春になると食卓に並ぶ機会が増える「たけのこ」は、シャキシャキとした独特の食感と豊かな香りが魅力の食材ですよね。炊き込みご飯や煮物、チンジャオロースなど、和食から中華まで幅広く活躍する身近な存在ですが、実はその生態や栄養には驚くような秘密や不思議な特徴がたくさん隠されています。
今回は、たけのこに関する面白い豆知識から、美味しい見分け方や栄養のヒミツ、さらには人気お菓子の裏話まで、クイズや子供向けの話題としても盛り上がる雑学30選をわかりやすくご紹介します。明日誰かに話したくなる楽しい知識を、ぜひチェックしてみてくださいね。
1.1日に1m以上伸びる

たけのこの成長スピードは、植物のなかでもトップクラスに速いことで知られています。ピーク時にはなんと1日で1メートル以上も伸びることがあり、条件が良いと1時間に数センチずつ背が高くなっていく様子が観察できるほどです。これは節と節の間にある成長帯が、一斉に細胞分裂を起こして同時に伸びる仕組みを持っているためで、「雨後の筍(うごのたけのこ)」という言葉の通り、雨が降ったあとには一気に顔を出します。
2.漢字の筍は10日の意味

たけのこを漢字で書くと「竹冠に旬(しゅん)」で「筍」となりますよね。この「旬」という文字にはもともと「10日間」という期間の意味があり、現在でも1ヶ月を10日ごとに分けて上旬・中旬・下旬と呼ぶときに使われています。つまり「筍」という漢字は、「芽が出てからたった10日間ほどであっという間に硬い竹へと成長してしまう」という、驚異的な成長の速さをそのまま表して作られた文字なのです。
3.竹は木ではなく草の仲間

立派な竹林を見上げると、高くて硬い竹は「樹木」の仲間だと思われがちです。しかし植物学上の分類を見てみると、竹やたけのこはイネやトウモロコシと同じ「イネ科」の草本類に分類されることが多くなっています。一般的な木のように年輪を作って毎年太くなっていく「形成層」を持たず、たけのこの段階で決まった太さのまま一気に縦へと伸びていくため、木ではなく巨大な草に近い特徴を持っているのです。
4.白い粉の正体は栄養成分

水煮のたけのこを切ったとき、節の隙間に「白い粉」や塊のようなものがついているのを見たことはありませんか。カビや農薬、あるいは石灰などの添加物ではないかと心配して洗い流してしまう人もいますが、実はこれ、「チロシン」という旨味や栄養に関わるアミノ酸の一種です。水に溶けにくい性質があるため、茹でたあとに冷えることで結晶化して白く浮き出てきただけなので、そのまま安心して食べることができます。
5.チロシンでやる気アップ

たけのこの切り口に見られる白い成分「チロシン」は、私たちの体や心にとっても嬉しい働きをしてくれます。チロシンは脳内で、集中力ややる気を引き出す神経伝達物質「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」の材料になる大切な成分です。新生活が始まって環境が変わり、なんとなく疲れやストレスを感じやすい春の季節に旬のたけのこを食べることは、気分をシャキッと前向きにするのにもぴったりなのです。
6.英語ではバンブーシュート

海外の人にたけのこを説明したいとき、英語で何と言うか知っていますか。たけのこは英語で「bamboo shoot(バンブーシュート)」と表現します。「bamboo」は竹、「shoot」には植物の「若芽・新芽」という意味があり、直訳すると「竹の若芽」というとてもわかりやすい名前になっています。ちなみに中華料理の食材として海外のスーパーなどで売られている缶詰にも、この名前が書かれています。
7.夜ではなく朝に掘る理由

美味しい生のたけのこを収穫するときは、太陽が高く昇る前の「早朝」に掘るのが鉄則とされています。たけのこは日光を浴びて光合成を始めると、成長エネルギーを使うと同時に「えぐみ(苦味や渋み)」の成分が急激に増えてしまう性質があるためです。まだ土の中に隠れていて先端が少しだけ顔を出しているものを日の出前後に素早く掘り出すことで、えぐみが少なく甘みのある状態のまま収穫できるのです。
8.収穫した瞬間から劣化する

