寒い季節になると、こたつのお供として欠かせないのが甘くて美味しい「みかん」ですよね。包丁を使わずに手で手軽にむいて食べられることから、子どもから大人まで幅広い世代に愛されている日本の国民的フルーツです。そんな毎日何気なく食べているみかんですが、実は驚くような歴史や意外な科学の秘密がたくさん隠されていることをご存じでしょうか。
今回は、甘いみかんを瞬時に見分ける裏ワザから、白い筋の正式名称、さらにはちょっと変わったご当地の食べ方まで、子どもと一緒に楽しめる面白い豆知識やクイズネタを30個厳選してご紹介します。読めば思わず誰かに話したくなる楽しいトリビアばかりですので、ぜひみかんを片手に最後までお楽しみください。
1.白い筋の名前はアルベド

みかんの皮をむいたときについている白い筋には、実は「アルベド」という立派な正式名称がついています。ラテン語で「白さ」を意味する言葉が由来となっており、みかんの果肉へ栄養や水分を運ぶ大切な血管のような役割を果たしているのです。ついつい綺麗に取ってしまいがちですが、名前を知ると少し愛着が湧いてきますよね。
2.白い筋は栄養の宝庫

食べる前に白い筋(アルベド)を時間をかけて取る人も多いですが、栄養面から見ると実はとてももったいない行為です。この白い筋には、血管を強くする「ヘスペリジン(ビタミンP)」や、お腹の調子を整える食物繊維の「ペクチン」が果肉以上にたっぷり含まれています。健康や美容のためにも、ぜひ白い筋は取らずにそのまま食べることをおすすめします。
3.実を包む薄皮は「じょうのう」

みかんの果肉が一房ずつ包まれているあの薄い袋にも、実は「じょうのう(嚢)」という専門的な名前があります。さらに、その袋の中に詰まっている小さな粒々一つひとつは「砂じょう(さのう)」と呼ばれています。私たちが普段おいしく味わっているみかんの果肉は、植物学的に見ると毛が変化して果汁を蓄えた特別な部分なのです。
4.温州みかんは日本原産

スーパーで最もよく見かける一般的なみかんは「温州(うんしゅう)みかん」と呼ばれています。中国の地名のような名前がついているため中国原産だと思われがちですが、実は江戸時代に鹿児島県で偶然誕生した日本原産の品種なのです。当時、柑橘の名産地として有名だった中国の温州にあやかって、この立派な名前がつけられました。
5.種がないのは江戸時代の奇跡

私たちが普段食べている温州みかんには、ほとんど種が入っていませんよね。これは現代の最新技術で品種改良されたわけではなく、江戸時代に突然変異によって種なしの特徴を持った木が見つかったことが始まりです。種があると食べにくいとされていた当時、種がない奇跡のみかんは苗木によって全国へと大切に広められました。
6.手が黄色くなる柑皮症

冬にみかんをたくさん食べ続けていると、手のひらや足の裏が黄色っぽくなって驚いた経験はありませんか。これは「柑皮症(かんぴしょう)」と呼ばれる現象で、みかんに含まれる「β-クリプトキサンチン」などの色素が体内に一時的に溜まることで起こります。肝臓の病気(黄疸)とは異なり白目は黄色くならず、食べる量を減らせば自然と元の色に戻るので安心してくださいね。
7.揉むと甘くなるのは本当

「みかんは食べる前に揉むと甘くなる」という昔ながらの噂は、実は科学的にも理にかなっています。みかんに外から揉むという刺激を与えると、果肉が傷を修復しようとして呼吸を活発にし、酸味の元である「クエン酸」をエネルギーとして消費するからです。糖度自体が増えるわけではありませんが、酸っぱさが減ることで相対的に甘く感じられるようになります。
8.ヘタが細いほど甘い

店頭で甘いみかんを見分けたいときは、まず「ヘタ(軸の切り口)」の太さに注目してみてください。ヘタが太いものは木から水分をたくさん吸い上げて大味になりやすいのに対し、ヘタが細くて小さいものは水分が絞られて甘みがギュッと凝縮されている証拠です。また、ヘタの色が青々とした緑色よりも、少し黄色っぽく枯れているものの方が完熟していて甘みがあります。
9.皮のツブツブが密だと甘い

おいしいみかんを選ぶもう一つの大切なポイントが、外側の皮の表面にある小さなツブツブ(油胞)です。このツブツブの目が粗くてボコボコしているものより、きめ細かくて密集しており、皮が果肉にピタッと張り付いているものの方が糖度が高い傾向にあります。形もまん丸よりは、少し平べったい「扁平(へんぺい)形」で濃いオレンジ色のものを選ぶと失敗しません。
10.箱買いは逆さまに開ける

みかんを段ボールで箱買いしたときは、上のフタから開けるのではなく、箱をひっくり返して底側から開けるのが長持ちさせる鉄則です。箱の底にあるみかんは、上からの重みで圧力がかかり傷みやすくなっているため、底から順番に食べていくことでカビの発生を防げます。さらに一度全部取り出して、新聞紙を敷き直しながら並べ替えるとより長持ちしますよ。
11.保存はヘタを下に向ける

