独特のほろ苦さとシャキッとした食感が魅力のピーマン。炒め物や肉詰めなど毎日の食卓で大活躍する定番野菜ですが、実は名前の由来や色の変化、捨ててしまいがちな部分の秘密など、大人も驚くような意外な豆知識がたくさん隠されているのをご存知でしょうか。
今回は、ピーマンにまつわる面白い雑学を30個厳選してご紹介します。苦味を抑える裏ワザや豊富な栄養の話、子供と一緒に盛り上がれるクイズネタまで幅広くまとめましたので、明日誰かに話したくなる雑学をぜひ最後まで楽しんでみてくださいね。
1.実はトウガラシの仲間

野菜売り場でよく見かけるピーマンですが、植物の分類上はナス科トウガラシ属に属しています。つまり、ピリッと辛いトウガラシを品種改良して生まれた甘味種なのです。明治時代にアメリカから日本へ伝わった当初は「甘唐辛子(あまとうがらし)」や「西洋唐辛子」と呼ばれていました。見た目は辛そうに見えませんが、ルーツをたどると激辛野菜と同じ仲間だというのは意外ですよね。
2.語源はフランス語の言葉

「ピーマン」という少しユニークな響きの名前は、実は英語ではなくフランス語でトウガラシを意味する「ピマン(piment)」に由来しています。英語ではその釣鐘のような形から「ベルペッパー(bell pepper)」や「グリーンペッパー」と呼ばれており、海外で「ピーマン」と言っても通じません。日本でなぜフランス語由来の名前が定着したのかは諸説ありますが、響きの良さが親しまれたのかもしれませんね。
3.緑色は未熟なうちに収穫

私たちが普段よく食べている緑色のピーマンは、実はまだ熟しきる前の未熟な状態で収穫されたものです。実が完全に熟す前に収穫することで、ピーマン特有の爽やかな香りとシャキシャキとした歯ごたえを楽しむことができます。また、早めに収穫すると株が疲れにくいため、1つの苗から次々とたくさんの実を収穫できるという農家さんにとってのメリットもあります。
4.赤ピーマンは完熟した姿

スーパーで見かける鮮やかな赤ピーマンは、特別な別の品種というわけではなく、緑色のピーマンを木の上でそのまま完熟させたものです。収穫せずにじっくりと時間をかけて育てることで、緑色の色素が分解されて赤い色素であるカプサンチンが増えていきます。完熟するまでに通常の倍近い日数がかかり、収穫量も減ってしまうため、緑色のピーマンよりも少し高い値段で売られています。
5.完熟すると甘みが増える

緑色のピーマンが完熟して赤ピーマンに変わると、見た目だけでなく味も劇的に変化します。熟す過程で特有の青臭さや苦味成分が抜け、代わりに糖度が高まってフルーツのように甘くてジューシーな味わいになるのです。緑色のピーマンがどうしても苦手というお子さんでも、完熟した赤ピーマンなら驚くほどあっさり食べられることがよくありますよ。
6.パプリカは肉厚な別品種

カラフルなパプリカは赤ピーマンや黄ピーマンとそっくりですが、実は同じトウガラシ属でも果肉が分厚く大型になるよう改良された別品種です。一般的なピーマンが未熟な緑色の状態で収穫されるのに対し、パプリカは最初から完熟させて色づいた状態で収穫することを前提に育てられます。苦味がほとんどなく甘みが強いため、サラダなどの生食にもぴったりの野菜です。
7.苦味の正体はポリフェノール

ピーマン特有の苦味は、長らく「クエルシトリン」というポリフェノールの一種に、香り成分の「ピラジン」が合わさることで強く感じられるとされてきました。クエルシトリンには血管を広げて血流を促し高血圧を予防する働きや、抗酸化作用などが期待されています。嫌われがちな苦味と独特の風味ですが、私たちの体を元気にしてくれる大切な成分が詰まっている証拠なのですね。
8.子供が嫌うのは本能のせい

ピーマンが嫌いな子供の代名詞のようになっているのには、人間の防衛本能が深く関係しています。自然界において「苦味」や「強い青臭さ」は毒物や腐敗物を知らせるサインであるため、味覚に敏感な子供は自分の身を守るために本能的に苦いものを拒絶するようにできているのです。大人になるにつれて食経験が増え、安全な食べ物だと学習することで、自然と美味しく食べられるようになります。
9.縦に切ると苦味が減る

ピーマンを調理するとき、切り方ひとつで苦味の感じ方が大きく変わることをご存知でしょうか。ピーマンの繊維はヘタから先端に向かって縦に走っているため、繊維に沿って縦方向に切ると細胞が壊れにくく苦味成分が出にくいのです。逆に輪切り(横切り)にすると繊維が断ち切られ、苦味や青臭さが外に出やすくなります。苦味を抑えたいときは、ぜひ縦切りを試してみてくださいね。
10.油で炒めると食べやすい