「たけのこを掘るときは、お湯を沸かしてから掘りに行け」という昔からの言い伝えがあるほど、たけのこは鮮度が命の食材です。土から掘り出した瞬間から呼吸作用によって糖分が消費され、時間が経つごとにえぐみ成分のシュウ酸やホモゲンチジン酸が増加してしまいます。そのため、生のたけのこを手に入れたら冷蔵庫で何日も寝かせるのではなく、買ってきたその日のうちにすぐ下茹でを済ませるのが美味しく食べる最大のコツです。
9.米ぬかで茹でる科学的理由

たけのこのアク抜きをするときに「米ぬか」と「鷹の爪(唐辛子)」を入れるのには、ちゃんとした科学的な理由があります。米ぬかに含まれるカルシウムやアルカリ成分がたけのこのえぐみ成分であるシュウ酸と結びつき、苦味を中和して外へ逃がしてくれるほか、米ぬかの脂肪分や酵素が繊維を柔らかくし、お米の甘い香りで独特の青臭さを包み込んでくれます。先人の知恵は、理にかなった素晴らしい調理法なのですね。
10.大根おろしでもアク抜き可

もし家に米ぬかがない場合は、お米のとぎ汁や生米をひとつかみ入れて代用するのが一般的ですが、実は「大根おろし」を使う裏技もあります。大根おろしの絞り汁に水を同量ほど混ぜ、そこに皮をむいて切ったたけのこを1〜2時間ほど浸しておくだけで、茹でなくてもえぐみが抜けるのです。大根に含まれる酵素がアクの成分を分解してくれるためで、たけのこ本来の香りと歯ごたえをより強く残したい料理人にも使われる方法です。
11.食用は主に孟宗竹など数種

世界には1,000種類以上、日本国内だけでも数百種類の竹や笹が存在していますが、私たちが普段たけのことして美味しく食べているのはそのごく一部です。スーパーなどで最も多く流通しているのは、中国原産で肉厚な「孟宗竹(もうそうちく)」という種類で、ほかにはアクが少なく淡白な「淡竹(はちく)」や、苦味がある「真竹(まだけ)」、東北や北海道で親しまれる細長い「根曲り竹」などが食用として知られています。
12.孟宗竹の名は親孝行の物語

たけのこの代表格である「孟宗竹」という少し変わった名前は、古代中国の「二十四孝」という物語に登場する「孟宗(もうそう)」という人物の親孝行エピソードが由来になっています。病気の母親が真冬に「たけのこのスープが飲みたい」と願ったため、孟宗が雪の積もる竹林へ行って涙ながらに神様に祈ったところ、奇跡的に地面からたけのこが生えてきたという伝説にちなんで、この竹に孟宗竹という名が付けられました。
13.部位で食感と適した料理別

1本のたけのこでも、場所によって食感や味わいがまったく異なるため、料理に合わせて部位を使い分けるのがプロの技です。先端の「姫皮(ひめかわ)」は最も柔らかいのでお吸い物や酢の物に、中央の「穂先」から「中ほど」は程よい歯ごたえがあるため若竹煮やたけのこご飯、炒め物にぴったりです。そして繊維が多くて硬い「根元」の部分は、薄く切るか細かく刻んで、天ぷらやハンバーグの具、筑前煮などにすると美味しくいただけます。
14.美味しい見分け方は穂先

お店で皮付きのたけのこを選ぶときは、まず一番上の「穂先(先端の葉のような部分)」の色に注目してみてください。穂先が濃い緑色や黒っぽいものは、すでに地面から出て日光を浴びてしまい、えぐみが強くなっているサインです。反対に、まだ土の中にいた証拠である穂先が鮮やかな「黄色」をしていて、全体がずんぐりと太く、持ったときにずっしり重いものを選ぶと、柔らかくて甘い極上のたけのこに出会えますよ。
15.地下茎で全部つながってる

竹林に生えているたくさんの竹やたけのこは、一見すると1本ずつ独立した植物のように見えますよね。しかし地面の下を掘ってみると、太い「地下茎(ちかけい)」と呼ばれる茎が網の目のように張り巡らされており、なんと竹林全体の竹が地下でひとつにつながっていることが多いのです。春になると、この地下茎の節々から一斉に新芽が地上へと顔を出すため、あちこちにたけのこがニョキニョキと生えてくる仕組みになっています。
16.節の数はたけのこの時同じ