みかんをお皿やカゴに並べて保存するときは、ヘタがある方を下に向けて置くのが正解です。みかんはヘタの部分から水分が抜けやすく、また反対側のお尻の部分の方が皮が薄くて柔らかいため、普通に置くと自分の重みでお尻が潰れて傷みやすくなります。ヘタを下にして並べるというほんの少しの工夫だけで、みずみずしさを長くキープできます。
12.皮は陳皮という立派な漢方

食べ終わったあとに捨ててしまいがちなみかんの皮ですが、しっかり乾燥させると「陳皮(ちんぴ)」という立派な生薬になります。七味唐辛子の中にもブレンドされており、体を芯から温めたり胃腸の調子を整えたりする優れた働きを持っています。よく洗った皮を天日干しにしてネットに入れ、お風呂に浮かべれば、ポカポカ温まる天然の入浴剤としても大活躍します。
13.皮の汁で風船が割れる

膨らませたゴム風船にみかんの皮の汁を飛ばすと、針も刺していないのに「パン!」と音を立てて割れてしまいます。これは、みかんの皮の油分に含まれる「リモネン」という香り成分に、天然ゴムを溶かす性質があるためです。同じ理由で、発泡スチロールにみかんの皮の汁をつけると表面がシュワシュワと溶けてしまうため、自由研究の実験ネタとしても人気があります。
14.皮で油汚れやシール剥がし

みかんの皮に含まれる「リモネン」の溶かす力は、毎日のキッチン掃除や暮らしの中でも大いに役立ちます。電子レンジやコンロ周りのしつこい油汚れを皮の表側でこすると、オレンジオイルの働きで油が浮き上がりピカピカに落ちるのです。また、プラスチック製品についた頑固なシールのベタベタや油性ペンの落書き落としにも使える、万能なエコクリーナーになります。
15.ヘタ側からむくと筋が取れる

みかんの皮をむくとき、お尻の柔らかい方からむき始める人が多いのではないでしょうか。実はその逆で、硬いヘタ側から親指を入れてお尻に向かってむくと、白い筋が皮と一緒にスッと綺麗に取れるのです。これは果肉へつながる筋の繊維がヘタ側から伸びているためで、一発でツルンと美しいみかんがむける気持ちいい裏ワザです。
16.剥き方の定番「和歌山むき」

日本一のみかん産地である和歌山県には、現地の人なら誰もが知っている「和歌山むき(有田むき)」という独特のむき方があります。まずお尻の真ん中から半分に割り、さらにそれを半分に割って4等分にしてから、皮ごと一房ずつペリッと剥がして食べる超スピード技です。手が汚れにくく、白い筋も気にならずに次々と口へ運べるため、大量のみかんを食べる産地にぴったりの方法です。
17.冷凍みかんは駅の売店発祥

学校の給食や新幹線の旅でおなじみの「冷凍みかん」は、1955年(昭和30年)に神奈川県の小田原駅の売店で発売されて大ヒットしたのが始まりです。冬しかみかんが売れなかった時代に、夏場でも冷たくておいしいみかんを乗客に届けたいという工夫から誕生しました。ちなみに、家庭で作るときは一度凍らせたみかんにサッと水をくぐらせて再冷凍すると、表面の氷の膜が乾燥を防いでおいしく仕上がります。
18.缶詰の薄皮は薬品で溶かす

シロップ漬けのみかんの缶詰を見ると、一粒ずつ薄皮(じょうのう)が完璧にむかれていてツルツルしていますよね。あれは工場で人の手でむいているのではなく、塩酸(酸性)と水酸化ナトリウム(アルカリ性)の溶液に順番に浸して薄皮だけを溶かしているのです。最後には大量のきれいな水で完全に洗い流して中和させるため、人体にはまったく無害で安全に食べられます。
19.焼きみかんで甘みと栄養UP

みかんを皮ごとトースターや魚焼きグリルで焼く「焼きみかん」は、寒い冬にぜひ試してほしい絶品の食べ方です。熱を加えることで果汁の水分が少し飛び、甘みがギュッと濃縮されてまるでホットマーマレードのような味わいになります。さらに、皮に含まれる健康成分が果肉へと染み出し、体も内側からポカポカに温まるという嬉しいメリットもあります。
20.愛媛の郷土料理「みかんご飯」

みかん大国として知られる愛媛県では、なんと白米を水の代わりに100%みかんジュースで炊き上げる「みかんご飯」が学校給食などに登場します。炊き上がったご飯は鮮やかな黄色になり、ほんのりフルーティーな酸味と甘みが広がる爽やかなピラフのような味になります。鶏肉やニンジンなどの具材とも意外と相性が良く、地元の子どもたちにも親しまれているご当地グルメです。
21.英語ではマンダリン