ピーマンの苦味や香りの成分は油に溶けやすい性質を持っています。そのため、油を使って炒めたり揚げたりすると、苦味成分が油にコーティングされて舌に直接触れにくくなるため、グッと食べやすくなります。中華料理の定番であるチンジャオロースや、ピーマンの天ぷらなどが美味しく食べられるのは、理にかなった調理法だからなのですね。
11.種とワタも全部食べられる

料理をするときに真っ先に捨ててしまいがちなピーマンの「種」と「白いワタ」ですが、実は果肉と同じようにまるごと食べることができる部分です。ワタの部分はスポンジのように柔らかいため、煮汁やタレの旨味をたっぷり吸い込んでくれます。また、種も加熱するとプチプチとした食感のアクセントになり、生ゴミも減って一石二鳥ですよ。
12.ワタに血液サラサラ成分

ピーマン独特の青っぽい香りのもとになっている「ピラジン」という成分には、血小板が固まるのを防いで血液をサラサラにし血栓を予防する効果があります。驚くことに、このピラジンは普段食べている緑色の果肉よりも、捨ててしまいがちな「種」や「ワタ」の部分に圧倒的に多く含まれているのです。栄養を余さず摂りたいときは、種とワタを残したまま調理するのがおすすめです。
13.ビタミンCはレモン以上

ビタミンCといえば酸っぱいレモンを思い浮かべる人が多いですが、可食部100gあたりの含有量を比べると、ピーマンはレモンの果汁を上回るほどのビタミンCを含んでいます。さらに赤ピーマンになるとその量はさらに増え、野菜の中でもトップクラスのビタミンC含有量を誇ります。毎日の食事にピーマンを少しプラスするだけで、手軽にしっかりビタミン補給ができるのは嬉しいですね。
14.加熱しても壊れにくい栄養

一般的にビタミンCは熱に弱く、炒めたり茹でたりすると壊れてしまいやすいという弱点があります。しかしピーマンには、毛細血管を強くする働きを持つ「ビタミンP(ヘスペリジンなど)」が豊富に含まれているため、この成分がビタミンCを熱や酸化からしっかり守ってくれるのです。そのため、強火でサッと炒める料理でも栄養を無駄なく摂取することができます。
15.油と摂ると吸収率が上がる

ピーマンに豊富に含まれている「β-カロテン」は、体内で必要に応じてビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康を保つ働きをしてくれます。このβ-カロテンは脂溶性(油に溶けやすい性質)のため、生でそのまま食べるよりも油と一緒に調理することで体への吸収率が大幅にアップします。ごま油で和えたり肉と一緒に炒めたりするのは、栄養面でも最高の組み合わせなのです。
16.美肌作りにも嬉しい野菜

豊富なビタミンC、ビタミンE、そしてβ-カロテンが揃っているピーマンは、まさに食べる美容液ともいえる野菜です。ビタミンCがシミやそばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑えるとともに、コラーゲンの生成を助けて肌にハリを与えてくれます。紫外線が気になる季節には、太陽の光を浴びて育った夏野菜のピーマンが心強い味方になってくれますよ。
17.ヘタが6角形だと甘い噂

美味しいピーマンを見分ける裏ワザとして注目されているのが、頭にあるヘタの形です。通常、ピーマンのヘタは5角形になっていることが多いのですが、まれに6角形や7角形になっているものがあります。これは十分な栄養と日光を浴びて順調に育ったサインと言われており、5角形のものに比べて苦味が少なく甘みが強い傾向があります。売り場で見かけたらぜひチェックしてみてください。
18.美味しい実の見分け方

新鮮で美味しいピーマンを選ぶときは、ヘタの切り口と表面のツヤに注目しましょう。まず、ヘタが鮮やかな緑色で切り口がみずみずしく、黒ずんでいないものが新鮮な証拠です。さらに、果肉の表面にピンとしたハリと鏡のようなツヤがあり手に持ったときに弾力があるものを選ぶと、肉厚でジューシーな味わいを楽しめます。肩の部分が盛り上がっているものも生育が良い証拠です。
19.水気は厳禁!正しい保存法

ピーマンは乾燥にも弱いですが、それ以上に表面に水滴がついているとそこから傷みやすくなるという特徴があります。買ってきたら袋から出し、もし表面に水気がついていたらキッチンペーパーで1個ずつ丁寧に拭き取ってから保存するのが鉄則です。その後、乾いたキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れておくと、鮮度をグッと長持ちさせることができます。
20.丸ごと冷凍で苦味が減る

ピーマンが余ってしまったときは、生のまま冷凍保存するのがとても便利です。洗って水気を拭き取ったあと、カットしても丸ごとでもそのまま冷凍庫に入れることができます。しかも冷凍することでピーマンの細胞壁が壊れて苦味を感じにくくなるという嬉しいおまけ付きです。解凍すると少ししんなりするため、おひたしや炒め物などにそのまま使えて時短にもなりますよ。
21.中身が空洞になっている理由