背の高い立派な竹には、下から上までたくさんの「節(ふし)」がありますよね。成長するにつれて節の数も増えていくと思われがちですが、実は土から顔を出した小さな「たけのこ」の段階で、すでに一生分の節の数(約60個前後)がすべて揃っているのです。たけのこの断面を縦に切って見てみると、たくさんの節がアコーディオンのようにギュッと詰まっており、これが1段ずつ伸びることで背の高い竹になっていきます。
17.竹の花は数十年に一度咲く

たけのこが成長した「竹」にも花が咲くことはあまり知られていませんが、その開花周期は非常にミステリアスです。種類にもよりますが、竹はなんと60年から120年に一度という極めて長い周期で一斉に花を咲かせ、そのあと竹林全体が枯れてしまうという不思議な性質を持っています。なぜこれほど長い年月を正確にカウントして同時に開花するのか、そのメカニズムは現代の科学でもまだ完全には解明されていません。
18.皮の枚数は約30〜40枚

生のたけのこを買ってくると、何枚もの硬い皮が幾重にも重なっていて、むくのが少し大変ですよね。たけのこの皮は外側から内側まで数えると全部で30枚から40枚ほども重なっており、可食部は全体の半分以下しかありません。この分厚い皮は、まだ柔らかくて傷つきやすい中身の若芽を冬の寒さや害虫、乾燥から守る大切な鎧の役割を果たしているだけでなく、節が真っ直ぐ伸びるための添え木の役割も担っています。
19.マダガスカルに猛毒の種

日本に生えている竹のたけのこは、苦味が強い種類はあるものの、基本的に毒はないため食べることができます。しかし世界に目を向けると、アフリカのマダガスカル島には「キンイロジェントルキツネザル」という動物しか食べられない猛毒のたけのこ(ハルングアナ・マダガスカリエンシスなどの現地竹)が存在します。このたけのこには人間なら致死量に達するほどの「シアン化合物(青酸)」が含まれており、現地の人々も決して口にしません。
20.低カロリーで食物繊維豊富

たけのこは、ダイエット中の人や健康を気づかう人にとっても優秀な食材です。水煮のたけのこは100グラムあたり約25〜30キロカロリーと非常に低カロリーでありながら、お腹の調子を整える「不溶性食物繊維(セルロース)」がたっぷり含まれています。さらに、しっかりとした歯ごたえがあるため自然と噛む回数が増え、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防いでくれるという嬉しいダイエット効果も期待できます。
21.カリウムが塩分を排出する

たけのこには食物繊維だけでなく、ミネラルの一種である「カリウム」も豊富に含まれています。カリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)を尿と一緒に体の外へ排出してくれる働きがあるため、塩分の摂り過ぎによる「むくみ」の解消や、高血圧の予防に役立ちます。ただし、カリウムは水に溶け出しやすい性質があるものの、たけのこの場合は組織がしっかりしているため、下茹でしても比較的残りやすいのが特徴です。
22.パンダは皮をむいて食べる

動物園の人気者であるジャイアントパンダは、主食である竹やたけのこが大好物です。特に春に出回る柔らかいたけのこはパンダにとってもごちそうで、器用に前足を使って人間と同じように外側の硬い皮をベリベリとむき、中身のおいしい部分だけを食べる姿が見られます。パンダの前足には、親指から小指までの5本の指のほかに、手首の骨が変化してできた「第6の指」と呼ばれる突起があり、これでたけのこをしっかり掴めるのです。
23.生産量日本一は福岡県

たけのこの名産地というと、上品な白子たけのこで有名な「京都府」をイメージする人が多いかもしれませんね。しかし、農林水産省の統計による全国のたけのこ収穫量ランキングを見てみると、長年にわたり断トツの生産量日本一を誇っているのは「福岡県」で、2位には鹿児島県や熊本県などの九州勢が続いています。温暖な気候と豊かな赤土の土壌に恵まれた九州地方は、全国に美味しいたけのこを届ける一大産地なのです。
24.たけのこの里は1979年誕生