みかんは英語で「オレンジ」だと思われがちですが、日本の温州みかんは英語で「Satsuma(サツマ)」や「Mandarin(マンダリン)」と呼ばれます。「サツマ」は明治時代に鹿児島県(旧薩摩藩)から欧米へ苗木が輸出されたことが由来です。一方の「マンダリン」は、清朝の中国で高官(マンダリン)が黄色い服を着ていたことから、みかんの色と重ね合わせて名付けられました。
22.こたつにみかんの意外な理由

日本の冬の風景といえば「こたつにみかん」がおなじみですが、これにはちゃんとした理由があります。昔の家屋は暖房設備が十分ではなく、こたつに入ると下半身だけが温まって頭がぼーっとしたり、喉が乾いて水分不足になったりしやすかったのです。そこで、冷たいみかんで火照った体をクールダウンさせつつ、水分と風邪予防のビタミンCを補給するという生活の知恵として定着しました。
23.鏡餅の上は実はみかんではない

お正月に飾る鏡餅の一番上に乗っている柑橘類は、実は私たちが普段食べている温州みかんではなく、本来は「橙(だいだい)」という別の果物です。橙は冬に実が熟しても木から落ちず、同じ木に何年もの実が重なってなることから「代々(だいだい)家が栄える」という縁起物とされてきました。現代では手に入りやすくサイズも手頃な温州みかんが代用として広く使われています。
24.1日2個でビタミンCが足りる

みかんといえば風邪予防に欠かせないビタミンCが豊富なことで有名ですよね。大人が1日に摂取したいビタミンCの推奨量は約100mgとされていますが、中くらいのみかんを1日に2〜3個食べるだけで、この1日分の必要量をほぼクリアできるのです。調理の手間もいらず、デザート感覚で手軽に栄養チャージができるのは本当に心強いですね。
25.小さなみかんの方が甘い理由

同じ袋や箱に入っているみかんでも、Lサイズの大きなものよりSサイズの小ぶりなみかんの方が甘く感じることが多いです。これは、実が大きく育つ過程で水分をたくさん吸収すると、その分だけ果汁の糖度や酸味が薄まってしまうからです。逆に小さなみかんは水分量が控えめなため、糖分と旨みがギュッと高密度に詰まった濃厚な味わいになりやすいのです。
26.生産量トップは和歌山と愛媛

日本のみかん生産量ランキングでは、長年にわたって「和歌山県」と「愛媛県」が全国1位・2位の座を競い合っています。とくに和歌山県は温州みかん単体での収穫量が約20年連続で日本一を誇っており、水はけの良い急斜面の段々畑と黒潮がもたらす温暖な気候が最高のみかんを育てています。3位には静岡県が続いており、この上位3県だけで全国の半分近いシェアを占めています。
27.骨を強くする注目成分

近年、みかんの健康効果として研究者たちから熱い注目を集めているのが、オレンジ色の色素成分である「β-クリプトキサンチン」です。温州みかんに圧倒的に多く含まれるこの成分には、骨の形成を助けて骨粗しょう症のリスクを下げる働きがあることが分かってきました。毎日みかんをよく食べる地域の人は血中の成分濃度が高く、骨の健康維持に役立っています。
28.緑色の早生みかんも美味しい

9月から10月頃の秋口になると、まだ皮が緑色や黄色がかった「極早生(ごくわせ)みかん」が店頭に並び始めます。緑色だと「まだ熟していなくて酸っぱいのでは?」と敬遠されがちですが、中身はすでにしっかり熟しており、爽やかな酸味と甘みのバランスが絶妙なのです。皮が緑色なのは、まだ気温が高いために葉緑素が抜けきっていないだけなので、秋ならではのフレッシュな味をぜひ楽しんでみてください。
29.農家が実践する「マルチ栽培」

みかん畑の地面に、真っ白なシートが敷き詰められている光景を見たことはありませんか。あれは「マルチ栽培」と呼ばれる特別な農法で、白いシートで雨水が土に入るのを防いで水分ストレスを与えつつ、太陽の光を照り返して下からも光を当てるための工夫です。太陽の光を360度たっぷり浴びたみかんは、色づきが良くなり驚くほど甘いブランドみかんに育ちます。
30.みかんの花は5月に白く咲く

童謡『みかんの花咲く丘』でも歌われている通り、みかんの花は5月頃の初夏に一斉に開花します。オレンジ色の実からは想像がつきにくいですが、清楚で可愛らしい真っ白な5枚の花びらを持ち、ジャスミンやネロリに似た甘い香りを周囲に漂わせます。この短い開花の時期にだけ採れる「みかんのはちみつ」は、クセがなくてフルーティーな香りの高級ハチミツとして大人気です。
まとめ
みかんに関する30個の雑学をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。普段何気なく取っていた白い筋に「アルベド」という名前や豊富な栄養があることや、甘いみかんを見分けるヘタや皮のサインなど、知れば知るほどみかんの奥深い魅力に驚かされますよね。
次にスーパーでみかんを選ぶときや、家族や友人とこたつを囲んでみかんを食べるときには、ぜひ今回知った豆知識や剥き方の裏ワザを試してみてください。きっと「へぇ〜!」と盛り上がる楽しい会話のきっかけになり、いつものみかんが何倍もおいしく感じられるはずですよ。
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