特徴ですよね。なぜ穴が開いているのかというと、空気がほとんどない深い泥の底へ水上の葉から酸素を送るための「空気の通り道」になっているからです。この通気組織があるおかげで、水底の泥の中に埋まっていても窒息せずにしっかり呼吸をして成長することができます。自然の生き残る知恵が詰まった見事な構造ですね。
3.穴の数は基本「10個」

れんこんの穴の数はランダムに見えるかもしれませんが、実は法則があるのをご存知ですか?成長したれんこんを輪切りにすると、真ん中に1個と周囲に9個の「合計10個」の穴が並んでいるのが基本です。まれに成長の具合によって中央の穴が小さかったり、周囲が8個だったりすることもありますが、基本的には10個と決まっています。今度料理をするときに、ぜひお子さんと一緒にクイズ感覚で数えてみてくださいね。
4.葉や花托と繋がる穴

実はこの穴は、泥の中の茎だけでなく、水の上に出ている長い葉柄(ようへい)や花を支える茎にまでずっと繋がっています。そのため、ハスの茎を切って水につけて吹くと、ストローのように反対側からブクブクと泡が出るほどしっかり通じているんです。お盆の時期などに使われるハスの葉にお酒や水を注いで茎から飲む「象鼻杯(ぞうびはい)」という風流な行事も、この穴の構造を活かしたものです。
5.切ると黒くなる原因

れんこんを切ってしばらく置いておくと、切り口がだんだん黒っぽく変色してしまいますよね。これは、れんこんに含まれているポリフェノールの一種「タンニン」が空気中の酸素と反応して酸化するためです。りんごやバナナを切ったときに茶色くなるのと同じ現象で、さらに鉄分と結びつくことでも黒ずみが進みます。傷んでいるわけではありませんが、見た目をきれいに仕上げるには下処理がポイントになります。
6.酢水にさらす2つの理由

れんこんのレシピによく登場する「酢水にさらす」という工程には、実は2つの大切な役割があります。1つ目は酸の力で酸化酵素の働きを抑えて切り口が黒く変色するのを防ぎ、白くきれいに仕上げることです。そして2つ目は、お酢の成分が細胞壁に働きかけることで、加熱したときに独特のシャキシャキとした歯ごたえを長持ちさせる効果があります。ただし、さらしすぎると栄養が水に溶け出してしまうので5分程度で十分ですよ。
7.レモン並みのビタミンC

根菜というと食物繊維のイメージが強いですが、実はれんこんはビタミンCの宝庫でもあります。可食部100gあたりに約48mgものビタミンCが含まれており、これは果実のレモン100gあたりに匹敵するほどの豊富な含有量なんです。美肌作りや風邪予防、疲労回復にとても嬉しい栄養素ですよね。水溶性のビタミンなので、栄養を丸ごと摂りたいときはスープやみそ汁など汁ごと食べられる料理にするのもおすすめです。
8.熱に強いビタミンCの謎

本来ビタミンCは熱に弱く、加熱調理をすると壊れやすいという弱点があります。しかし、れんこんに含まれるビタミンCは加熱しても比較的しっかり残ってくれるという頼もしい特徴を持っています。その理由は、れんこんにたっぷり含まれている「主成分のでんぷん」が加熱時に糊化してビタミンCを優しくガードしてくれるからです。炒め物や揚げ物、煮物にしても栄養を効率よく摂れるのはとても嬉しいですね。
9.糸を引く成分の正体

生のれんこんを切ったときや、すりおろしたときに少し糸を引くようなぬめりを感じたことはありませんか?以前はムチンと呼ばれることもありましたが、植物に含まれるこの成分は糖とタンパク質が結合した「糖タンパク質(アラビノガラクタンなど)」であることが分かっています。乾燥から粘膜を守り、消化を助けて胃腸の調子を整えてくれる働きがあるため、食欲がないときにもぴったりの優しい成分なんですよ。
10.節の位置で変わる食感