「たけのこ」と聞いて、明治のロングセラーお菓子「たけのこの里」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。サクサクのクッキーとチョコレートの組み合わせがたまらない「たけのこの里」は、姉貴分である「きのこの山(1975年発売)」から遅れること4年後の1979年に誕生しました。当時の日本ではまだ珍しい焼き菓子とチョコを合わせた立体的なお菓子として大ヒットし、今も変わらぬ人気を集めています。
25.きのこたけのこ戦争の歴史

「きのこの山」と「たけのこの里」のどちらが好きかを巡る、いわゆる「きのこたけのこ戦争」は、日本のお菓子界で最も有名なライバル対決ですよね。実は公式でも過去に何度も「国民総選挙」というキャンペーンが開催されており、これまでの公式投票では「たけのこの里」が勝利を収めることが多いものの、近年は「きのこの山」が逆転勝利を果たす年もあるなど、世代を超えて白熱した議論が今も楽しく続けられています。
26.メンマは麻竹のたけのこ

ラーメンの上にトッピングされている「メンマ」も、実はたけのこから作られている加工食品だということをご存じでしたか。ただし、私たちが春に食べる孟宗竹ではなく、主に中国や台湾などの温暖な地域に生えている「麻竹(まちく)」という巨大な竹のたけのこを、蒸してから乳酸発酵させ、天日干しで乾燥させて作られています。あの独特の旨味とコリコリした食感は、発酵と乾燥の工程によって生み出されているのです。
27.普通に冷凍するとスカスカ

たくさんたけのこをもらったとき、そのまま冷凍庫に入れて保存しようとすると失敗してしまいます。たけのこをそのまま冷凍すると、内部の水分が凍って膨張する際に繊維の細胞壁を壊してしまい、解凍したときに水分が抜けてスポンジのようにスカスカの食感になるためです。もし冷凍保存したい場合は、薄く切るか細かく刻み、だし汁や砂糖(またはみりん)をまぶして水分の凍結膨張を防いでから冷凍するのがポイントです。
28.食べ過ぎは肌荒れや腹痛に

旬のたけのこはとても美味しいですが、一度にたくさん食べ過ぎるのには少し注意が必要です。「たけのこを食べ過ぎると吹き出物が出る」と昔から言われることがありますが、これは脂質によるものではなく、たけのこにアレルギー様に作用する「ヒスタミン」に近い成分(アセチルコリンなど)が含まれているため、体質によってかゆみや肌荒れを起こすことがあるからです。また不溶性食物繊維が多いため、食べ過ぎると消化不良や便秘の悪化につながることもあります。
29.竹取物語のかぐや姫の由来

日本最古の物語といわれる『竹取物語』では、光り輝く竹の中から小さな女の子(かぐや姫)が生まれ、わずか3ヶ月ほどで美しい大人の女性へと成長しますよね。なぜ桃や栗ではなく「竹」から生まれたのかというと、古代の日本人はたけのこが驚異的なスピードで天に向かって伸び、空洞の内部に清らかな空間を持つことに「神聖な生命力」を感じていたからだといわれています。かぐや姫の早い成長も、たけのこの成長速度になぞらえているのです。
30.英語に雨後の筍と似た表現

日本では、物事が相次いでたくさん現れることを「雨後の筍(うごのたけのこ)」と表現しますが、竹があまり馴染みのない英語圏では別の食べ物を使って同じ意味を表します。英語ではなんと「like mushrooms after the rain(雨のあとのマッシュルームのように)」と、たけのこではなく「きのこ」を使うのです。雨上がりにニョキニョキと生えてくる様子に重ねる発想が、洋の東西で「きのこ」と「たけのこ」に分かれているのは面白いですよね。
まとめ
今回は、春の食卓に欠かせない「たけのこ」にまつわる雑学を30個ご紹介しました。1日に1メートル以上も伸びる生命力の秘密や、白い粉の正体がやる気を高める栄養成分であること、さらにはメンマや『竹取物語』との意外なつながりなど、身近な食材のなかにも驚きの豆知識がたくさん詰まっていましたね。
これからスーパーでたけのこを選ぶときや、ご家族や友人と「たけのこ料理」や「たけのこの里」を食べるときには、ぜひ今回ご紹介した雑学やクイズを話題にして、楽しい食事の時間を過ごしてみてくださいね。
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