ピーマンを半分に切ると、中はぽっかりと大きな空洞になっていますよね。これは、ピーマンの種が成長するときに呼吸をして熱を出すため、実の中に空気の層を作って温度が上がりすぎるのを防ぐためだと考えられています。また、中に空気が入っていることで水に浮くことができ、野生時代には川などの水流に乗って遠くまで種を運ぶ役割も果たしていたといわれています。
22.丸ごと焼きで種まで美味

近年、居酒屋やSNSなどで大人気になっているのが「ピーマンの丸ごと焼き(丸焼き)」です。ヘタも種も取らずにそのまま魚焼きグリルやフライパンでじっくり焼くことで、実の中の空洞で蒸し焼き状態になり旨味と水分が閉じ込められるのです。焼きたてをガブリと噛みつけば、中から甘いジュースがジュワッと溢れ出し、種やワタまで驚くほど美味しく食べられます。
23.生産量日本一は茨城県

日本で最も多くピーマンを生産している都道府県はどこかご存知でしょうか。実は茨城県と宮崎県の2県だけで全国の生産量の約半分近くを占めています。春から秋にかけては温暖で日照時間が長く、消費地である首都圏にも近い茨城県がトップを走り、寒くなる冬から春にかけては南国の気候を活かした宮崎県や高知県から多くのピーマンが全国へと届けられています。
24.実は夏が旬の太陽の野菜

ハウス栽培の技術が発達したおかげで一年中スーパーで買えるピーマンですが、本来の旬は6月から8月にかけての暑い夏の時期です。中南米の熱帯地方が原産のため、強い日差しと高い気温の中でぐんぐん育ちます。夏に出回る露地栽培のピーマンは、冬場のものに比べて果肉がしっかりしているだけでなく、ビタミンCやβ-カロテンなどの栄養価も一段と高くなります。
25.昔のピーマンはもっと苦い

「子供の頃はあんなにピーマンが嫌いだったのに、最近はすごく食べやすく感じる」という大人は多いのではないでしょうか。これは味覚の変化だけでなく、長年の品種改良によって昔のピーマンより苦味や青臭さが大幅に減っていることも大きな理由です。現代のピーマンは果肉が柔らかくて甘みがある品種が主流になっており、昔に比べて格段に食べやすく進化しているのです。
26.苦くないこどもピーマン

野菜嫌いの子供でも笑顔で食べられるようにと開発されたのが、「こどもピーマン(ピー太郎)」というユニークな品種です。従来のピーマンに比べて苦味成分が約10分の1程度に抑えられており青臭さもほとんどないのが最大の特徴です。見た目も少し丸みがあって可愛らしく、果肉が肉厚でジューシーなため、生のままサラダやスティック野菜としてポリポリ食べることができます。
27.加熱すると緑になる紫の種

あまり見かけない珍しい品種に、ナスのような濃い紫色をした「紫ピーマン」があります。これはアントシアニンという色素が表面に含まれているためですが、面白いことにフライパンで炒めたり茹でたりして熱を加えると鮮やかな緑色に変化するのです。外側の皮だけが紫色で内側は緑色をしているため、熱で紫の色素が分解されると元の緑色が現れるという不思議な仕組みになっています。
28.ししとうと同じ仲間の野菜

居酒屋メニューなどでおなじみの「ししとう(獅子唐辛子)」も、ピーマンと同じくトウガラシの甘味種の仲間です。ししとうを食べていると、たまに猛烈に辛い「当たり」に出会うことがありますよね。実はピーマンも、栽培中に水不足などの強いストレスを受けるとまれに辛味成分ができることがあります。ただしピーマンはししとうよりも品種が安定しているため、辛くなることはめったにありません。
29.原産地は中南米の熱帯地方

ピーマンの大元であるトウガラシの原産地は、中南米の熱帯地域です。15世紀末に探検家のコロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパへと持ち帰り、そこから世界中に広まっていきました。ヨーロッパで辛味の少ない品種が選抜されて現在のピーマンの祖先が誕生し、日本には16世紀にトウガラシが、そして明治時代に甘味種であるピーマンが伝来したという長い歴史があります。
30.戦後に日本の食卓へ定着

明治時代に日本へやってきたピーマンですが、当初は独特の青臭さが敬遠され、なかなか一般の家庭には広まりませんでした。日本の食卓に本格的に定着したのは、第二次世界大戦後に食生活の洋風化が進んだ1950年代以降のことです。油を使った炒め物や洋食メニューが家庭で作られるようになると、油と相性抜群のピーマンの美味しさが広く知られるようになり、今や欠かせない定番野菜となりました。
まとめ
ピーマンの雑学30選、いかがでしたでしょうか。普段は何気なく種やワタを取って調理していたピーマンも、実はトウガラシの仲間で、ワタにこそ栄養がたっぷり詰まっていると知ると、次からの料理がもっと楽しくなりそうですよね。
切り方や調理のちょっとした工夫で苦味が抑えられたり、ヘタの形で見分けられたりと、今日から使える実用的な豆知識もたくさんありました。ぜひ食卓での会話やお子さんへのクイズネタとして、周りの人にも教えてあげてくださいね。
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