れんこんはいくつかの「節(ふし)」が連なってできていますが、実は先端から何節目かによって食感や味わいが全く違います。先端にある1節目は最も新しく柔らかいため、みずみずしくてシャキシャキしたサラダや酢の物に最適です。真ん中の2〜3節目はバランスが良くきんぴらや天ぷら向き、根元に近い4節目以降はデンプンが多くて硬めなので、すりおろしやじっくり煮込む料理に向いています。
11.縦切りと輪切りの違い

同じ節のれんこんでも、包丁を入れる向きを変えるだけで驚くほど食感が変わります。繊維に沿って縦方向に切ると、繊維が断ち切られないため噛みごたえのある力強いシャキシャキ感が楽しめます。反対に、繊維を断ち切るように輪切りや半月切りにすると、熱が通りやすくなりホクホク・モチモチとした柔らかい食感になります。料理に合わせて切り方を変えるだけで、プロのような仕上がりになりますよ。
12.皮ごと食べるのがお得

調理するときにピーラーで皮をむいて捨ててしまう方も多いですが、実はれんこんの皮には栄養がぎっしり詰まっています。特に抗酸化作用のあるポリフェノール(タンニン)や食物繊維は、白い中身よりも皮の周辺に多く含まれているんです。新れんこんなどの皮が薄いものはもちろん、普段のれんこんでもたわしや丸めたアルミホイルで泥をこすり落とせば、皮ごと美味しく食べて栄養も節約も一石二鳥に楽しめます。
13.生産量日本一は茨城県

日本のれんこんがどこで一番多く作られているかご存知でしょうか?実は、国内の生産量ランキングで圧倒的な1位を誇っているのは茨城県で、全国のれんこん生産量の約半分(約5割)を茨城県産が占めているんです。特に霞ヶ浦周辺は、豊富な水源と肥沃で深い泥土、そして温暖な気候がそろっており、れんこん作りにこれ以上ないほど適した土地となっています。2位は徳島県、3位は佐賀県が続いています。
14.水圧と泥との収穫戦

スーパーでれんこんが少し高めに感じることがあるのは、収穫作業が想像を絶するほど重労働だからです。膝や腰まで浸かる深い泥田の中から折れないように掘り出す「水掘り」では、強い水圧が出るホースを使って泥を吹き飛ばしながら手探りで収穫します。また、水を抜いた田んぼで重機と手作業を組み合わせる「鍬(くわ)掘り」も熟練の技が必要です。特に真冬の冷たい泥の中での作業は、農家さんの努力の結晶そのものなんです。
15.おせちに欠かせない訳

お正月のおせち料理や、お祝い事の席でれんこんがよく使われるのには、とても素敵な理由があります。輪切りにしたれんこんの穴をのぞくと向こう側がよく見えることから、「将来の見通しが良い」「先を見通せる」という縁起物として古くから愛されてきました。さらに、1つの花からたくさんの種(実)ができるハスの性質から、子孫繁栄の願いも込められています。意味を知って食べると、より一層おめでたい気持ちになりますね。
16.仏教のハスは別品種

お寺の池などで美しい花を咲かせているハスを見ると、「あの下に美味しそうなれんこんがあるのかな?」と思ってしまいますよね。同じハス科の植物ではありますが、観賞用の「花ハス」と食用の「れんこん(食用ハス)」は、目的別に品種改良されてきた別の品種です。花ハスの地下茎は細くて繊維が硬いため、食べてもあまり美味しくありません。逆に、食用のれんこんも夏になるときれいで大きな花を咲かせますよ。
17.明治期に広まった中国種

日本には古くから在来種のハスがありましたが、江戸時代までに食べられていたれんこんは細長くて少し硬いものでした。現在スーパーに並んでいるようなふっくらと太くて柔らかいれんこんが主流になったのは、明治時代初期に中国から「備中(びっちゅう)種」などの優秀な品種が導入されたことがきっかけです。そこから日本の気候に合わせてさらに品種改良が重ねられ、今の美味しいれんこんへと進化していきました。
18.欧米では珍しい食材

日本や中国、インドなどのアジア圏では日常的に食べられているれんこんですが、実はアメリカやヨーロッパなどの欧米諸国ではあまり食べる習慣がありません。英語では「Lotus root(ロータス・ルート)」と呼ばれますが、欧米の人からは「観賞用の水草の根っこを食べるの?」と驚かれることもある珍しい食材なんです。ただ、近年ではグルテンフリーやヘルシーなアジア食材として、れんこんチップスなどが海外でも注目され始めています。
19.英語でハチミツの巣?

れんこんの切り口にあるたくさんの穴は、見る人や文化によっていろいろなものに例えられます。英語圏でれんこんの断面を説明するときには、その幾何学的な模様から「ハチの巣(Honeycomb)」や「車輪(Wheel)」のようだと表現されることがあります。また、日本では輪切りにしたれんこんの穴と穴の間を飾り切りして花びらに見立てた「花れんこん」という伝統的な技法があり、見た目の美しさを料理に活かしています。
20.2000年眠った大賀ハス

ハスの生命力は植物界でもトップクラスに凄まじいことで知られています。1951年、千葉県の検見川にある遺跡の泥炭層から、植物学者の大賀一郎博士らによって約2000年前の弥生時代以前のものとされるハスの種が3粒発掘されました。驚くべきことに、そのうちの1粒が翌年に見事なピンク色の花を咲かせ、「大賀ハス」と名付けられたのです。種皮が非常に硬く、水分や空気を遮断できるため、何千年もの眠りから目覚めることができました。
21.早朝に咲き昼に閉じる花

れんこん畑の上に咲くハスの花には、とても規則正しい不思議な体内時計が備わっています。つぼみは早朝のまだ涼しい時間帯にゆっくりと開き始め、午前7時〜9時ごろに満開を迎えたあと、お昼前には再びつぼみに戻ってしまうのです。この開閉を3〜4日間繰り返したあと、最後は花びらが散っていきます。「昼間にお花見に行ったら全部閉じていた!」ということが多いので、ハスの花を見るなら早起きが必須ですよ。
22.花が自ら発熱する不思議

ハスの花には、なんと「自分で熱を出して温まる」という動物のような能力があることが科学的に解明されています。外気温が下がっても花の中の温度を約30〜35度前後に保つことができ、温まることで香りを強く広げて花粉を運ぶ昆虫たちを誘い込んでいるのです。さらに、夜に花を閉じるときの花の中は、虫たちにとって暖かいホテルのような快適な空間になります。植物が自ら発熱するなんて、本当に神秘的ですよね。
23.葉が水を弾くロータス効果

ハスの葉っぱの上に水滴が乗ると、まるで水銀の玉のようにコロコロと丸まって転がり落ちていきますよね。これは葉の表面に目に見えないほど細かな凹凸とワックス成分があり、水や汚れを強力に弾いて自らをきれいに保つ「ロータス効果」と呼ばれる現象です。このすごい仕組みは科学の世界でも応用されており、雨が降るだけで汚れが落ちる外壁塗装や、ヨーグルトがフタの裏にくっつかない加工技術などに大活躍しています。
24.喉のケアにおろし汁

昔から日本の民間療法(おばあちゃんの知恵袋)として、喉がイガイガするときや咳が出るときには「れんこんのおろし汁」が良いと言い伝えられてきました。これは迷信ではなく、れんこんに含まれるタンニンの収れん作用(炎症を抑える働き)や豊富なビタミンCが、荒れた喉の粘膜を優しくケアしてくれるからです。節の部分を皮ごとすりおろして絞り、生姜汁やハチミツ、お湯を加えて飲む「れんこん湯」は寒い季節にぴったりですよ。
25.2種類の食物繊維が豊富

お腹の調子を整えたいときにも、れんこんはとても優秀なパートナーになってくれます。れんこんには、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」と水に溶けやすい「水溶性食物繊維」の両方が含まれており、特に不溶性食物繊維が腸を刺激してスムーズなお通じをサポートしてくれます。噛みごたえがあるため自然と咀嚼(そしゃく)回数が増え、少量でも満腹感を得やすいので、食べすぎを防ぎたいダイエット中の食事にもぴったりの食材です。
26.熊本の名物「辛子蓮根」

熊本県を代表する郷土料理といえば、穴の中にツンと辛い和辛子味噌を詰めて黄色い衣で揚げた「辛子蓮根(からしれんこん)」ですよね。この料理が誕生したのは江戸時代初期のことで、病弱だった熊本藩主・細川忠利公の健康を気遣った禅僧が考案した滋養食が始まりだと伝えられています。また、輪切りにしたれんこんの形が細川家の家紋「九曜紋(くようもん)」にそっくりだったことから、明治時代まで門外不出の秘伝料理とされていました。
27.岩国れんこんの穴は9個

先ほど「れんこんの穴は基本10個」とご紹介しましたが、山口県岩国市の特産品である「岩国れんこん」には面白い例外があります。岩国れんこんは「白花種」という珍しい品種で、輪切りにすると真ん中に1個と周囲に8個の「合計9個」の穴が開いていることが多いんです。この穴の数も、当時の岩国藩主であった吉川(きっかわ)家の家紋「九曜紋」と同じ9つの星に見えることから、藩主が大変喜んで栽培を奨励したと言われています。
28.旬は秋から冬に2度来る

一年中スーパーで見かけるれんこんですが、特に美味しくなる旬の時期は秋から冬にかけてやってきます。まず9月〜10月ごろに出回る「新れんこん(秋れんこん)」は、水分が多くて皮が薄く、あっさりとした瑞々しいシャキシャキ感が魅力です。そして寒さが厳しくなる11月〜2月ごろの「冬れんこん」は、寒さに耐えるためにデンプンや糖分を蓄えて、甘みと粘りのあるホクホク感が楽しめます。季節で2つの味が楽しめるのは贅沢ですね。
29.美味しい品を見分ける技

スーパーで美味しいれんこんを選ぶときは、いくつかのポイントをチェックしてみましょう。まず節つきの丸ごとの場合は、傷や色ムラがなく、ふっくらと太くてずっしり重みがあるものが良品で、皮の色は白すぎるものより自然な黄土色〜茶色がかったものが新鮮です。カットされて売られている場合は、切り口が白くてみずみずしく、穴の内側が黒ずんでいないもの(かつ穴が小さめで肉厚なもの)を選ぶと、ハズレがなく美味しくいただけますよ。
30.長持ちさせる保存のコツ

買ってきたれんこんは乾燥と空気が大敵なので、保存方法を少し工夫するだけで鮮度がぐっと長持ちします。節つきのままなら、湿らせたキッチンペーパーや新聞紙で包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存すれば1週間ほど持ちます。すでにカットしたものは、ラップで切り口に空気が入らないようピタッと包むか、容器に水を入れてれんこんを浸し、毎日水を取り替えながら冷蔵保存すると黒ずみを防いでシャキシャキ感をキープできますよ。
まとめ
今回は「れんこんの雑学30選」として、穴の役割や数の法則、栄養を活かす調理のコツ、そして歴史にまつわる豆知識まで幅広くご紹介しました。普段何気なく食べていたれんこんも、泥の中で呼吸するための穴やレモン並みのビタミンCなど、知れば知るほど植物としてのたくましさや魅力に驚かされますよね。
ぜひ次にれんこんを料理するときや食卓に並んだときには、「れんこんの穴って何個か知ってる?」「実は根っこじゃなくて茎なんだよ!」と、ご家族や友人にクイズを出して盛り上がってみてくださいね。
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